麻雀最強戦と鷲巣麻雀の魅力

トレード雑記第281弾、

 

麻雀最強戦と鷲巣麻雀の魅力

アイキャッチ画像は、

日曜日(6/18)に開催される麻雀最強戦の出場者。

 

なんか違和感が・・・。

 

本日のブログはそういうお話。

 

麻雀に詳しい方なら周知の事実ですが、

次回出場者の顔ぶれは、上段が赤坂ドリブンズ、下段がEX風林火山のメンバー。

 

右上に写る赤い髪の青年が・・・、

違和感があるのか、ないのか、よくわからない状況。

 

この話の発端は、5月28日の「麻雀最強戦」で、

赤坂ドリブンズ所属の園田賢プロが優勝した結果、

空いた枠に大塚翼プロが放り込まれた、という感じ。

 

おそらく園田プロが敗退していたら、

園田プロが2回連続で出場だったはずで、

実際に、そこで敗退した勝又プロと松ヶ瀬プロは2回連続での出場。

 

当然というか、案の定、

 

Mリーガーばっかり優遇され過ぎじゃね!?

同じ顔ぶればかり複数回出場ってつまらないよ!

 

みたいな声が上がったわけですよ。

 

そこに最強戦は「エンタメ」し過ぎだ、みたいな声が出たから、さぁたいへん。

 

お決まりの「エンタメvsガチ勢」の炎上になって、

番組なんだからエンタメは当たり前、エンタメを馬鹿にしているのはむしろそっち!

視聴率が取れる人気雀士(≒Mリーガー)を出演させて何が悪い!

 

みたいな流れ・・・。

 

「エンタメ」という表現だけが独り歩きして、

いつものボヤ騒ぎからの、なんとなくの自然鎮火。

 

実はこのことは意外と重要な問題を見落としていて、

問題の本質は「トーナメントの魅力を壊していること」に他ならない。

 

たとえば、甲子園。

 

近年は大阪桐蔭が安定の強さを発揮しているわけですが、

「人気もあるので桐蔭はトーナメントに2回出場できます!」ってなったら・・・。

 

トーナメントにおける最大の魅力、

一発勝負のギリギリの駆け引きが、なくなるわけ。

 

取れるか落ちるか、難しい外野フライが飛んだ時、

飛びついて、成功すればファインプレー、失敗すれば大量失点、

そのギリギリの選択、一瞬の判断で勝者と敗者が決まる緊張感。

 

なんだけど・・・、

 

この試合に負けても、自分たちはもう1回チャンスがある、ってなると、

ダメでもともと、無茶なダイビングキャッチを選択するかもしれないし、

少しの失点は仕方ないので安全策(≒飛びつかずにヒットでOK)を選択するかもしれない。

 

どちらを選択しても、

見ている側は、結局、しらけるわけ。

 

余裕があるからこそできる選択なので。

 

 

閑話休題(それはさておき)、麻雀のお話。

 

5月28日の最強戦のオーラス。

 

追いかける側の高宮プロが逆転可能な大物手をつくって、

トップ目の園田プロにしっかりとプレッシャーをかける。

 

ベタ降りするのか、押し返すのか、なにか技を使うのか、

このまま逃げ切れるのかぁぁぁあああ・・・。

 

で、逃げ切り勝ち。

 

なんかスタジオに微妙な空気が漂った感じに。

 

そして、ブログ冒頭の次回出場者が発表されて、

あっ、これが、あの、なんとなくの緊張感のなさの原因か、と。

 

もちろん、

園田プロが「負けても次も出場できるから」という、

ぬるい打ち方をしていたわけではなかった、と思う。

 

これは、個人の問題ではなくて、

運営側のトーナメントの考え方、システムの問題。

 

そして、それをみた視聴者がどう感じるか、という問題。

 

わたし個人は、

人気選手が毎年出場するのに賛成だし、

もちろんシード枠もあっていいと思う。

 

