『のだめカンタービレ』って知ってる!?
トレード雑記第375弾、
『のだめカンタービレ』って知ってる!?
おそらく、というか間違いなく、
わたし以上に詳しい方がたくさんいると思っていますが。
音大生の成長物語とラブコメを絶妙のバランスで描いた名作です。
漫画という誌面の媒体にもかかわらず「音」が聞こえてくるような描写、
この漫画をきっかけにクラシックにハマったという方もいるくらい。
アニメ化、ドラマ化、実写映画化、
作中に登場するクラシック楽曲をおさめたCDの発売、
などなど、一世を風靡したと言っても過言ではない音楽系の漫画です。
あらためまして、本日紹介する漫画はこちら。
『のだめカンタービレ』(二ノ宮知子)
2001年から2010年に講談社『Kiss』に連載され、単行本は全25巻。
シリーズ累計発行部数は約4,000万部と大ヒット。
また、映像化作品のなかには、
日本だけではなく韓国版もあるくらい、
漫画&音楽は国境を超えるを体現した作品。
ストーリーは、わりとシンプル。
主人公の野田恵(愛称のだめ)は、
音楽の才能はピカ一ですが、それ以外はまったく無頓着で破天荒な音大生。
隣の部屋に住む音大の先輩、千秋真一は、
すべての楽器&指揮に対してマルチな才能を発揮する天才音大生。
この二人を中心に、音楽家を志す若者たちが、
学生オーケストラやプロのオーケストラとの共演で成長したり、
天才・神童・お金持ちの子息淑女が集まる音大生の現実や葛藤、
コンクールの評価、留学してヨーロッパでの共同生活、などなど、
リアリティとファンタジーのバランスが絶妙です。
また、師匠となるトッププロ(マエストロ)の指揮者との出会い、
個性的な音大の先生たち、これまた個性的な保護者が数多く登場、
基本的に「はちゃめちゃだけど憎めない」人たちが織りなす物語。
気に入らない人の楽器を隠す、壊す、才能のある後輩をいじめる、
みたいな、お約束に近いベタな「悪い学生」は一切登場しません。
「才能だけがすべて」のようなクラシック音楽の世界を、
シリアスな描写とコミカルな描写を織り交ぜながら展開するので、
登場人物の心情に引き込まれていき、成長を応援したくなる感覚になります。
とはいえ、時代背景が異なるので、
師匠のセクハラ(?)描写は現在では厳しいものがありそうです。
また、音大生の活動の舞台に「YouTuber」のような、
自分自身で映像を撮影して売り込むといった活動などはありません。
基本はホールで演奏することが前提で、
宣伝は音楽専門誌に広告を出すことがメイン、
ティッシュ配り(ポケットティッシュにチラシを挟む)など。
そういった細かな違いはあるものの、
活動範囲が大学内からヨーロッパへ、
学生同士の集まりからプロの音楽家となって演奏活動へ、
その過程で起こり得る音楽を志す若者の成長と挫折、出会いと別れ、
が随所にちりばめられています。
人物描写が丁寧なので、番外編(全25巻のうち2巻分)では、
スピンオフ的な作品として、サブキャラにもスポットがあたっています。
そしてなにより、読者の成長に合わせて、
自分自身が学生時代のときと大人になってからとでは、
読んだ際の受け止め方が変わってくる部分もあります。
定期的にもう一度読んでみようかなぁと思わせてくれる作品です。
といったところで、本日のブログは手仕舞い。
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