それぞれの美学
トレード雑記第126弾、
それぞれの美学
それぞれの競技には、
それぞれの競技が長年培ってきた伝統的な価値観、美学があったりする。
たとえば勝利した後のガッツポーズなんかも、
すごく肯定的に捉えられる競技もあれば、
対戦相手への侮辱として否定的に捉えられる競技もある。
後者の代表は、
アメリカの野球である大リーグや、日本の大相撲など。
また、勝ち負け、選手起用、戦い方などについても、
競技によってはすごく「緩い」美学と「辛い」(カラい)美学があったりする。
緩い美学
「緩い」美学というのは、勝負に徹しないように感じる美学。
1.卓球
たとえば、
オリンピックの卓球で中国で話題になったらしい、
「対戦相手を0点で抑えるのは失礼だ」≒「1点は取らせてあげよう」
というもの。
日本では、真剣勝負をせずに「お情け」でポイントを譲るのは、
むしろ対戦相手に失礼だとして否定的な意見があったけど、
卓球大国・中国の美学としては、そういう考えもあるのか、という感じ。
2.サッカー
一方で、日本でも、受け入れられている緩い美学としては、サッカー。
W杯に代表されるサッカーの大会は、
だいたい予選リーグ、決勝トーナメントの2段階方式なので、
予選リーグ最終戦は、リーグ突破が確定している場合も少なくない。
その場合、最終戦は「控え選手」を中心に戦って、
敗戦することも珍しくないんだけれど、
そこは、当落線上の選手を試す、レギュラーの休養(ケガ対策)など、
肯定的な意見が多いと思う。
相手チームに対して手を抜いていて失礼だ、
という意見がないわけではないだろうけれど、
サッカーの美学として、世界中のチームでよく見られる光景だと思う。
また、野球でもそうだけど、リーグ戦などだと、
シーズン終盤に「消化試合」という表現があったりして、
順位が確定したあとの残りの試合のなかでは、
来シーズンを見越して若手を起用したりするのも、
緩い美学のひとつといえそう。
3.大相撲
しばしば八百長論争が出る、千秋楽7勝7敗の力士の勝率が高い問題。
八百長かどうかは置いておいても、
崖っぷちにいる力士の火事場の馬鹿力の発揮かもしれないし、
対戦相手の力士の、いわゆる忖度かもしれないけれど、
千秋楽の星取表は、緩い美学のひとつだと思う。
4.麻雀
緩い美学の最後は、麻雀。
大会やタイトル戦の決勝対局の最終戦などで、
開局前に「条件確認」がおこなわれたりする。
これは、たとえば、現状1着目の人との差を確認するもので、
2着目の人だとトップと3900点差、1000・2000でOK ≒ 優勝
3着目の人だとトップと10000点差、跳満が優勝には必要
4着目の人だとトップと差が大きいので役満が必要
みたいな感じ。
数字はすごく適当ですが、要するに、あと何点でトップになるか、
そのための手づくりをすることを前提とする(≒強制する)という美学。
そして、たとえば役満条件の4着目の人は、
実質的に勝ちはないので、ポンやチーなどしない(≒場を乱さない)、
リーチのみみたいな役満以外の仕掛けはしない、
8000点の手ならあがれそうでも、それは見逃す、みたいな感じで、
上がれば優勝の可能性がある人たち同士での勝負に加わらないように打つ感じ。
ある意味では全力を出さない感じだけど、これも麻雀の美学。
辛い美学
「辛い」美学とは、勝負に徹底的にこだわる戦い方を良しとするもの。
1.将棋
もっともわかりやすいのは、将棋連盟会長を務めた故・米長邦雄永世棋聖の考え方。
その考え方は「米長哲学」として、将棋界はもちろん、
それ以外の分野でも好んで使われることもあるくらい、辛い美学の代表。
先ほど紹介したサッカーや麻雀とは、ある意味では正反対の考え方だけど、
リーグ戦最終局などで、自分は勝っても負けてもあまり影響がない場合でも、
対局相手にとってその一局が重要な一局の場合、普段以上に真剣に指すというもの。
たとえば対局相手が、
勝てば昇級とかタイトル挑戦権獲得のような場合、
あるいは、負けたら降級するというような場合であっても、
手を抜いたり忖度しないで最後まで真剣に指す、という辛い美学。
実際に米長自身が、ある棋士の降級がかかった対局に手を抜かずに勝利して、
(その棋士はもちろん降級となったわけですが)
その翌年に、自身が「名人」へのタイトルに初挑戦、
そしてタイトル奪取となったエピソードと絡めて、
中途半端な戦い方をせず最善を尽くすことが次のチャンスにつながる、
といった感じで「米長哲学」は勝負に対する価値観のひとつとして有名に。
