燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや
トレード雑記第118弾、
燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや
世界最高峰の歴史書『史記』にある「陳渉世家」の言葉。
そこそこ有名な言葉だけど、
「誰の言葉なの?」といったエピソードを含めると、
めちゃくちゃ使い勝手が悪い言葉の代表。
わたしも、それなりに好きな言葉ですが、
実生活では一度も使った記憶がありませんw
既知の方はスルーしてください。
まずは読み方。
燕雀(えんじゃく)安(いずく)んぞ鴻鵠(こうこく)の志を知らんや
つぎは意味。
燕雀は、文字どおりツバメやスズメのような小さな鳥のこと。
鴻も鵠も、オオトリ、コウノトリ、ハクチョウ、など大きな鳥のこと。
「小さな鳥は、大きな鳥の考え方や志がわからない」
という鳥についての文章を、人間に当てはめて、
「小人物は、大人物の考え方や志がわからない」という意味。
偉人と呼ばれるような人たちは、無名の若い時代において、
はた目には信じられないような志の大きい発言をすること、
ですが、どうしても聞いている側からの理解はされにくい、
という感じの言葉です。
そういう意味では、まわりが言う分にはアリでしょうが、
当事者が自信満々に言うには「偉そうなやつ」となるので、
なかなかに使い勝手が悪い言葉となっています。
そしてこの言葉の発言者とされる陳渉の、
「成り上がりっぷり」と「破滅っぷり」の、
その落差というか、一瞬の輝き過ぎるというか、
あまりにも激しすぎることになっているため、
そういったところからも使いづらい感じです。
それでは陳渉とは誰か?
すごく簡単に言うと、
貧しい農民から一国の王様になって、
その後すぐに部下の裏切りによって滅ぼされた人。
陳渉は、陳勝とも表記され、字(あざな)が「渉」です。
(日本語だと読み方がいずれも「ちんしょう」なのでわかりにくいです)
さて、ここからは陳勝と書きますが、
陳勝が活躍した時代は、秦の始皇帝が亡くなった直後です。
原泰久『キングダム』の読者にとっては、
秦の始皇帝こと嬴政(えいせい)は、勇敢な青年といった感じですが、
それ以前の小説や漫画で描かれている始皇帝は、暴君の典型的人物として、
圧倒的な権力を背景とした恐怖のワンマン皇帝といったイメージです。
史上初の中華統一を果たした始皇帝が、紀元前210年に死去すると、
その圧政に苦しんでいた人たちの「反秦感情」が各地で巻き起こり、
その代表的な人物となったのが、この陳勝です。
出自もよくわからない人物、貧しい農民だったといわれる陳勝が、
巨大な帝国に反旗を翻し、瞬く間に10万人を超える兵士を集めたので、
間違いなく陳勝には圧倒的なカリスマ性があったと考えられます。
そんな陳勝が、旗揚げ直前に、同じく貧しい農民たちに語ったのが、
本日のブログタイトルの言葉です。
旗揚げから約半年、勢力を拡大し続ける陳勝は、
出身地であった「楚」の王を名乗ります。
これは項羽が楚の王を名乗る前の話になりますし、
むしろ、陳勝の行動に呼応して、項羽や劉邦が旗揚げした流れですね。
現在では、陳勝の行動は、
副将の呉広とともに「陳勝・呉広の乱」という名称で、
秦への反乱として、歴史上最古の農民反乱、一揆というかたちで、
世界史の1ページのなかに、しっかりと刻み込まれています。
秦をあと一歩のところまで追い詰めましたが、
秦の名将・章邯の反撃に会い、最後は部下に裏切られるという、
あっけない最期となりました。
王になって約半年後の出来事でした。
その後、秦への反乱は、項羽や劉邦の台頭によって成就し、
最終的には劉邦が「漢」の国を建国することになるのは歴史好きなら周知の事実。
この時代は、あちらこちらで、自称王族の末裔として勝手に王を名乗っては消えていく、
という人が後を絶ちませんでしたが、陳勝は劉邦によって高く評価されていたようで、
漢建国ののち、陳勝は「王」として諡号を受けることになりました。
と、まぁ、ざっくり書くと、こんな感じで、
旗揚げからわずか1年くらいの期間で、最貧から王様にまでなって、
そしてあっさりと歴史から消え去った人物が陳勝です。
三国志でいうところの、張角(黄巾の乱の首謀者)に似たようなイメージが、
どうしてもつきまとうため、人気、知名度ともにイマイチだと思いますが、
秦の滅亡と漢の建国のはざまで活躍した英雄のひとりといえそうです。
-燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや-
今後とも実生活で使用することはないですが、
何か新しいことにチャレンジするときなどは、
心のなかでならつぶやいてもいい気がします。
お疲れ様です。
今の私にピッタリな言葉ですwww
小人物(チキントレーダーの私)は、大人物(大口機関)
の考え方や志がわからない
今日の失敗を肝に銘じますw
お疲れ様です。
あの大陰線は酷い・・・。
目を疑うばかりです。
後場、お前が言うな案件ですが、
ムキにならずに冷静に対処されることを祈ります。
オチツイテイキマショウ!