棋士+雀士=鈴木大介

トレード雑記第276弾、

 

棋士+雀士=鈴木大介

本日のブログは、前回の佐々木大地七段に引き続き棋士紹介。

 

日本将棋連盟の棋士で、先日、日本プロ麻雀連盟の雀士となった鈴木大介九段。

 

雀士の登録名は「大介」になると思うので、

棋士としては鈴木九段、雀士としては大介プロという表記になりそうです。

 

さて、鈴木九段の紹介の前に、

まずはここ10年くらいの将棋界の出来事を3つご紹介。

 

1.棋士・藤井聡太の誕生

2.AIとの対決姿勢、そして共存共栄へ

3.ABEMA進出というメディア戦略

 

1.棋士・藤井聡太の誕生

2016年14歳で四段、プロデビュー。

2023年現在、20歳で竜王名人(七冠)。

 

ここ10年の将棋界をふり返ると、

後半5~6年は藤井聡太竜王名人の活躍そのものと言っていい感じ。

 

2.AIとの対決姿勢、そして共存共栄へ

そして、棋士・藤井聡太の誕生前後で最も評価が分かれるのが「AI」。

 

「人間vsコンピューター(≒AI)」の対局として、

2012年から2015年にかけて3回の「将棋電王戦」が、

2016年と2017年に2回「電王戦」が開催されました。

 

この時期は上記以外でも関連イベントとして、

多数の人間vsAIの対局が開催されています。

 

ざっくりと成績を俯瞰すると・・・、

トップ棋士とAIの対局で五分五分(やや人間が分が悪い)、

普通の棋士とAIだと、AIの完勝といった感じで、

将棋界における「人間vsコンピューター(≒AI)」の対局は幕を閉じました。

 

この頃は、コンピューター(≒AI)に対して、

棋士は対決姿勢を示していましたが、分が悪くなるにつれ、

将棋界には「AIへの恐怖」が蔓延するようになりました。

 

そんなさなか大事件が勃発します。

 

2016年から2017年にかけての例の冤罪事件。

 

谷川浩司会長の引責辞任に繋がるなど、将棋界が激震しました。

 

詳細は省きますが、将棋界の黒歴史です。

 

そこで告発して、後に謝罪・発言撤回した棋士のひとりが、

先日、名人位を失冠して九段となった渡辺明竜王(当時)。

 

一方で、名人位を奪取して七冠となった藤井竜王名人は、

将棋研究にAIを本格的に導入していることでも有名な棋士。

 

今では、多くの棋士が将棋研究にAIを導入するようになって、

将棋界のAIに対する考え方も、対決姿勢から共存共栄へと変化しました。

 

3.ABEMA進出というメディア戦略

このように、AIとの対決姿勢から共存共栄にシフトチェンジするなかで、

2017年にABEMA将棋チャンネルが開設されました。

 

オリジナル企画第一弾は、

「藤井聡太四段 炎の七番勝負」

 

デビュー間もない藤井四段を主役に、先輩棋士7名が胸を貸すというもの。

 

この企画は大当たりで、

その後の「ABEMAトーナメント」などへと発展しました。

 

冤罪事件(上記2)でどん底になった将棋界を救った功労者が、

藤井聡太竜王名人(上記1)であることは間違いありませんが、

同時に、若き藤井四段を売り出したメディア戦略が功を奏したわけです。

 

そして、

このABEMA進出の立役者のひとりが、

本日のブログの主人公となる鈴木大介九段。

 

鈴木大介九段と麻雀

鈴木九段と麻雀との出会いは古く、

奨励会時代から「雀鬼会」に通っていたことが知られています。

 

約30年前の話ですが、

雀鬼会で出会ったのが、サイバーエージェントの藤田晋社長。

 

当時はお互い10代後半から20代前半の若者ですが、

麻雀を通じて交流を深めた両者の関係があったからこそ、

ABEMA将棋チャンネルの開設に繋がったと言われています。

 

当時は(今でも?)、

将棋は囲碁と「抱き合わせ」で一人前という扱いを、

NHKや有料の「囲碁・将棋チャンネル」で受けていました。

 

そこから将棋単独の専門チャンネルとして、

ABEMAを開設して将棋ファンを拡大させた功績は、

将棋界にとってあまりにも大きいと言わざるを得ません。

 

将棋人気の高騰、囲碁人気の低迷は、

天才の出現だけではなくメディア戦略の巧拙が大きい感じです。

 

そんな将棋界の隠れた(?)大功労者である鈴木九段だからこそ、

今回の麻雀プロとの二刀流が認められたのではないかと思われます。

 

実際のところ、

棋士、将棋ファンのなかには「麻雀にいい印象がない」層が少なからずいます。

 

「麻雀をすると将棋が弱くなる」とか、

「将棋で勝てないから麻雀に逃げた」とか、そういう話はたくさんあります。

(書籍等で公表されているものだと先崎学九段、瀬川晶司六段の話が有名)

 

今回の件でも、

麻雀界では反響が大きく、

「Mリーガー鈴木大介誕生か!?」みたいな声もありますが、

将棋界からの反響はないに等しい状況です。

 

今後、大介プロとして、麻雀のリーグ戦にどの程度参加するのか、

予想されているMリーガーとなるのか、そこでどの程度活躍できるのか、

パイオニアとして矢面に立たされるわけですが、

プロを選択した以上、成績でその価値を証明してほしいと思います。

 

といったところで、本日のブログは手仕舞い。

 

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