『らーめん発見伝』って知ってる!?
トレード雑記第523弾、
『ラーメン発見伝』って知ってる!?
「グルメ漫画」と「ビジネス漫画」を掛け合わせたような作品。
主人公の敵役によるスピンオフ作品も人気で、
Wikipediaによると、現在もスピンオフは大ヒット続刊中とのこと。
あらためまして、
本日紹介する漫画はこちら。
『ラーメン発見伝』(原作:久部緑郎、漫画:河合単)
1999年から2099年まで、
『ビッグコミックスペリオール』にて連載された作品、全26巻。
商社に勤めるしがないサラリーマンが、
自身の「ラーメン店」を開業して一国一城の主を目指す、
「二足の草鞋」で昼は商社マン、夜はラーメン屋台の主人(会社には内緒、一部の人のみ既知)、
というところから話が開始されるのだけど・・・。
理想のラーメンを完成させる一環として、
ラーメン店を食べ歩いては「まずい!」などと平気でほざく社会性のない、
他作品で言うと「山岡士郎」によく似た実際にいるとウザいキャラ設定。
天然の食材じゃないやつを下に見たり、
既存のスープを使っていると馬鹿にしたり、みたいな。
ところが、
本作の魅力は、
主人公が既存のお店をおちょくってカタルシスを得る展開ではなく、
ラーメン店オーナーで「フードコンサルタント」として飲食店ビジネスのカリスマに、
けちょんけちょんにやりこめられるところ。
「天然食材&手間暇惜しまず作り上げた理想の一杯!!!」
みたいな夢や希望をラーメンの器に盛りつけようとする主人公に・・・、
原価(当然売価も)は高いし、オペレーションが複雑なので、
「ラーメンおたく」が趣味でつくるならいいけど、ビジネスとしては失格。
と、はっきり言い放つ感じ。
理想と現実、夢と目標、趣味とビジネス、
など「味は鋭いけどビジネスの理解が甘い」(ように映る)主人公に、
情け容赦ない、それでいて愛がある(ように映る)叱咤激励が繰り返させる。
このふたりの掛け合い、
ライバルのような師匠と弟子のような、
そういう関係性が大きな魅力となっている漫画。
実際に、「ラーメンハゲ」の愛称で親しまれていて、
下手をすると主人公以上に知名度があるキャラになっています。
たとえば、
これなんかが有名な一枚。
人気店の行列に並び、
味もよくわからないのに「ウンチク」を披露する客(≒ラーメンおたく)を馬鹿にした言葉だけど、
一方で、人気店となるための「情報」の発信方法を熟知しているプロの言葉でもあったりします。
一事が万事こんな感じで、
ビジネスを知っている人ほど、
主人公(アイキャッチ画像の青年)よりこっちのラーメンハゲに共感できる気がします。
その後、スピンオフ作品ではこのキャラがメインとなって、
「フードコンサルタント」(≒作中では繁盛していない店舗の再生がメイン)を中心に、
よりビジネスの視点に比重を置いた作品になっています。
単純においしいラーメンを作る、作りたい、〇〇を満足させたい、幸せにしたい、
ではなくて、ラーメン店を作る、そのために大切なことを気づく、学ぶ、学ばされる、
みたいな構成が秀逸な展開を生んでいます。
ラーメンが嫌いな人でも、
飲食店やビジネスそのものに興味がある人であれば、
読んでみて損のない作品に仕上がっていると感じます。
といったところで、本日のブログは手仕舞い。