2.柔道・剣道の勝ち抜き戦方式の団体戦
柔道や剣道の団体戦には、
「勝ち抜き戦」方式と「点取り戦」方式がありますが、
勝ち抜き戦方式の団体戦は、見ていても勝負に徹する辛い美学が見え隠れする。
点取り戦だと、先鋒同士、次鋒同士・・・、
大将同士と五試合の結果の合算で勝敗が決まるけれど、
勝ち抜き戦だと、先鋒が全勝(≒5人抜き)することもあれば、
逆に大将が5人抜きすることもある感じなので、
終わってみなければ勝利チームがわからないスリリングな方式。
現実的には、先鋒が5人抜きして勝つことはほとんどないですし、
大将が5人抜きするには相手の先鋒が4人抜きした後でないと不可能なので、
さらにその可能性は低いんだけど。
実際にあった有名な試合だと、
2017年の金鷲旗高校柔道大会女子決勝。
当時高校2年生の阿部詩(あべうた、夙川学院)が先鋒で4人抜き。
相手大将で同学年の素根輝(そねあきら、南筑)が5人抜きして南筑高校が逆転優勝。
両者はともに東京五輪の女子柔道代表として金メダルを獲得したことで、
この大会があらためてクローズアップされることにもなりました。
そこでも、両者、両校に対して素晴らしい試合として肯定的な意見が多く、
1人で勝ち抜くことが相手チームへの侮辱(≒配慮に欠ける)といった否定的な意見は、
ほとんど聞かれなかったと思う。
まとめに変えて
緩い美学、辛い美学について書いてきたけれど、
どちらが正しいか、を議論することにはあまり意味はないと思う。
それぞれの競技でそれぞの美学があるので、
ある意味では正反対の考え方や行動が奨励されているようにも映る。
それは競技に限らず、仕事なんかでもそうだし、
家庭の暗黙のルール的なものもそうかもしれない。
ところで、“トレードにおける美学”って何だろう!?
って考えたけれど、パッと思い浮かびませんでした。
そんなんだから、ダメなのかもしれません。
少し時間が余り気味の連休でしたが、連日のテーマ楽しいです。有難うございます。
麻雀は最近はメンツもいなくなりやらなくなりましたが、5,6年前にデイトレードのまね事を始める前は結構やりました。戦法は、「親の時は強気で勝負!」の馬鹿の一つ覚えでした。親は点数が5割増しなので勝率が5割でも点棒は増えるわけで、デイトレでも勝率5割以下でも利確が損切りより大きな金額か、損切りの時は100株で利食いの時は200株だとしたら金額は増える訳です。。。そう上手くいくでしょうか(^^)
休みの日はまだ続きますが皆様には楽しんで下さいませ。
コメントありがとうございます。
このご時世ですから、リアルでメンツを集めるのは難しいですよね。
わたしももう何年も卓を囲んでいません。
おっしゃるように親番でいかに稼ぐか、は重要なポイントですね。
トレードも・・・、損切り100株、利確200株だと増える計算です、
が、だいたい逆になってしまったりしますwww
(わたしだけかもしれませんがw)
ゴールデンウィーク楽しんでくださいませ!
こんばんは。
トレードの美学、
少し前までは私もありませんでしたし、
考えたこともなかったですw
NOBU塾の動画を見て、
それが今の私の美学かなぁ?ってのは
ありますw
「足るを知る」 です。
これは相場の格言、
頭と尻尾はくれてやれ、に
通ずるものがあります。
自分より後にエントリーしたトレーダーも
利益確定できるような位置で利確する、
必要以上の利益を追求しない。
利益を追求するためトレードの本質とは
一見逆のように思えますが、
自分の欲望を抑えるという意味でも
理にかなっていると思います。
なので、今の私はコツコツと
トレードすることで安定しているのかなぁ、と
思っています。
今夜いよいよFOMCですが、
コーヒーとポテトチップスを準備して、
アメリカFOMC劇場を楽しもうと思いますw
お疲れ様です、
いよいよFOMCですね!
ポテチ&コーヒーで楽しまれるとは、お若い!
(わたしは、すでに眠たいですwww)
NOBU塾、アラフィフさんに教えていただいて、
チラチラと見ていたらYouTubeのおすすめに表示されるようになりました。
(つい数時間前にハイボール飲んでいるやつを視聴しましたw)
「足るを知る」、好きな言葉です!
欲望を抑えるコントロールは難しいですが、
一つひとつ成長できるように精進します。
それでは、FOMC劇場、
ご無理さなさらないようにお楽しみくださいませ!
追記。
DMで教えていただいた動画も、明日チェックします、
いつもありがとうございます!