『はじめの一歩』って知ってる!?
トレード雑記第334弾、
『はじめの一歩』って知ってる!?
このブログでは幾度となく登場している長期連載人気漫画『はじめの一歩』。
せっかくなのでまとめてみました、という内容です。
ご存じの方も、連載開始時である1989年からの記憶をふり返りながら、
気楽にお付き合いいただけるとうれしいです。
あらためまして、本日ご紹介する作品はこちら。
『はじめの一歩』(森川ジョージ)
1989年『週刊少年マガジン』で連載開始、
2023年7月に単行本138巻が発売、11月には139巻が発売予定の超長期連載作品。
主人公は高校生でいじめられっ子の幕之内一歩。
母子家庭で、家の職業(釣り船屋)を、
「貧乏」、「クサい」などと馬鹿にされ、
不満げな顔をすれば殴られる、という感じで、
読み返してみると、なかなかにヘビーな「昭和のいじめ」。
いじめから助けてくれた鷹村守に感化されてプロボクサーの道に。
作中最強の努力&天才ボクサー鷹村をはじめ、
元不良の青木、木村、永遠のライバル宮田、
妹と交際(?)することになる間柴など個性豊かなボクサーに、
ボクシングジムの鴨川会長、トレーナーの八木ちゃん、篠田さん、
他にもボクシング雑誌の編集者、鴨川会長の旧友、などなど、
魅力的な登場人物がこれでもかと山ほど出てきます。
真剣なボクシング描写と、
コミカルな日常描写のバランスが絶妙で、
長期連載ならではのストーリー展開が楽しめます。
作品の魅力をひと口で語ることはできないけれど、
「絵」は抜群に上手く躍動感や緊迫感溢れる試合描写は見どころのひとつ。
「キャラ」は主人公の一歩に加え、脇役にもストーリーを持たせて、
それぞれのキャラに「命を吹き込んでいる」感じがして丁寧な漫画となっています。
「ストーリー」については、一歩のサクセスストーリーに思えて、大きな挫折もあって、
そして一歩とともに脇役が輝くストーリーが繰り広げられるので飽きの来ない展開。
とはいえ、長期連載のお約束(?)で、
わたし自身、そういえば子どもの頃に読んだことあったよね、くらいの感じで、
いつからか読まなくなって久しい作品のひとつでした。
誰もがそうだけれど、小学生、中学生、高校生、大学生、社会人、など成長に応じて、
実家暮らし、一人暮らし、結婚、子どもの誕生、家族の介護、など生活環境の変化で、
趣味に費やす時間や費用が変化していくものです。
漫画も、週刊誌、単行本しかなかった時代から、
電子コミック、スマホアプリなど、楽しみ方が多様になっています。
長期連載作品あるあるだと思いますが、
ふと気づいてたときに「ハマって」いて、
またあるとき気づいたら「飽きて」いて、
なんとなく気になって作品レビューを見たら・・・、
「飽きた」「つまらなくなった」「〇〇までは最高だった」みたいな、
なんとなく自分と一緒のように映る感想をみつけては納得していた感じ。
そんな作品のひとつだった「はじめの一歩」ですが、
久しぶりに『マガポケ』でみつけて読み直してみると、
その、なんというか、当時の気持ちかそれ以上に、やっぱり面白い!!!