ただ、同一のトーナメントのなかで、

最初から複数回チャンスがある人とそうでない人が混在すると、

戦い方・打ち方が変わるので、一発勝負の魅力が激減する、という考え。

 

複数回出場を想定するなら、

一発勝負の魅力を担保したうえで、

「敗者復活戦」みたいな大会で復活枠を設けてもいいし、

そこで人気投票をして、結果的にMリーガーばかりになってもいいと思う。

(例年、そういう大会が設けられていたりもしますので)

 

この3年間、最強位というタイトルはMリーガーが獲得しているけれど、

結局、チャンスが多いから勝てるだけ、みたいな大会に成り下がりそう。

 

 

一方で、

まったく別の考え方もあって・・・。

 

 

不公平、不平等、そんなの当たり前だろ!?

Mリーガーに勝ってもらうための接待麻雀大会なんだよ!!!

Mリーグのおこぼれにあずかるコバンザメ商法だよ、何が悪い!

 

みたいな感じで割り切ると意外と面白いし、

視聴する側の考え方・見方も変わると思う。

 

実際、麻雀最強戦は、

たかが竹書房という出版社一社が主催する数ある麻雀大会のひとつ。

 

名称のイメージから「麻雀で最強の人は誰か!?」を決める大会と受け止めて、

こうあるべき、こうでないとダメだ、みたいな理想を押し付けるものでは、決してない。

 

そんな視聴者、麻雀ファン全部の「理想」をひとつの大会に求めても無理なわけ。

 

念のため、

麻雀最強戦(≒竹書房)の名誉のためにはっきりと書くと、

最強戦は1989年創設で、そのときどきの「旬」を取り込んで、

これまで30年以上開催してきた伝統と実績のある麻雀大会。

 

現在は、Mリーグに「おんぶにだっこ」感があるけれど、

Mリーグ前から、そして仮にMリーグが終わったとしても、

継続して開催されるであろう麻雀大会のひとつでもある。

 

だからこそ、肩ひじ張らずに、もっとリラックスして、

観たい人が観たい時に観たい気持ちで、楽しく視聴すればいいだけなんだと思う。

 

鷲巣麻雀の魅力

そして、不公平、不平等を端的に表現した麻雀が「鷲巣麻雀」。

 

代表的な麻雀漫画『アカギ 〜闇に降り立った天才〜』(福本伸行)にて登場。

 

主人公・赤木しげると、ラスボス・鷲巣巌(わしずいわお)の対局。

 

大富豪の鷲巣巌は、暇を持て余していて、

麻雀好きの若者を呼び寄せて麻雀をするんだけれど、ルールが特殊。

 

賭けるものとして、鷲巣は「大金」を、若者は「血液」を。

 

鷲巣(大富豪)には「はした金」だけど、若者には大金というレートで、

若者はそれに見合うだけの「若さ・生命」である「血液」を賭けるわけ。

 

当然、若者の敗北は「死」を意味する。

 

極めて不公平、不平等な、

もちろん鷲巣が圧倒的に有利な立場で展開される麻雀。

 

精神的に追い込まれていくだけの若者を、

ただ眺める悪趣味な麻雀なんだけど、主人公・赤木しげるは、

圧倒的に不利な立場にも関わらず、次第に鷲巣を圧倒して・・・。

 

みたいなストーリー。

 

持たざる者、虐げられるだけの弱者が、

圧倒的な強者に立ち向かう王道展開で、

主人公に肩入れしたくなる魅力的な展開。

 

今回の麻雀最強戦でいうと、それが大塚翼プロ。

 

この1、2年で知名度を上げたと思いますが、

赤髪、奇抜な服装といったインパクトと、オーソドックスな麻雀のギャップ、

昨年度の最強戦での活躍、今年に入ってタイトル獲得など、注目の若手プロ。

 

今年の最強戦ではリザーバー(予備選手)的な立ち位置で、

「空きがあったら出場させてやるから全日程の予定を開けて待機しておいて」

みたいな扱いだったらしく、空きが出たから今回の出場者に決定したみたい。

 

そのあたりは大塚プロご本人の「note」に詳しく書かれています。

 

