谷川浩司十七世名人襲位と世代交代

トレード雑記第131弾、

 

谷川浩司十七世名人襲位と世代交代

名人5期獲得による将棋連盟の推挙によって、

谷川浩司九段(永世名人有資格者)が、

2022年5月23日付けで「十七世名人」を襲位しました。

 

谷川十七世名人は、1962年生まれの60歳、

21歳で名人位を獲得、35歳で通算5期となり永世名人の資格を有することに。

 

ちなみに、永世称号の襲位は原則引退後と規定されていますが、

すでに故・大山康晴十五世名人、中原誠十六世名人など、

現役で永世称号を襲位する前例はありました。

 

また、谷川十七世名人の襲位は、

長年にわたる将棋界への功績とともに、

60歳をひとつの契機と考えるという推挙理由があったので、

おそらくは今後も60歳での襲位という流れが継続されそうです。

 

そうなると次は、約8年後、

1970年9月27日生まれの羽生善治九段(十九世名人有資格者)、

1970年10月10日生まれの森内俊之九段(十八世名人有資格者)、

になるわけです。

 

両者とも通算5期で資格を有することになったわけですが、

森内九段が2008年に、羽生九段が2009年に達成したため、

それぞれ十八世名人、十九世名人となります。

 

仮に両者が60歳前後で襲位するとして、

同時に襲位となるのか、それとも少し時期をズラすのか、

年齢は同じですが、タイトル通算獲得数を優先すると羽生九段に、

名人位のみを優先すると森内九段に軍配があがりますので、

おめでたい話ですが、将棋連盟としても悩みは尽きなさそうです。

(どうであれ両者の輝かしい実績が色褪せることはないんですけど)

 

世代交代に対して

さて、谷川十七世名人の話に戻ると、

半年か1年くらい前の発言だったと思いますが、

藤井聡太竜王がタイトル戦で無双していたので(今でも無双は継続中)、

20~30代の棋士に対して、「君たちは悔しくないのか!?」と、

檄を飛ばしたことがありました。

 

谷川十七世名人自身、

大山十五世名人から中原十六世名人へと世代交代しているさなか、

1976年にプロ入りしていますし、

その中原十六世名人や故・米長邦雄永世棋聖と、

また、名人位初奪取は加藤一二三九段からと、

先輩棋士との勝負を繰り広げ、いざ谷川時代到来を予感させた頃に、

羽生世代が台頭して新たな世代交代のなかで孤軍奮闘した経験があります。

 

そして羽生世代に対して次世代から渡辺明名人が孤軍奮闘していたところ、

すい星のごとく現れたのが現在19歳の藤井聡太竜王といった感じです。

 

もちろん20~30代でもタイトルを獲得した棋士は他にもいるんですが、

ほとんどが1期か2期で手放してしまってその後は挑戦者にもなれない状況なので、

谷川十七世名人が若手棋士に発破をかけたくなる気持ちはよくわかります。

 

出口若武六段の悔し涙

そんななかで興味深かった出来事が、藤井聡太竜王が初防衛を果たした叡王戦。

 

アイキャッチ画像は、その叡王戦の一コマ。

 

向かって左、白の羽織を着た藤井叡王(叡王戦なので呼称は叡王、一般的には竜王)に対して、

挑戦者として立ち向かったのが向かって右、出口若武(でぐち わかむ)六段。

 

今回の叡王戦がタイトル初挑戦で、

新婚ホヤホヤ(奥様は女流棋士の北村桂香女流初段)の27歳。

 

大方の予想は、藤井壮太叡王の圧勝といったところ。

(なんせタイトル戦の奪取&防衛確率が現在100%ですからね)

 

そもそもよほどの将棋ファンじゃないと出口六段って誰!?というレベル。

 

結果は・・・、

藤井叡王の3連勝、ストレート勝ちで防衛に成功。

 

大方の予想どおりだったんだけど、

予想外だったのは終局直後の出来事。

 

第3局が終了した後の大盤解説会で、出口六段が悔し涙を見せる。

 

