野球の世界大会を発展させるために必要なこと

トレード雑記第242弾、
野球の世界大会を発展させるために必要なこと
長いブログタイトルですが、一野球ファンとして感じることをまとめました。
現在開催中のWBCについて、
そして日本代表・侍ジャパンの立ち位置については前回ブログを参照ください。
今回のブログでは、
実質WBC閉会後の普及や発展について考えていきます。
☆前回のブログはこちら。
ブログタイトルに「野球の世界大会」と表記しましたが、
現時点では「野球の世界大会=WBC」を意味すると考えますが、
今後、発展的に解消して別大会が創立されるかもしれません。
とはいえ、現段階で考えられるポイントについて、
現行のWBCを踏まえて、考えていきます。
結論としては、次の3点を継続的に実施していくことに尽きます。
野球の世界大会を発展させるために必要な3カ条
その1.中堅レベルの代表チームへの普及支援をおこなう
その2.(現行の)WBCで日本代表が無双する
その3.メジャーリーグで日本人選手が無双する
ひとつ目から。
第5回を迎えたWBCの参加国は20ヵ国・地域です(詳細な前回ブログを参照)。
便宜上、世界各国からトップ20を選出していると想定しますが、
実際には、この20チームのなかでも大きな実力差が見られます。
日本と1次ラウンドで対戦したオーストラリアやチェコもそうですし、
「社会人&学生」を中心に構成された代表チームも少なくありません。
それでもグラウンド内外での彼らの振る舞いは紳士的で好感が持てました。
国際大会におけるリップサービスも含まれているとは思いますが、
今大会だけの交流にとどまらず、継続的に交流を深めることが大切になります。
かつてアメリカが日本に対して実施したように、
野球教室の開催、日米野球(米国スター選手が日本でエキシビションを行う)、
コーチや指導者の派遣、球場や野球界の発展に関わるスタッフの派遣、などです。
さらに、近年では、
イチローの引退試合となったメジャーリーグの「公式戦」を日本で開催しました。
いきなりプロ野球の公式戦をオーストラリアやチェコで実施は難しくても、
キャンプ地としたり、オープン戦を数試合開催してもいいように思います。
あわせて、各国の選手や関係者、
子どもたちをプロ野球の試合に招待することも出来そうです。
サッカーでも、
欧州の強豪クラブがアジア遠征として日本で試合をしていますし、
野球強豪国の代表として選抜チーム(日本代表・侍ジャパン)であれ、
単独球団の興行であれ、野球人口の増大の観点からもビジネスの観点からも意味がありそうです。
そういった活動が各国の野球人口を増やし、業界全体の活性化につながるはずです。
そしてふたつ目。
現行のWBCが、野球における世界大会の理想を追求しているかどうかは、
意見がわかれると思います。
それでも、過去4大会中2回の優勝を誇る日本は「一定の発言権」を有しています。
まだまだ野球は「アメリカ一強」ですが、
現行のWBCが開催されるのであれば、すべての大会で優勝するくらいの成果を上げて、
より大きな発言力を獲得していく必要があります。
後述するように、
野球の文化、マナー・モラル、スポーツマンシップなどの観点は、
どうしてもアメリカがスタンダードとなっています。
打倒アメリカとか対立を煽る必要はまったくありませんが、
もう少し日本のプロ野球、チーム、選手が発言力を得ることで、
世界の野球の活性化に繋げていけばいいように感じます。
アメリカ・メジャーリーグを本気にさせる、
交渉のテーブルに着かせるという意味でも、
WBCでの成果(≒日本代表による優勝の継続)が大切となります。
あわせてみっつ目。
ふたつ目と関連した内容ですが、
どうしてもWBCよりも、アメリカ・メジャーリーグが最高峰、
そこでの「ワールドシリーズ制覇が世界一」の称号という意識が、
わたしのなかにもあるくらいですから、アメリカ人はより強く意識されると思います。
そのため、4年に1回開催されるWBCでの活躍より、
毎年開催されるメジャーリーグで日常的かつ継続的に活躍してこそ、のところがあります。
一朝一夕でこういった意識が変わることは不可能ですが、
一例としてメジャーリーグで活躍する日本人選手が増えて、
打撃部門・投手部門それぞれのトップ10に日本人選手が半数ノミネートされる、
みたいな状況になれば、アメリカも日本の野球を無視することはできません。
かなり非現実的な数字を出しましたが、
要するに「メジャーリーグのなかで日本人選手が普通に大活躍する」状況を目指すことが、
遠回りにも感じますが、日本の野球のレベルを認知させる最短ルートだと思います。
日本式の野球を世界に普及する
前述その1~3.は、いずれも野球の領域で日本の発言力を高める活動となります。
普及活動を地道に行うことで、各国の野球の実力向上に加えて、
いわゆる「文化」「マナー・モラル」「スポーツマンシップ」といった側面でも、
浸透させることができます。
たとえば、「ガッツポーズ」は、
日本では「喜びを表現する行動」として、
ホームランを打った選手、三振を奪った投手が行います。
一方、アメリカでは「相手を侮辱する行動」と捉えられることもあって、
大袈裟なガッツポーズをすると批判されたり、故意にデッドボールをぶつけられたりします。
他にもデッドボールした投手が「帽子を取って謝罪の意思表示」など、
日本のプロ野球では当然の文化が、アメリカではあまり見られません。
こういったところは、日本とアメリカの野球の文化、
マナー・モラル、スポーツマンシップなどの考え方の違いだったりします。
どちらが正しいか、ではなくて、
相手の文化などを理解しながら対応すべき事柄と言えます。
特に国際大会では、
自国の常識が他国の非常識、自国では非常識なことが他国では常識といった具合に、
各国の常識と非常識を知ることでカルチャーショックを受ける場合もあります。
球場での応援方法でも、日本は鳴り物、応援歌などが中心ですが、
たとえば台湾ではチアリーダーの応援が有名だったりします。
また、WBCで有名な一件としては、
日本と韓国の対戦後に、韓国チームがマウンドには国旗を立てた、というものがあります。
もちろん日本では、
侮辱行為だ、スポーツマンシップがない、・・・、など批判的意見が中心です。
一方、韓国(の報道を邦訳した日本でのニュース)では、
勝利を分かち合う行為、気持ちを高揚させる、・・・、など肯定的意見が中心のようです。
この行為が「ルール違反」であれば明確に結論は「×」です。
ただし、
「文化」「マナー・モラル」「スポーツマンシップ」の観点で言えば、
日本と韓国の考え方の違いであり、平行線をたどることになります。
わたし自身、日本人なので眉をひそめる立場ですが、
それが正しいか否かは、判断のしようがありません。
だからこそ、オーストラリアやチェコをはじめ、
中堅レベルのチームを有する国々に対して野球の普及活動をすることで、
「日本式の野球」の技術とともに文化など考え方を浸透させる価値があるわけです。
そうすることで、アメリカ国内のメジャーリーグとはまた異なる、
国際大会における野球のスタンダードを構築する(できる)発言力につながる可能性があります。
「日本のようにやれ」みたいな傲慢な態度では効果は薄いですし、
文化を浸透させること自体が主目的ではありませんので、
あくまでも野球の普及を念頭に現地で試合や練習をおこなったり、
野球教室で指導したりといった活動を通して、
野球の文化として根付いていくものなのだと思います。
そういった諸々の種が芽吹き、花を咲かせ、実を結び、
野球の活性化と世界大会の発展に繋がるのではないでしょうか。
といったところで、本日のブログは手仕舞い。