雑な扱いでもあるし、

大塚なら上手く立ち回ってくれるんじゃない、ていう期待とイジリでもある。

 

最強戦実行委員長への売り込みや、

漫画家・ウヒョ助(塚脇永久)さんへの「持ち込みnote」など、

ご本人にとって出来ることを一つひとつ一生懸命やるタイプなので、

関係者から大いに可愛がられている、という表現がより適切かもしれません。

 

今回の出場者決定の発表がおこなわれた後も、

大塚プロ自身、なんで俺がここに入っているんだ、

ではなくて、「おいしい」と感じ取っていますし、

その思いを、いくつかの「note」で表明しています。

 

何をどう見ても、明らかに場違い、

取って付けたような一軍昇格すぐの代打・大塚ですが、

だからこそ、ここで活躍すれば大きな注目を集めるはず。

 

何度でもチャンスがあるように思えるMリーガーではなくて、

こういった若手プロによるジャイアントキリングが魅力のひとつなので、

ぜひ大塚プロが無双して最強戦を勝ち上がる姿が観たいと思います。

 

といったところで、本日のブログは手仕舞い。

 

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4件のコメント

  • こんにちは
    「麻雀が一番強い奴は誰だ?」というのが金本委員長の煽りセリフですが、プロは勝率の世界なのに半荘1回勝負で最強とか言われても、というのもありますね
    最強位がタイトルとは認めますし、1発勝負の魅力もありますが、雑誌観戦記から映像対局に以降した今はエンタメ寄りであることは仕方ないのでしょう、旅館の大部屋で熱気ムンムンの頃が少し懐かしいかも
    あと問題は予選出場者の決定方法が、タイトルホルダーや大会優勝者以外が不透明であること
    「骨肉の争い」もあまりピンと来ないし、Mリーグのしかも2チームだけ?という感じがしました
    以上とりとめもなく失礼しました

    • こんにちは
      金本委員長の煽り、「最強戦」「最強位」というネーミングはかっこいいですよね。
      (現状の映像対局に即しているかは、あやしいですが・・・)

      旅館で手摘み、卓球&or麻雀の時代が懐かしいです!

      いわゆる招待選手を除けば、相当厳しい予選が展開されているみたいです。

      最強戦に出るまでが大変なので、
      むしろ、そちらをもうすこしクローズアップすれば、番組は盛り上がるかも!?

      あと、今回の2チームは、
      選手強制入替の可能性があった3チームのうち、
      現・最強位で予選出場がない瀬戸熊プロがいる雷電を除いた2チームで、
      相当前からオファー(スケジュール押さえ)をしていた感じがします。

      残留した人と、クビになった人による戦いを「骨肉の争い」と表現した感じ。

      ただ、風林火山がファイナルに進出したことと、
      園田プロが勝って大塚プロに入れ替えになったことでピントがズレてしまいましたが。

      だからこそもあって、大塚プロの下剋上に期待しています!

  • こんにちは、お答えありがとうございます
    最強戦予選選考過程の内幕物、竹書房さんがやる気になったら(笑)面白いかもですね
    骨肉の争いの2チームはそういう事情かもでしたか、入れ替えを前提にするとはなかなか危ういことをしますね
    わたしは園田プロがいっそそのまま出場して、もし通過してしまったらファイナルを園田A園田Bで戦うとか、園田プロがファイナル出場権1枠を思い通りにできるようにする、とかもエンタメでありかもと思っていました(笑)
    ではまた

    • こちらこそ、丁寧なコメントをいただきありがとうございます。

      先日の「はがき投票」2-9位の対局は放送されそうですし、
      アイデア次第でいろいろと盛り上げられそうです。

      入替想定の下品さは、竹書房らしさと言えばらしさですよね。

      なんだかんだ30年に渡り麻雀界を支えてきた出版社ですから、
      昨日今日のアンチとは器が違うのかもしれません。

      園田A園田Bは、わたしもみたいです!
      通過選手による出場権付与も面白そうです。

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