Mリーグ新規参入7選手のスタートダッシュは!?
トレード雑記第338弾、
Mリーグ新規参入7選手のスタートダッシュは!?
9月18日に開幕したMリーグ2023-24シーズンですが、
10月27日終了時点で、各チーム全96試合中20試合or22試合を消化しました。
だいたい全体の5分の1から4分の1が終わったところ、という感じです。
現在のチーム成績は次のとおり(画像はMリーグのホームページより)。
寿人プロと伊達プロのスタートダッシュが完璧で、
麻雀格闘俱楽部が他のチームを大きく抜け出して首位をキープしていますが、
順位をみると、ほぼ昨シーズンの結果と近似していてあまり驚きはありません。
新規加入のBEASTが最下位というのも想定の範囲内だと思います。
そこで、
今シーズンから新規加入した7選手について、
現状の成績を確認しながらスタートダッシュに成功したのか、
ふり返ってみたいと思います。
紹介はドラフト指名順、
総評はわたしの独断と偏見によるものです。
(個人成績など数値は10月27日終了時点のもの)
猿川真寿プロ(44歳、プロ歴22年)
個人成績11位(41.2p)、名実ともにチームの大黒柱。
麻雀プロになった直後にタイトルを獲得して、
放送対局の常連となった猿川プロの経験値は大きく、
卓上において緊張している素振りは一切ありません。
X(Twitterより文字数が少ないので、表記方法をXに移行)でも、
寿人プロの4連勝を阻止したいとか、多井プロの初登板がなぜ自分のときなんだとか、
相手チームの選手とのプロレス(?)もしっかりこなしています。
チームメイトの大介プロの打牌選択などに批判が沸騰したときも、
フォローの投稿をしていましたし、そのあたりの男気もありそう。
また、奥様が同じ団体(連盟)所属の石田亜沙己プロ、
読者モデルやショップ店員をしていた元ギャル系雀士です。
年齢的にも菅原プロや中田プロと近いため、
2人の相談役ではないけれど、猿川プロとの間を上手く取り持ってくれそう。
プロ歴をみても、菅原プロ、大介プロ、中田プロの3名のプロ歴を合算しても13年、
猿川プロの半分程度のため、選手としてもチームリーダーとしても頼れる存在として、
BEASTをどこまで引っ張っていけるのか、といった感じでしょうか。
初年度におけるチームの現実的な目標は、
選手強制入替に該当しない6位以上だと思うので、
猿川プロの成績がカギを握っていると言えそうです。
菅原千瑛プロ(31歳、プロ歴11年)
個人成績31位(△123.4p)、オーディション優勝による加入。
記念すべきチーム初勝利をもたらした選手。
とはいえ、その後は・・・、
三暗刻見落としor見逃しの一件などもあって、
チグハグで消極的な打牌選択が続いている印象。
展開の不運も重なってか、
6登板のうち3ラスで成績は大きなマイナス。
困り顔で打つ麻雀スタイルは弱々しく映ることもあってか、
あるいは若い女性の麻雀プロには強い言葉を言いやすいのか、
予想はしていたけれど、心ない批判の声も少なくない印象も。
どこで反撃のきっかけを掴むのか、
それともこのままズルズルいくのか、
チームにとっても菅原選手自身にとっても早くも正念場を迎えた感じ。
タイトル獲得経験もある若手~中堅の実力者ですし、
オーディション組の宿命(?)ではないけれど、
数字を残すことで存在意義を示してもらいたいと思います。
鈴木大介プロ(49歳、プロ歴0年)
個人成績19位(△7.1p)、棋士九段。
将棋の世界で約30年、プロとして戦ってきた人。
麻雀プロ歴はないに等しいものの、
アマチュア時代に最強位のタイトルを獲得するなど、
短期決戦での剛腕ぶりは周知の事実。
当初、打牌選択や控え室の態度などで批判の声もあったけど、
信念を貫く豪快な打ち回しによって、勝つか負けるかのトップラス麻雀を展開。
将棋ファンを麻雀(Mリーグ)に連れてきたかどうかは定かではないけれど、
古参の麻雀ファンのなかで大介プロファンが増加中(?)だと思う。
おそらくMリーグに慣れるためのチーム方針として、
チーム最多の8試合に登板していて、ポイントは原点付近。
最高のスタートダッシュに成功したわけではないけれど、
大崩れせずに、まずまずの結果を残しているように感じます。
インタビューや解説などの「語り」はお手の物といった感じですし、
麻雀の内容や数字についても、これからの活躍に期待が持てる選手。
中田花奈プロ(29歳、プロ歴2年)
個人成績25位(△41.0p)、元アイドルで麻雀店オーナー。
乃木坂46の元メンバーで、
アイドルとしての知名度と人気のある選手。
とはいえ、大介プロの場合と同じく、
