竹部さゆり女流四段の暴言にみる将棋番組の改善点

トレード雑記第615弾、

 

竹部さゆり女流四段の暴言にみる将棋番組の改善点

将棋ファンとしては残念ですが、

起こるべくして起こったと思われる今回の出来事(事件?)。

 

現状の「将棋番組」の限界であり、

今後の改善点を含めて考えていきたいと思います。

 

まずは、

今回の出来事の経緯と現状。

 

「将棋日本シリーズJTプロ公式戦(JT杯)」の聞き手を務めた竹部女流四段が、

解説との会話のなかで、唐突に対局者の「離婚ネタ」を話し出したというもの。

 

離婚という完全にプライベートな話題で、

かつ、その対局者の離婚は公表されていなかったこともあって、

あまりにも失礼すぎると炎上した結果、活動自粛を表明した、というお話。

 

そもそも「将棋番組」は、

持ち時間が長い将棋だと、名人戦など2日制のタイトル戦(生放送)もあれば、

NHK杯など90分前後で収録済みの映像を公開するスタイルの番組まで様々。

 

番組出演者は、

「対局者」(2名)、

「記録係」(≒タイムキーパー1名。主に女流棋士や奨励会員)、

「解説」(主に棋士、稀に清水市代会長などレジェンド女流棋士が務める場合あり)、

「聞き手」(主に女流棋士、棋士2名の場合はダブル解説と表現することがほとんど)、

が基本の布陣。

 

その他、タイトル戦では「立会人」(≒責任者)の棋士などがいますし、

NHK杯では「棋譜読み上げ」と呼ばれる役割があって、主に女流棋士が担当、という感じ。

 

で、

今回のJT杯は、

120分程度の短い棋戦で、

観客を入れたホールで生放送というスタイル。

 

そこでの発言だったので編集することも出来ず騒動に発展したというのが今回の経緯。

 

現在の将棋番組における「解説」&「聞き手」の役割は、

文字どおり局面の解説をおこなうだけではなくて、対局者の人となりを紹介したり、

将棋界の裏話を面白おかしくトークするような場繋ぎの話術が求められているわけ。

 

近年は局面解説はAIによる推奨手が画面表示されるので、

より番組を盛り上げるトークに比重が置かれるようになってきた印象。

 

ほとんど指し手が進まない展開も少なくないことから、

どうしても話術の優れた棋士&女流棋士が解説・聞き手に選ばれるわけです。

 

だいたいの傾向としては、

解説の棋士は、「おやじギャグ」や「古き良き昔話」を披露しつつ、

聞き手の女流棋士が、「毒舌」「ツッコミ」を入れる掛け合い漫才スタイルが基本形となります。

 

棋士と女流棋士とでは圧倒的な棋力差があることが大前提なので、

棋士が道化役・ボケを、女流棋士がツッコミを入れることで会話のバランスが取れるわけです。

 

竹部女流四段以前も、毒舌・ツッコミ系の聞き手は少なからずいました。

 

たとえば、

千葉涼子女流四段、山口恵梨子女流三段、など。

 

独断と偏見で勝手にタイプ分けして書くと、

千葉女流四段は女流棋士としてタイトル歴がある実力者で、ときに棋士と張り合う「生意気キャラ」として、

山口女流三段は「可愛らしいルックス」で毒舌が中和される系のキャラとして、いずれも人気の聞き手の印象。

 

人気の聞き手は、だいたいどちらかのタイプですが、

そのなかでも受けがいいのは、会話に消極的にうなずくだけではなく、

物おじせずに主導権を握って会話を回していく積極的なタイプの女流棋士。

 

繰り返しになるけれど解説(棋士)と聞き手(女流棋士)の棋力差を大前提として、

解説をいい意味で困らせる質問をする聞き手は将棋番組を盛り上げるポイントになっていたりします。

 

というのが将棋番組の現状で、

過去にもいろいろと毒舌・暴言(?)を放っていた竹部女流四段でしたが、

今回は、大きくネタのラインを越えてしまったといったところでしょうか。

 

ですから、

竹部女流四段の発言は、

個人の問題としてももちろんしっかり反省する必要がありますが、

同時に、長時間に及ぶ将棋番組のなかでの「聞き手」の役割を再検討する必要がありそう。

 

麻雀番組もそうですが、

近年はYouTubeなどで「誰でも」「いつでも」「生放送」が可能な状況になって、

番組自体の数は増加しているわけですが、「番組の質」を担保する手段、「リスク管理」が求められます。

 

そういう意味では、

生放送ではなく収録して編集のうえ録画放送しているNHK杯の方式は、

令和の現代だからこそ、再評価できるのかもしれません。

 

といったところで、本日のブログは手仕舞い。

 

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