「持ち時間制」導入の麻雀最強戦は何が変わった???

トレード雑記第613弾、
「持ち時間制」導入の麻雀最強戦は何が変わった???
競技麻雀において画期的となる新制度「持ち時間制」が導入された麻雀最強戦2025。
土曜日(8/16)に記念すべき最初の大会「麻雀最強戦2025 政権抗争勃発」が開催されました。
さて、何が変わったのでしょうか???
結論から書くと、
何も変わっていない・・・。
というもの。
新制度導入から時間が短かったため、
プレーヤーである麻雀プロも手探り状態、
視聴者も大きな変化は感じられなかった様子。
そもそもタイマーが対局中に画面表示されないので、
視聴者には持ち時間の推移がさっぱりわからなかった。
実況と解説がしきりに利点(スピーディーな打牌など)を強調するだけで、
事実上、変化なしといったところでしょうか。
ちなみにアイキャッチ画像は、
対局終了後の持ち時間の画像を麻雀最強戦の公式Xから引用。
各選手持ち時間6分なので、
誰一人1分も使用せずに5分以上も余った状態で終局。
さて、これをどう考えるか。
将棋ファン歴が長いわたしには、それなりに違和感がありました。
将棋では、
「持ち時間を余して負けるのは考えていない証拠」(≒時間の使い方が下手)
という残念な評価が下ります。
一般的な棋戦の持ち時間は各6時間。
朝に対局を開始して、夜(場合によっては深夜)に終局。
棋士は全員が「早見え早指し」が可能ですが、
勝負どころでじっくり考えて指すことが基本で、
アマチュアには何を考えているのかわからないことも多々。
解説の棋士の話を総合すると、
局面に大差がついてから考えても遅いわけで、
分岐となる局面でしっかり考える、なんなら分岐するであろう直前の段階で考える、
みたいな時間の使い方が「将棋では常識」となっている感じ。
持ち時間の範囲内ではどこでどれだけ考えてもいいわけで、
そういった時間の使い方が勝負を左右することもしばしば。
効果的な時間の使い方を長い年月を掛けて熟成されたのが将棋の対局。
麻雀(麻雀最強戦)は持ち時間制が始まったばかりなので、
そういった効果的な時間の使い方を模索するのはこれからかも。
今回の麻雀最強戦に出場した麻雀プロは、
持ち時間制についてはまだまだ手探りだと思うけれど、今後の大会において、
「しっかり時間を使う」という戦略を立ててくる麻雀プロ(+アマチュア)がいてもおかしくない。
というか、それこそが、
ルールを最大限活用した戦い方。
持ち時間制がないこれまでの麻雀だと、
必要のない(と思われる)長考は嫌われましたが、
権利として一人6分の持ち時間があるわけですから、
その時間の使い方も勝負の分かれ目になってきそう。
たとえば、
これまでは「三味線」(≒イカサマではないけれど聴牌or不聴気配を過度に演出したりする行為など)として、
望ましくない行為とされてきましたが・・・、
①「絶対にリーチでしょ!」っていうところであえて長考
②勝負形でもないバラバラの手なのにあえて長考
だったりとか。
他には、
流れを変えたい、
対局相手をじらしたりイライラさせるためなど、
③前局で放銃してしまい流れが悪いときに一打一打に時間をかける
などなど。
時間の使い方は様々。
たとえば、
一見すると意味不明なところで3分長考とか、
視聴者目線では鬱陶しいけれど、それもルールに則った有効な時間の使い方になり得るわけ。
ちなみに、
ネット麻雀でもたまにあって、
たとえば③の時間いっぱい使用して打牌することを、
マナー違反だとかことさら糾弾する人がいたりするけれど、
ルールの範囲内で持ち時間をどう使うかはプレーヤーの自由。
そういった時間の使い方で、
相手より(心理的に)優位に立つことを、
将棋用語では「辛い」(からい)と表現して、
それが下手な棋士は「ぬるい」と言われることがあります。
将棋ファン目線だと、
今回の最強戦での持ち時間の使い方は、
優勝した滝沢和典プロ以外、負けているのにほとんど時間を使っていないわけで、
そういう観点から「ぬるい」と言っても良さそうな感じ。
自身のリズムを整えるため、
相手のリズムを崩すためなど、効果的な時間の使い方がある、はず。
おそらく、
持ち時間制を導入した趣旨(≒時間短縮?)や、
視聴者の気持ちとはかけ離れるかもしれないけれど、
持ち時間制を導入した以上は、「時間の使い方」で勝負が左右するひりついた麻雀が観てみたい。
とはいえ、
一人ひとりが6分みっちり活用する麻雀は視聴する側に忍耐が求められるので、
そうすると、また新たな制度変更があるかもしれませんが、それもまた一興かと思います。
といったところで、本日のブログは手仕舞い。