「ガチンコファイトクラブ」という絶妙なズレから始まる「すれ違いコント」の魅力再見!

トレード雑記第358弾、

 

「ガチンコファイトクラブ」という絶妙なズレから始まる「すれ違いコント」の魅力再見!

おそらく40~50代だと知らない人はいないんじゃないか、

と思うくらいの知名度を誇る伝説的なテレビ番組『ガチンコ!』。

 

TBS系列で1999年から2003年まで放送されたバラエティ番組。

 

そのなかの大人気企画が、

街の不良・ヤンキーを集めてプロボクサーを育成する「ガチンコファイトクラブ」。

 

その面白さの本質は、

登場人物による絶妙にズレた発言から始まる「すれ違いコント」です。

 

教わりに来ているはずのヤンキー役の少年たちがズレているのはもちろんだけど、

講師役の竹原慎二さん(当時引退したばかりの世界チャンピオン)の発言も、絶妙にズレている。

 

竹原さんの発言は、最初は正論だったりしても、途中からヒートアップしてきて、

結局いつも「リング上がれや!」「こぶしで決着つけるぞ!」みたいな流れ。

 

竹原さんが負けることはない(現在でも日本人最重量級のチャンピオンなので当然)ので、

ヤンキー役の少年たちがボコボコにされるわけだけど、そこまでが鉄板のお約束展開。

 

さらにMCは当時ジャニーズの大人気グループTOKIOで、

彼らの発言もまた、ちゃんと絶妙にズレている。

 

騒動を収めたいのか、静観したいのか、煽りたいのか、

何をどうしたいのかさっぱりよくわからないウザさがあって、

結局のところ、いつも火に油を注ぐための狂言回し。

 

「すれ違いコント」の最高傑作と言っても差し支えない企画。

 

番組自体は数年で幕を閉じたけれど、

定期的にガチンコファイトクラブとよく似た構成の企画が注目を集めます。

 

なお、アイキャッチ画像は、

いらすとやで「ガチンコ」「ファイト」「すれ違い」など検索してもピンとこなかったので、

「勘違い」でヒットした画像です。

 

ファイトクラブの面白さを継承する企画!?

ファイトクラブを継承した企画(?)として最もわかりやすいのは、

格闘家兼YouTuberの朝倉未来さんが主催するブレイキングダウン。

 

ヤンキー役の少年(青年や中年を含む)が騒動を起こしてリングで決着というテンプレ。

 

テーマ、内容、進行、登場人物など、ほぼ同一の構成となっています。

 

ここまでわかりやすく類似している企画ではなくても、

その仕組み、面白さの本質である「すれ違いコント」を意図したものがいくつかあります。

 

ファイトクラブと同系統として紹介すると怒られるかもしれませんが・・・。

 

ひとつは、「うま味調味料」の論争。

 

料理好きの間では、

定期的に騒動となっては消える定番中の定番かもしれません。

 

これの第一人者は料理研究家のリュウジさんというYouTuber。

 

30代独身男性というキャラで、

簡単な時短料理から家庭で出来る本格的な料理を調理して紹介する人。

 

彼のYouTubeでは「うま味調味料」がよく使われるので、

「健康に悪い!」的な意見が定期的に集まってはバズるを繰り返す流れ。

 

もうひとつは、「打牌批判」の論争。

 

こちらは麻雀好きには定番中の定番のやつ。

 

打牌批判の良し悪しから、

実際に批判がきたときの麻雀プロの対応、

打牌批判をどのように捉えるのか、などなど。

 

さらに細かく書けば打牌そのものへの批判もあれば、

打牌をした人(だいたいは麻雀プロ)への批判など、内容は多種多様。

 

こちらの第一人者は日本プロ麻雀連盟の黒木真生プロ。

 

「うま味調味料」論争にしても「打牌批判」論争にしても、

共通するのは「新しい論点・ポイントはほとんどない」ことで、

定期的に同じような話を同じように繰り返されているところ。

 

批判する人たちの意見の一部が「ズレた意見」なのは当然として、

リュウジさんや黒木プロの対応も、8割方は正論なんだけど・・・、

残りの2割くらいで煽りや暴言に近い表現をすることで、

意図的に「バズる」流れを生み出しているような感覚。

 

そこで繰り広げられているのは、

どちらが正しいか、というより、

どちらがより「おかしいか」「非常識か」という程度の低い口喧嘩。

 

だから論争が決着したように見えても、

本質的に解決しているわけではないので、

定期的に騒動が繰り返し勃発する流れになるわけです。

 

ちなみに「バズる」は、

わたしのなかで意図的に「炎上させる」ポジティブ表現と捉えています。

 

竹原さんは当初「台本の存在」を知らなかったようで、

生意気な少年たちに腹を立てることもあったようですが(←それが番組の意図でもある)、

台本を知ってからはお約束としての「キレ芸」「ときに理不尽な態度」を展開したようです。

 

リュウジさんや黒木プロは、

どう対応すれば「変な人が釣れる」か、

つまり「バズる」を熟知しているので、

定期的に話題を提供しているのだと思います。

 

「ガチンコ料理クラブ」や「ガチンコ麻雀クラブ」を企画すれば、

一瞬だけであればバズらせることができるのではないでしょうか。

 

「すれ違いコント」は諸刃の剣!?

ガチンコファイトクラブは数年のブームで企画としては幕を閉じました。

 

「絶妙なすれ違い」は高確率でバズる(≒ウケる)わけですが、

やり過ぎてしまうと白けますし、正論過ぎるとつまらないわけです。

 

また、「一定の批判」に常に身をさらすことになります。

 

ファイトクラブでは、

「ボクシングのイメージにマイナスではないか!?」

とささやかれ続けていました。

 

竹原さんへの嫉妬や毛嫌いからくる単純なアンチもあったでしょうが、

大真面目に「ボクシング界にとってメリットよりデメリットが大きいのではないか」みたいな話もありました。

 

このあたりは数値化できないので、

メリットを高く見積もれば肯定的な、

デメリットを高く見積もれば否定的な受け止め方になります。

 

大切なのは、間違いなく一定の効果はあるけれど、

あくまでもすれ違いコントなので、王道の企画ではないということ。

 

うま味調味料や打牌批判については、

現状、またやってるなぁみたいな感じで、

お約束の流れを眺めるだけになっているので、

そろそろ次の展開を期待したいと考える次第。

 

といったところで、本日のブログは手仕舞い。

 

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