変な感じで酷評されていたりもするけれど、
いわゆる「量産型のB級漫画」が溢れかえっている時代に、
本物が本物の輝きを放ち続けている、そういう作品。
せっかくなので記憶をたどりつつ、順不同で、
わたしが好きだった回をいくつかピックアップすると、
【一歩】
①幕ノ内一歩vs千堂武士
②幕ノ内一歩vs間柴了
③幕ノ内一歩vsヴォルグ・ザンギエフ
④幕ノ内一歩vs伊達英二
⑤幕ノ内一歩vsハンマー・ナオ(山田直道)
⑥幕ノ内一歩vs小島寿人
【鷹村】
①鷹村守vsブライアン・ホーク
②鷹村守vsデビッド・イーグル
③鷹村守vs熊(番外編)
【その他】
①木村達也vs間柴了
②板垣学vs牧野文人
③千堂武士vsヴォルグ・ザンギエフ
④鴨川源二vsラルフ・アンダーソン(回想)
かなり序盤の試合に偏っている気もしますが・・・。
(小田、尾妻、小橋など印象に残る初期キャラ多し)
当時読んでいた頃は、
鷹村vs熊、鷹村vsブライアン・ホークがすごく良かった印象だけど、
大人になって読み直すと、鷹村vsデビッド・イーグルの良さを再認識したり。
一歩からみても天才的な後輩ボクサー板垣の、
デビュー戦と、その後に再戦することになる牧野なんかも、
大人になってから読むと、また感じ入るものがあります。
ちなみに、一歩の⑥小島寿人という対戦相手の所属ジムは森山、
寿人の妻の名前が亜樹、というそれぞれ有名麻雀プロの名前がつけられています。
(容姿や性格はモデルとなった麻雀プロとはまったく関係なさそうです)
生まれてくる赤ちゃんのために引退を考えている寿人が、
本当は憧れている一歩に挑発を繰り返しての対戦要求・・・、
試合前、試合中、試合後、それぞれに良いエピソードがあります。
ちなみにちなみに、
麻雀好きで知られる作者の森川ジョージさんは、
試合と試合の合間の日常回のネタとしても、麻雀回を描いています。
トレーナー八木ちゃんの知られざる特技を披露する人気(?)のサイドストーリーで、
有名な「釣り」ネタに引き続き、過去に「麻雀の裏プロ」をしていたという設定で展開。
そこでは、ほぼそのまんまのキャラで、
多井隆晴プロ、村上淳プロ、声優の小山剛志さん(麻雀店オーナー)が登場します。
しかも、登場話が「1326話」だったので、
イチサンニーロク(1300・2600という点数申告)に合わせたのかなぁ、
なんて勝手に考えてもみたりしてニヤニヤすることになりました。
こういうボクシングの試合以外の描写がおもしろいところも魅力のひとつ。
とまあ、そんな感じで、
全部をしっかり読んだわけではないけれど、
なんとなく昔から知っていて、現在も続いている作品をみると、
「継続は力なり」は正しいことだな、とあらためて思います。
近年の森川ジョージさんは、
漫画家や漫画作品の地位向上に向けた政治的発言もされているようで、
「漫画の暴力描写NG」 → 「ボクシング漫画は全部OUT」
みたいな法律・条例ができそうな動きに反対していたりする感じです。
そういった活動への感想などは置いておいて、
未完のままグダグダになる漫画が少なくないなか、
『はじめの一歩』は完結するまで描き上げてほしいと切に願っています。
おまけ1.痛恨のミス!!!
アイキャッチ画像は138巻の表紙。
表紙の構図は記念すべき単行本第1巻の構図とまったく一緒(下記参照)。
違いは、左右のグローブを逆にめている(≒親指の部分がない)こと。
実際にグローブをはめた場合、
138巻の表紙からわかるように、親指が映る(はずの)構図です。
あまりにも大き過ぎるミスだったので、
スタッフを含めて誰も気づかなかったらしく、
いつか修正版を公開したいと森川さん自身がツイートしていました。
そして、コミックス累計発行部数が1億部の大台を突破した138巻で念願がかなったようです。
おまけ2.電子コミック化への正直な気持ち
実は『はじめの一歩』は電子コミック化を拒否し続けていた作品。
森川さん曰く、
漫画雑誌や単行本で左右見開きでコマの構成を考えている、
1ページずつのスクロール(≒右ページのみ、左ページのみの進行)だと、
クライマックスの「見開きページ」が伝わらず、盛り上がりが失われるし、
コマ割りやセリフの前後が逆になってしまうこともしばしば・・・。
そのため当初は電子コミック化に断固反対していたようですが、
後進(後輩の漫画家)の活動場所を尊重しなければならないなど、
いくつかの気持ちの変化もあって『マガポケ』解禁となったようです。
といったところで、本日のブログは手仕舞い。
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