アイドルファンを麻雀に連れてきているのかは定かではありません。
麻雀プロとしては、
タイトル戦の決勝卓に進出したこともある若手の実力派。
チーム内では、
唯一ラス(4着)を取ったことがない安定した打ち回しを披露しています。
とはいえ、トップ(1着)も獲得していないこと、
手さばきや点数申告など緊張感が画面越しでも伝わるところなど、
まだMリーグの舞台に慣れていないのが素人目にもわかってしまう状況。
チーム方針としては、
大介プロの多投とは反対で、
中田プロは温存されている感じ。
早めに初トップを獲得することで、
気持ちよく麻雀が打てる状況になれば、成績も好転するかもしれません。
いずれにしても、BEASTとしては、
猿川プロの安定した成績は必須で、
菅原プロも猿川プロに準ずる成績、
大介プロのトップラス麻雀が上手くハマって、
中田プロは苦しみながらもプラマイゼロくらいで、
というのが初年度の思い描いている展開ではないしょうか。
醍醐大プロ(47歳、プロ歴18年)
個人成績34位(△161.5p)、元・最高位。
セガサミーフェニックスの稼ぎ頭で、
昨シーズンを持って勇退した近藤誠一選手(現・監督)に代わり、
今シーズンから新規加入したのが近藤プロの後輩にあたる醍醐プロ。
実力・実績十分で遅れてきた大物ルーキーといったたたずまい。
現状は、6登板で3ラス、未だトップなしと、
残念ながら、実力を示すには至っていない感じ。
また、過去5年間のMリーグで実しやかに囁かれている、
「最高位戦の男性プロはMリーグで成績を残せない」という言葉を覆せるのか、
そういったところにも注目を集めていましたが・・・。
本人、チーム、最高位戦の関係者、など、いろいろと思うところはありそう。
このまま調子が上がらずズルズルいくと、
選手強制入替の前に退団宣告される危険も出てきます。
(フェニックスはそのあたりがドライなチームなので)
これからの巻き返しに期待。
浅見真紀プロ(38歳、プロ歴13年)
個人成績26位(△60.3p)、ドリブンズ入団テスト(?)合格者。
昨シーズンの成績不振により村上淳プロ、丸山奏子プロの強制退団から、
新たに2名を獲得して、新生ドリブンズの一翼を担う浅見プロ。
ドリブンズ独自の入団テスト(筆記試験、実技試験など)に合格した、
高学歴・理系のママさん雀士(夫は協会所属の橘哲也プロ)。
4登板して1トップ、2ラス、3着1回で、ポイントはマイナス域。
個人としてどうこうというより、チーム状況として、
+100p超から雪崩を打ったかのような-100p超まで、
短期間でポイントを溶かす悪い流れに飲み込まれてしまった感じ。
ズルズルいきそうな展開にストップをかける役割を、
昨シーズンだと園田プロ一人が担っていた状況だったのを、
そこに浅見プロも加われるのか、チームとしての正念場を迎えている状況。
渡辺太プロ(35歳、プロ歴1年)
個人成績22位(△33.6p)、現役医師でネット麻雀のカリスマ。
ネット麻雀の世界では誰もが知る存在で、
トリプル天鳳位&ダブル魂天という輝かしい実績の持ち主にして、
現役の医師(麻雀プロになってからは非常勤医師)の顔を持つ人。
穏やかで優しい顔つき、
牌を掴むときに手が震えるなど緊張している様子が伝わるけれど、
ネット麻雀と親和性の高いSNSでは高い評価をほしいままにしている印象。
今シーズンの新規加入選手のなかでは、
大介プロと並んで「黒船襲来」と意識されていた選手。
際立った雀風があるというようには見えないけれど、
すべてにおいて高度な技術を発揮する様は通り名「麻雀シンギュラリティ」そのもの。
だからこそ現在の成績に対しては、
本人も、チームも、ファンにとっても、
納得していない部分が大きいのかもしれません。
太プロも醍醐プロと同じ最高位戦に所属する麻雀プロなので、
例のジンクス(?)を破るのか、そちらにも注目が集まりますし、
ネット麻雀のカリスマがリアル麻雀のMリーグでも評判通り強いのか、
そのあたりも多くのファンを巻き込んだ熱狂へと導いてくれそうです。
とまあ、こんな感じで7名の新規加入選手を紹介してきましたが、
それぞれのチーム成績は、現状7位、8位、9位と下位3チームに集中。
もちろん、まだまだリーグ戦の序盤ですので、
チーム状況を考えて無理な攻めをするような段階ではありませんが、
このままの順位に甘んじていると・・・、
各チーム各選手ともに精神的にも苦しくなってくるはずです。
こういうリーグ戦の醍醐味のひとつは、
新しく入ったチーム、新しく入った選手が台風の目となってこそです。
今シーズン新規加入の7選手の活躍に、
引き続き注目していきたいと思います。
といったところで、本日のブログは手仕舞い。