囲碁界が消滅するかも!?

トレード雑記第648弾、
囲碁界が消滅するかも!?
以前は「囲碁・将棋」と並び称されていた伝統競技としての囲碁と将棋ですが、
近年はその明暗が分かれるニュースが目に飛び込んでくることも多くなりました。
そして、いよいよといったところでしょうか。
もしかすると・・・、4、5年後には・・・、
「日本棋院」(日本の囲碁界を牽引する団体)が消滅しているかも、
という事態にまでなってしまっているようです。

残念な気持ちになるわけですが、
課題と言えるようないくつかの要因が、
将棋界と比較して指摘できそうなので、
わたしなりに整理しつつ、囲碁界の可能性を考えてみようと思います。
具体的内容を書く前に、先に厳しい書き方をすると、
すでに囲碁界の危機は何年も前から指摘されていて、
改革案も出ていたりしたようですが、なかなか改革は進まないまま、
ズルズルと最悪の方向へと一直線、というニュアンスが率直なところでしょうか。
ですから、ここでわたしが書く内容も、さほど目新しいものではなく、
至極当然、組織として継続するなら当たり前の施策だと思っているのですが、
はてさて、日本棋院はどうなるのやら、というお話です。
1.ABEMAなどにチャンネル設置を模索する
すでに水面下で動いたけれど契約まで至っていない、ということかもしれません。
ですが、将棋界が、例の「スマホカンニング冤罪事件」で揺らいでいた時期に、
藤井聡太四段(当時)のデビューと、「AbemaTV」(現ABEMA)の「将棋チャンネル」での企画が、
ピッタリのタイミングで重なったことで、将棋界の飛躍に貢献したことは間違いありません。
ファンを増やす、競技人口を増やすという目的があれば、
毎日のように無料で映像が視聴できる「専門チャンネル」は重要な存在です。
たとえば、囲碁界にも仲邑菫(なかむらすみれ)さんのような逸材が、
将棋界の藤井四段の誕生直後に登場したわけですが、アピールする媒体がなかったことで、
囲碁界に詳しくない人にとっては知名度がほぼゼロのまま、韓国棋院へ移籍となりました。
それ以前でも、井山裕太さんが2016年に囲碁界初の「七冠完全制覇」、
2018年には羽生善治九段とともに「国民栄誉賞」を授賞しています。
そして、井山さんはデビュー前の少年時代に、
囲碁漫画『ヒカルの碁』のアニメ版に「将来有望な少年」として登場していたり、
みたいな感じで、囲碁界を盛り上げるチャンスはたくさんあった、はず・・・。
そういうスター候補を宣伝できる媒体として、囲碁界も、ABEMAあるいは、
それに代わる常設のチャンネルを持つことが認知度を向上させるひとつの手段だと感じます。
2.将棋界で導入された定年制、フリークラスなどを検討する
日本将棋連盟では、
棋士に対して「定年制」や「フリークラス」といった事実上の強制引退規定を設けました。
たとえば、2022年に引退した田中寅彦九段は、
自身が将棋連盟理事のときに強制引退となる定年制の基準づくりを強く主張したひとりで、
そして、自分自身がその規定によって引退することになったわけです。
それでも、厳格な基準を制定したことを誇りに思っている、
といった内容のインタビューを田中九段自身が語っています。
制度の善悪の判断は一概にはできませんが、
80代、90代の現役囲碁棋士が少なからずいて、
その人たちに対する諸経費(日本棋院側からすればコスト)が増大している、
という話題を定期的に見聞きすることは、将棋界との違いが浮き彫りになります。
そして、現役の(それもかなり高齢の)囲碁棋士を守るために、
新規参入してくるであろう若い囲碁棋士のたまごたちの門戸を狭くする、
という倒産間近の企業が新卒採用を控えるような動きを見せています。
こういうことをしていると早晩ダメになるんだろうなぁ、と思わずにはいられません。
ちなみに・・・、
日本棋院が消滅しても、囲碁界、あるいは囲碁そのものがなくなるわけではありませんが、
タイトル戦は縮小続きですし、新しい人材は入ってきませんし、経費ばかりが膨れ上がるし、
現状のまま突き進むのであれば、資金が枯渇することは避けられそうにありません。
日本棋院がどういう判断を下すのか、わかりかねますが、
存続さらには発展を望むのであれば、いわゆる「身を切る改革」が必要かもしれません。
といったところで、本日のブログは手仕舞い。
