原作がある作品のメディア展開の巧拙
トレード雑記第376弾、
原作がある作品のメディア展開の巧拙
わたし(をはじめ多くの方)のブログは、
「時事ネタ」と「ストックネタ」を織り交ぜながら公開しているわけです。
現在は、サッカーアジアカップという時事ネタを中心に、
あまり連続しないようにジャンルの異なる別のネタを混ぜているという感じ。
そこで前回公開したのが、
ストックネタの定番『〇〇って知ってる!?』という漫画紹介ネタ。
紹介した漫画は、
公開して数時間後に、
漫画家の二ノ宮知子さんのSNSが話題に・・・。
二ノ宮さん当人というわけではなくて、
ある漫画家がお亡くなりになったというもの。
複数の人気作品があって、
映像化(ドラマ化)もされていた人気の漫画家さん。
遺書も見つかり、
状況から自殺らしい。
詳しい状況はわからないけれど、
作品(漫画)を原作としたテレビドラマの制作でトラブルがあったらしい。
ご本人やテレビドラマの脚本家などSNSを舞台に、
そのやりとりの一部は公開されてしまっている。
(現在は削除されているものもあるらしい)
わたしのブログでは、
だいたいこういった自殺に関連する話題は採り上げないようにしている。
真実はわからないし、
勝手気ままに好き放題言っても何の解決にもならないし、
そういう噂話・裏話を語り合うことの虚無感は計り知れないし。
とはいえ、前回ブログでは「のだめ」の実写ドラマ化について、
あるテレビ局から主演と主題歌をジ〇ニーズという案を提案されて、却下して、
その後に別のテレビ局から実写ドラマを制作して大ヒットという有名な逸話を、
ブログに書いたけれど、漫画そのものの紹介に限定しようと削除したんだけど、
まさに、それに類似したトラブルが今回の出来事にあったらしい、からの悲しい結末。
そのため、スルーするのもあれなので。
(先に訃報を知っていたら、のだめ以外のネタを公開したんだけど)
前置きが長くなったけれど、
このブログで書きたいことは次のふたつ。
亡くなってから発言するんじゃなくて、
亡くなる前にしっかり発言してほしい。
今回の件では、
たくさんの漫画家やメディアの関係者が発言されています。
SNSでのやりとりを見ていたのであれば、
状況が危ないことはわかっていたはずではないのだろうか。
亡くなる前に、しっかりサポートしてあげたら良かったんじゃないか。
よくあるトラブルと放置しておいて、
最悪の結末に繋がったんじゃないか。
そして、亡くなった後に故人を「だし」に、
きれいごとを主張しても、意味がないと思う。
何を言っても、何を書いても、
亡くなった人はかえってこない。
そして、一時的に盛り上がって、
ほとぼりが冷めたら、何も変化はなくて、
数年後にまた次の犠牲者が出る、みたいな流れにはしてほしくないと願うばかり。
ふたつめ。
「原作を忠実に」は不可能
制作関係者ではないSNSでの野次馬のなかで意見が多かったのが、
「原作に忠実にすべき」みたいなやつ。
これは、現実的に不可能。
メディア展開は原作を補完する二次作品になるわけで、
それぞれの作品の情報量が異なる以上、忠実に再現することは不可能です。
たとえば、
いずれも原則ですが、
小説は「文字」のみ、絵画は「絵・イラスト」のみの情報量。
漫画は「絵と文字」の組み合わせ、
アニメは「絵・文字に動作・声」が追加されて、
そして実写は「実在の人間による演技」となります。
ある意味ですべての作品が「別物」と表現できます。
原作を改変しない作品なんてないわけで、
それが良質の改変になる場合と、いわゆる改悪になる場合と、両方あります。
また、この「良い悪い」は、
「原作者にとってどう感じるか」と「ファン・視聴者にとってどう感じるか」
においても、その評価が分かれます。
ファンにとっては良い作品だと感じても、
原作者が激怒して映像化が中止になったという話も少なからず耳に入ります。
今回の映像化の制作過程において、
どのような契約があったのか、外にいる人間にはわかりかねます。
契約のあり方にとどまらず、
トラブルシューティングの方法、その他、原作者や版権元の意向、
一方で映像化にあたる制作関係者の意向がどの程度反映されていたのか。
また、制約や限界もあります。
小説や漫画では可能な、超人的な身体能力や魔法使用などは現実では不可能ですし、
制作費用にも上限があるので、衣装や小道具、ロケ地など理想を再現することは困難です。
それによりストーリーの変更もしばしばあります。
(海外で奇跡的な出会いをした原作が、海外ロケなしで幼馴染に変更など)
こういった限界や制約のなかで、
制作者の間で巧く作品を盛り立てて、
原作も二次作品も評価されるものもあれば、
共倒れになるような悲しい作品もあったりします。
繰り返しになりますが、
何を言っても、何を書いても、
亡くなった人はかえってきません。
なお、当然ですが、このブログは、
亡くなった漫画家を冒涜するものでも、
テレビドラマの制作者を批判するものでもありません。
公表されていない話も少なからずあるでしょうし。
ただただ、悲しいし虚しい、それだけです。
それでも、小説、漫画、ドラマ、映画などの作品は、
わたしたちのような庶民の娯楽の中心となる大きなコンテンツですから、
関わる制作者も、消費するファンも、win-winとなる作品が増えてほしいものです。
といったところで、本日のブログは手仕舞い。