「ビジネス」と「ファンサービス」と!
トレード雑記第323弾、
「ビジネス」と「ファンサービス」と!
先日開催された麻雀最強戦を主催する竹書房について、
「アイデア」、「チャンス」、「ビジネス」の連環を考えました。
結果論として、
読者アンケート企画というアイデアは大成功!
1位となった篠原冴美プロは出場→優勝→12月の決勝大会進出が確定していますし、
2位~9位の選手を集めた次年度出場枠決定戦で、企画を盛り上げた原えりかプロが優勝、
次年度の最強戦の出場枠を獲得しました。
こういう展開について、
たまたま「運がよかった」と捉えるのではなくて、
アイデアを企画として実践した結果、それが成功裏に繋がった、
と考えるのがビジネスの鉄則です。
出版社も多数ありますが、
実績のある竹書房が守りに入らずベンチャー精神を持ち続けているところが、
こういう結果を生み出しているのだと感じます。
そういう意味で言うと、
「麻雀最強戦」というネーミングの秀逸さ、
さらにはルールや出場選手の推薦枠など定期的に変更しながら継続して運営している事実、
このあたりもあらためて凄いものがありそうです。
そもそもファンの意見を取り入れることが目的のアイデアが、
読者アンケート企画の出発点だと思いますので、
「ビジネス」と「ファンサービス」の連環も良く練られていると感じます。
「特別ルール」への反応
ルールが変わればゲームが変わります。
既存のルールを信望する人もいれば、
新しいルールを歓迎する人もいます。
今回の「特別ルール」への反応について、
わたしのような一般のファンからトッププロまで、
多方面からたくさんの意見が集まっているようですし、
それぞれのメリットデメリットがわかりやすいので、まだまだ盛り上がりそうな勢いです。
この点だけを採り上げても、
今回の特別大会の実施&特別ルールの採用は大成功と言えそうです。
ちなみにわたしが事前に危惧していた懸念事項は次の3点。
(前述の紹介ブログ(「アイデア」と「チャンス」と「ビジネス」と!)から一部抜粋)
すでに、②と③は発生しました。
従来のルールであれば「2着勝ち上がり」だった北家が、特別ルールによって敗北。
(もちろん従来ルールのままであれば展開が異なるので、あくまでも結果論での比較)
その展開がまさに③で、3着目と4着目の点棒移動で決着した、というもの。
めちゃくちゃ上手い「差し込み」(≒わざと放銃)が続いたわけですが、
微妙な空気になったのは、特別ルールによる逆転現象が発生したからです。
差し込んだ大久保朋美プロが2着目の人に恨みがあるとかそういうわけではなくて、
特別ルールを熟知すればするほど、3着目と4着目が協力(≒コンビ打ち)をすることになります。
大久保プロの(今回選択した)麻雀を、
「これぞプロの技術でかっこいい!」「美しい!」と捉えるか、
「敗者が勝者を決めてしまった(≒変えてしまった)」と捉えるか、
さらには「2着目」vs「3着目&4着目」の戦いを良しとするか否とするか、
そのあたりが特別ルールの評価の分かれ目となりそうです。
すでに、
2着勝ち上がりでは特別ルールより従来のルールの方が良さそう、
1着のみ勝ち上がりの決勝戦だと特別ルールの方が良さそう、
などハイブリッド案も出ています。
ちなみに、
今回の大会では明確にわからなかったけれど、
①の可能性が今後でてくるはずだと考えます。
特別ルールではすでに明確なように、最終局2着目は圧倒的に不利です。
だから2着目の人は多少無理をしてでも、
最終局の前までにトップ目に立つような大胆な麻雀が選択されやすい、はず。
そこで裏目を引いて3着目になっても、
4着目の人とコンビ打ちに繋がるルールなので、大胆に行くメリットが大きい。
とまあ、こんな感じ。
最初に書いたように、
ルールを変えればゲームが変わります。
野球の「ビッチクロック」の導入や「ベースの大きさ」の変更、
サッカーの「オフサイド」の基準変更や「VAR」の導入、なども同じ。
そのなかで勝利する人・チームは、
ルールに適応して真っ先に最適解を導き出した人・チームとなります。
いずれにしても今回の特別ルールを採用して、
ファンを巻き込んだ「ルール議論」を促した竹書房のビジネスセンスは、
慧眼としか言いようがないです。
追記。
今回の特別ルールへの反応のなかで、
魚谷侑未プロの意見がかっこよかったです。
麻雀プロはおおむね賛成を表明していたところに、
「私は反対!」とはっきり言える丹力はすごいと思うし、
理にかなった反対理由だったので納得感が高かったです。
過去に意味不明でチョンボみたいな失言もありますが、
これぞトッププロという丁寧な反対意見はさすがの一言。
といったところで、本日のブログは手仕舞い。