なぜ、中継やニュースでは野球ばかりが放送されるのか!?
トレード雑記第391弾、
なぜ、中継やニュースでは野球ばかりが放送されるのか!?
以前から言われていましたが、最近またネット界隈で良く見聞きする例のやつです。
なんでサッカーはテレビで放送されないの?
野球ばっかり、それも練習試合とか、なんならペットの話とか、
それなら、サッカーの試合や結果についても放送してほしい!
みたいなやつです。
わたしなりにざっくり書けば、
理由は、たぶん次の3点だと思います。
1.実質的にメディア(新聞社やテレビ局など)が球団を保有している
2.試合数が多く、成績が分かりやすいため、放送のコスパが良い
3.実は「野球」そのものではなく「野球選手」のニュースが多い
ひとつ目は、
そのまんまですが「大人の事情」です。
自社の商品やサービスを優先して宣伝するのがビジネスの視点では当たり前。
言わずもがな、昭和の時代から人気No.1の「巨人」は、
「(株)読売巨人軍」として読売新聞グループの中核企業です。
「日本テレビホールディングス(株)」を中心に、
テレビ各局も読売新聞グループの関連会社として名を連ねます。
試合翌日の話題のひとつ、
スポーツ新聞も、もちろん関連会社となっています。
また、巨人だけが特別ではなく、
球団とメディア(新聞社やテレビ局)の良好な関係は野球界の特徴となっています。
そのため、サッカーと野球を公平に放送してほしい、みたいな気持ちは、
サッカーと野球と両方のファンであるわたしはわからなくはないですが、
一定の年齢になると、ビジネスを考えたらそういうもんですよね、と理解できます。
なお、サッカー界では話題の「放映権料」の高騰なども、
プロ野球に関してはほとんど気にする必要がありません。
理由のふたつ目は、
野球が放送に最適なスポーツだからと考えられます。
年間130~140試合を実施していますので、
シーズン中はほぼ毎日のように試合があります。
そのため、1試合当たりの観客数や視聴率がほどほどであっても、
1年間を通じて考えると、観客動員や視聴率はとんでもない数字になります。
さらに、選手一人ひとりの成績がすごくわかりやすいです。
投手は、勝利(or敗北)、三振数など、
野手は、ヒット、ホームラン、盗塁など、
素人が見てもわかりやすい指標で成績が表現できるので、
短時間で正確に伝える必要があるスポーツニュースとの相性が抜群に良いわけです。
サッカーだと・・・、
ゴールとアシストはわかりやすいですが、
それ以外の指標はかなり難解です。
たとえば、
遠藤航の90分でのデュエル数7回中5回成功(71.4%)とか。
よほどのサッカー好きじゃないとわからないと思います。
そして、知らない方への短時間での説明はほぼ不可能です。
もう少しわかりやすい指標を考えると、
パス70回中65回成功(92.9%)などがありますが・・・。
こちらの方がまだ理解しやすいですが、
それでもパスの回数が多いから=良い、少ないから=悪いではないので、
試合全体を見ていないと「だから何?」というデータに過ぎません。
たとえばバックパスばかりだと、
パス数・成功率の数値が良くても意味がありません。
その点、野球のヒットやホームランは、
仮に試合に負けた場合でも「個人成績」として過不足なく意味のある数値です。
こんな感じでスポーツによる広告宣伝を考えると、
プロ野球ほどコスパがいいスポーツはないように感じます。
そして、最後のみっつ目は、
実のところ「野球」そのものよりも「野球選手」の話題を発信することが多いように感じます。
さきほど野球は素人が見てもわかりやすい指標が多いと書きましたが、
守備のポジショニングや連係など、玄人好みのテーマもあったりします。
他にも継投とか、サインプレーとか、戦術視点の面白さもあります。
ですが、そういった話題は地上波のニュースではあまり語られずに、
もっぱら有料放送を視聴するファンたちの間で野球談議として語られることになります。
そして、地上波では、より幅広くわかりやすい話題として、
野球そのものより人気の野球選手による一挙手一投足に注目が集まるわけ。
現在だと、大谷翔平選手がその中心で、
メジャーリーグの仕組みや優勝予想などよりも、
大谷が飼い始めたらしいペット(最近だと結婚)が話題の大半を占めることになります。
「なぜ、中継やニュースでは野球ばかりが放送されるのか!?」
という問いかけに対する回答としては、だいたいこんな感じだと思います。
野球以外のスポーツのファンにとっては、
その競技が「放送する上で」野球より魅力的なコンテンツとなっているか、
と問われると、冷静に評価すると、だいたいの場合、「No」だと思います。
そういうもんだろ、
と言ってしまえばそれまでですが、
それぞれのスポーツの関係者やファンにとって、
そのスポーツの魅力を短時間で正確に伝える方法を考えることは大切かもしれません。
といったところで、本日のブログは手仕舞い。