日向藍子選手への批判がメイウェザーみたい!?

トレード雑記第545弾、
日向藍子選手への批判がメイウェザーみたい!?
先日、Mリーグ・渋谷ABEMASの日向藍子選手を絶賛するブログを書いたんだけど、
そこで頂いたコメント(直接だったので原文非公開)や、SNS等での反応を見ていて感じたこと。
日向選手への批判が、
50戦50勝無敗のボクシング伝説的チャンピオン、
フロイド・メイウェザー・Jrに言われていた批判にあまりにも似ているのでは、みたいなお話。
日本ではメイウェザーの知名度は、
引退後のエキシビションマッチで知ったという人も多いと思います。
(朝倉未来、那須川天心など人気優先のエキシビションをしていたので)
元々ハードパンチャーでKO勝利を量産していたメイウェザーは、
階級を上げるに連れて、スピードとテクニック、ディフェンスを磨き、
判定勝利が増えてきたボクサー。
彼への批判の多くは、
「もっと打ちあえ!」
「逃げてばかりでおもしろくない!」
「消極的過ぎてボクシングの魅力を感じない!」
みたいな感じ。
他にもビッグマウスへの批判もあるけれど、
ボクシングそのものへの批判はだいたいのところ、
「最初から判定勝ちを目指すスタイルが嫌い!」
「どれだけ批判されてもスタイルを崩さないで勝つのが嫌い!」
みたいな「好き嫌い」で語られるものが多い。
ボクシングは「KOがエライ」ルール(≒その瞬間に試合終了)で、
「倒すか倒されるか!?」といった殴り合いが視聴の魅力であることは間違いない。
だからこそ、
守備・ディフェンスが重要という逆説的なファイトスタイルを最高峰まで高めたメイウェザー。
キャリアの晩年は、
「メイウェザーが負けるところが観たい!」
というニュアンスの発言も多かったように思う。
(最近は井上尚弥に対しても似たような声が出てきている)
さて、件の日向藍子選手の戦い方。
守備が目立ち、しっかりと降りきることで放銃を回避し、
カウンターを駆使して2着や3着をもぎ取るというもの。
それに対しての批判が、
メイウェザーのそれとほぼ一緒。
「もっと攻めて打ちあえ!」
「消極的な雀風はつまらない!」
「トップがエライルールでラス回避を目指すな!」
みたいな、ね。
トップがエライからこそ、
放銃回避(≒結果的にラス回避に繋がる)が重要になるんだけど・・・。
そのあたりの全体像を俯瞰的に捉えることが出来ないで、
ただオウム返しのように「トップ獲りルールなのに」「トップがエライのに」みたいな額面通りの批判。
ちなみに、将棋も同じ。
相手の王将を獲ったら試合終了のゲームだからこそ、
「攻め」と同時に、あるいはそれ以上に自分の王将を獲られない「受け」(=守備)が重要。
鈴木大介九段はもちろん、
トップ棋士は「受け」が異常に強い。
プロとアマが将棋を指すと、
アマチュアがガンガン攻めて、
受け止められて負けることが多いけど、
攻め切って負けたので満足なんだよね、というパターンがものすごく多い。
なぜなら守り切って(≒受け重視で)勝てることはないから、
ジリ貧でつまらないので、派手な展開が好きなんだけど、そして負ける。
だいたいどの競技でも
結局強い人になればなるほど、
こういう考え方と技術を体現している人が多い。
相手を倒すために、
自分が倒されない技術を磨く
今回はボクシングと将棋の例を挙げたけれど、
サッカーでも野球でもだいたい一緒で、しっかり守ることの大切さは地味だけどかっこいい。
(落合監督時代の中日ドラゴンズとかも似たような批判があった記憶。アイキャッチ画像はそのイメージ)
日向藍子選手には、
これからも雑音が聞こえてくるだろうけれど、
自分自身のスタイルを貫いて、かっこいい麻雀を続けてほしい。
ちなみに、
今シーズンの和了率はベスト3に入るくらい和了っているし、
所属団体では上からふたつ目の「A2」リーグで戦うくらいの強者。
玄人好みの選手と言ってしまえばそれまでだけど、
あらためて「こういう選手」が評価される世界であってほしい。
といったところで、本日のブログは手仕舞い。