いろいろな感情があったことは容易に想像できるし、

勝負師が涙を流すなんて、みたいな意見もあったりするんだけど。

 

本気で勝つ気持ちでいたからこそ涙が出たんだと思う。

 

さっきも書いたように下馬評だと藤井叡王の「100対0」、

オッズにすると1.0倍くらいの感覚でみられている状況で、

本人が勝つ気持ちを持っていたことに、一将棋ファンとして嬉しく感じた瞬間。

 

ぶっちゃけ、現在の藤井聡太竜王に勝てる人は現役棋士では難しくて、

これからプロになる若い世代(現在中学生とか小学生くらいの人)だろうって、

そのくらいの感覚で勝手に思い込んでいたので。

 

今後、出口六段のタイトル戦再挑戦や、強いと名前が挙がる20~30代の棋士が、

タイトル戦線で活躍してくれたら、ますます将棋界が盛り上がりそうです。

 

女性棋士の誕生なるか!?

週1回のペースでブログを更新しようと思うと、

あれもこれもと詰め込んでしまうわけですが、

女性棋士が誕生するかもしれないという話題も併せて。

 

現在、女流棋士をけん引する里見香奈女流四冠が、

既定の成績を収めたため、棋士編入試験の受験資格を取得しました。

 

ややこしいですが、

棋士は男女共通で奨励会三段リーグを勝ち抜くことで四段(棋士)となります。

 

現在まで女性が三段リーグを勝ち抜いた前例はなく、女性の棋士はいまだに0人。

 

そのため、女性のみで構成する「女流棋士」という棋士とは別の制度で、

戦っているわけです(以前もブログで書いたような気がします)。

 

一番棋士に近づいたのが、女性で初めて三段になった里見香奈女流四冠、

そして三段リーグで好成績も次点でプロ入りを逃した西山朋佳女流二冠。

 

年齢制限で棋士への道を閉ざされた里見女流四冠にとっては、

再び棋士となるチャンスが巡ってきたわけです。

 

申請すれば若手(前例だと奨励会三段と棋士である四段の計5人)と対局して、

3勝以上、つまり勝ち越しとなれば、史上初の女性棋士が誕生となります。

 

ただし、本人がそこまで乗り気ではなさそうなところもあって、

申請するのか(申請期限は1ヶ月)すらも微妙なところだったりします。

 

現在30歳の里見女流四冠は、

16歳で女流棋士の初タイトルを獲得して以降、

女流タイトル通算獲得数で歴代1位ですから、

このまま女流棋士を続けた方が安泰であることは間違いないでしょうし、

棋士になったとしても、そのなかで無双できる可能性は限りなく低いし、

規約変更をしなければ棋士になると出場できない女流タイトル戦もあるはずです。

 

史上初の女性棋士といった前例をつくる、

風穴を開ける、など名誉以外のメリットはほぼ皆無なので。

 

棋士としての里見女流四冠を見てみたい気持ちと、

年齢や女流棋士としての活躍などを総合的に考えると、

そういうタイミングでもなさそうだなぁという気持ちと、

将棋ファンのひとりとしては複雑なところです。

(申請されたら注目&全力で応援します)

 

新しい挑戦と現状の維持と

新しい挑戦はワクワクすることも多いですが、

なかなか年齢や抱えている事情などから二の足を踏むことも少なくありません。

 

そんなことを言っていたら何もできない、という気持ちと、

足元を見つめ直して地道に歩みを進めることも大切、という気持ちと、

いろいろと考えさせられる将棋界の動向でした。

 

そして当たり前のことですが、

現状維持をすること自体、それはそれですごく大変だったりします。

 

さて、つらつらと書いてきましたが、

今回のブログの内容も、

無理やりトレードと関連づけようとも考えたけれど、

あまりにも蛇足過ぎるので割愛しようと思いますw

 

ゆる~く更新しますので、お時間ありますときに、

フラッとブログにきていただけると嬉しいです。

 


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