『SHOGUN 将軍』エミー賞18冠の快挙とポリコレ!?
トレード雑記第474弾、
『SHOGUN 将軍』エミー賞18冠の快挙とポリコレ!?
すでに界隈では完成度が高いと絶賛されていた主演・プロデュース真田広之による、
配信ドラマ『SHOGUN 将軍』が「エミー賞」で快挙を達成しました!!!
「エミー賞」とは、
映画業界の「アカデミー賞」、音楽業界の「グラミー賞」と並び称される、
ドラマ業界で最も権威のある文化賞のことを言います。
時代劇を時代劇として世界に伝える、
そのために2003年『ラストサムライ』出演以降、米国に拠点を移した俳優・真田広之が、
日本人俳優とともに、英語字幕による日本語を中心とした時代劇ドラマをプロデュースしたわけ。
噂話程度でしかないけれど、
ラストサムライで渡辺謙が演じた役は、
当初、真田の予定だったけど、身長が低くて変更になったとか、
そんな話も聞いたことがあります。
その後、約20年、日本での俳優業はほぼゼロ、
完全に米国に拠点を移して、小さな舞台から映画のちょい役まで、
なんでもこなしながら、当然のように実力で登り詰めて、今回の作品。
主演だけではなく、プロデュースとして、
時代劇になれない俳優(日本人以外を含む)のセリフや所作の一つひとつ、
本当に細部にわたり詳細なところまで演技指導を徹底したんだとか。
これぞ「本物」という作品。
受賞スピーチでも日本語で実施(司会者の翻訳&ありがとうの掛け合い)も最高でした。
作品の内容は置いておくとして、
評価の点で興味深かったのが「ポリコレ」という表現が、
両極端な2種類の意味合いで使用されていたこと。
ひとつは、
「日本の時代劇の伝統を作品にするため、ポリコレを排除したから成功した!」
というもの。
ここでの「ポリコレ」は、
作品の主題と関係ない「登場人物」(人種、LGBTQなど)を排除したというニュアンス。
もうひとつは、
「日本の時代劇の伝統を作品にするため、ポリコレに徹底的にこだわったから成功した!」
この場合の「ポリコレ」は、
日本人という人種、日本語という言語など、アジアへのこだわりを重要視したというニュアンス。
「ポリコレ」に対する評価はまったく正反対なんだけど、
「作品」に対する評価は、どちらも絶賛している、というのが面白いところ。
ちなみに、「ポリコレ」は、
「ポリティカル・コレクトネス」(political correctness)の略語で、
“人種、信条、性別、体型などの違いによる偏見や差別を含まない中立的な表現や用語”
(Wikipediaから抜粋)という意味合いで使用される場合が多い。
だからなんでしょうが、
日本にいると、ポリコレを排除したから成功というニュアンスが強くて、
米国のなかでは、ポリコレをいい意味で徹底した成功事例というニュアンスが少なくない感じ。
大切なことは、
少し前までのディ〇ニーに代表される意味不明なポリコレの方向性、
パ〇五輪での意味不明な登場人物たちのショーをポリコレと表現するから、
わけがわからなくなるわけで、作品と真正面から向き合えばいい作品になる。
結局のところ、
自然にふるまうことがいちばん美しいというお話。
今後、日本でも、骨太の時代劇が、
もう一度制作されたりしたら嬉しいなぁと思う次第。
といったところで、本日のブログは手仕舞い。