女子サッカーを見て感じる人気が定着する難しさ

トレード雑記第287弾、

 

女子サッカーを見て感じる人気が定着する難しさ

サッカー女子日本代表が出場する「女子ワールドカップ」の地上波放送が決まらないらしい。

(アイキャッチ画像は、JFAなでしこジャパンのホームページより)

 

いくつか要因はあるけれど、

 

①従来の男女ワールドカップ放映権セット販売がバラ売りになった

②FIFAが設定する放映権料があまりにも高額過ぎる

③競技として男子と比較すること自体が無謀すぎるくらい実力差がある

④日本では同時期に「甲子園」が開催される

 

などが主な理由だと思います。

 

①②はビジネスとしてのFIFAの姿勢、

③はサッカーという競技における残酷な現実、

④は日本特有の別競技が強すぎる問題。

 

FIFAの主張は、

男女平等の社会をサッカーにおいても築くべき、

過去に優勝経験のある日本は女子サッカーの価値を認めるべき、

開催国オーストラリアとの時差が少ないのだから視聴しやすい時間帯のはず、

といったところでしょうか。

 

まぁ、FIFAの主張がまったく理解不能というわけではないです。

 

それでも今回に限定すると、

「甲子園」と同時期開催では採算が取れない!

というのが現実だと思います。

 

サッカーだけの視点で男女差を議論する人もいますが、

地上波放送を議論するなら「高校野球>サッカー女子日本代表」。

 

ですから「地上波放送が決まらない=人気がない」はやや暴論。

 

とはいえ、今回の放映権料の問題を含めても、

サッカー女子日本代表に人気があるかと問われると、ピンとこない。

 

サッカー女子日本代表は人気がないのか!?

それでも、

人気がないことを前提で語られることが少なくありませんが、

問題は「何と」比較して人気がない、と判断するのかということ。

 

たとえば、「男子」のサッカーと比較するのであれば、

世界一有名な競技で視聴者層も最大であるサッカーにおいて、

男女の差は比較の対象にならないと思います。

 

厳しい書き方だけど、

名称は一緒だけど別競技くらいの認識が必要です。

 

そのあたりの構図は、

「女子野球」などと似ているかもしれません。

 

また、「いつの時期」と比較しているのか、ということも重要で、

澤穂希選手が無双して人気の絶頂期だった時期と比較をすれば、

そりゃあ人気が低下した、となってしまうでしょうという感じ。

 

それまではどうだったの、という長期的な視点が必要です。

 

前提として、

女子が人気となる競技は、

①強い(≒世界レベルの選手がいる)

②華やかである(≒タレント性が高い)

③男子とは異なる魅力がある

などが求められます。

 

①がないとマイナー競技の枠を出ることはありません。

②と③は個別の話もあれば連動した話題になることもあります。

 

具体的には、

たとえば体操、フィギュアスケート、

アーティスティックスイミング(旧名シンクロナイズドスイミング)など、

採点競技で「美しさ」や「柔軟性」などが基準となる競技。

 

格闘系だと、

柔道やレスリングなど①~③を兼ね備えている時期は人気が高まりますし、

また、プロだとレスリング(プロレス)は男女で魅せ方を変えています。

 

そして、サッカーと同じく球技で言えば、

バレーボール、テニス、卓球など、

コートを半分に区切るタイプの競技は、

男子とともに、あるいは男子以上に女子の人気も高いです。

 

ひとつの理由は、

男子がパワーで圧倒する展開が多いのに対し、

女子はテクニック重視でラリーが続くおもしろさがあるから。

 

こんな感じでいろいろと考えてみると、

女子サッカーはおそらく女子野球と同じで、

①競技における男子の人気が異次元に高い

②人気の高い時期はあったが一過性で定着していない

③選手のタレント的な売り出しは効果的ではない

という感覚になります。

 

人気を定着させるために考えられること

女子サッカーという競技の人気を定着させるために、

いくつか考えられることを順不同で書いていきます。

 

一時期流行したブレスト(ブレーンストーミング)感覚です。

 

1.男子とは別競技と認識して「野球」と「ソフトボール」のような新競技を発足

最も過激は提案ですが、

この視点があると、以下に示すようないくつかの案の可能性が拡がります。

 

2.選手の交代枠を大幅に増員する

男子でも、交代枠のなかった時代から、昨年W杯では5名となっていて、

交代枠を有効に活用した日本代表が躍進したことは記憶に新しいです。

 

いっそ女子は10名の交代枠にするなど拡大すれば、

スピード、スタミナ、パワーなどあらゆる面で劣る女子にとって、

常にフレッシュな選手がフィールドを駆け巡ることになります。

 

3.再交代を可能にする

サッカーでは一度交代した選手が同じ試合に再度出場することはできませんが、

他の競技では再交代が当たり前の競技もあります。

 

バスケットボールやバレーボールではよく見られる光景ですが、

途中で休憩したり、戦術をチェンジする目的などで選手の入れ替えを目まぐるしくおこないます。

 

4.出場人数を増やす

サッカーは11人対11人で実施しますが、

たとえば1チームあたり15人制とか増員することも検討可能です。

 

バレーボールでも9人制や6人制など、

人数が可変的におこなわれていた歴史もあります。

 

そろそろ「そんなものはサッカーではない!」という意見も・・・、

出てきそうですが、あくまでも一例としての案です。

 

5.試合時間を工夫する

単純に試合時間を短縮するのもひとつですし、

前後半のハーフ制から4分割のクォーター制を検討するのもひとつ。

 

このあたりの案の目的は一緒で、

スタミナの減少を抑えて、スピードを維持できる案はないか、というもの。

 

6.ボールやコートを変更する

よく耳にする割とポピュラーな改善案。

 

ボールを小さくしたり、

コートを半分や3分の2で実施することで、

スピードやパワーの低さを補おうという案です。

 

コートの変更はラインを引き直したりゴールを再配置するので、

男子のグラウンドを間借りしている可能性が高い女子にとって、

現実的には試合や練習場所の確保など難しい面も考えられます。

 

それでも、

男子と別競技と認識すれば、

そういった案に切り込むことも必要になるかもしれません。

 

そのほか、

ユニフォームを水着のようなものにすればいいのでは、

といった半分ネタのような意見もあったり・・・。

 

さらには、競技とは関係性の薄いような活動、

たとえばタレント・女優、歌手、アイドル、グラビア、など、

知名度を高めるための活動が推進されることもあります。

 

そういった活動は話題づくりとしては面白くても、

人気の定着には結びつかないことが多いのも事実。

 

女子サッカーに限らず、

当たり前の話になりますが・・・。

 

現実を直視して、理想を掲げたうえで、

比較的達成可能な目標を設定すること。

 

といったところで、本日のブログは手仕舞い。

 

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