スポットワーク(スキマバイト)のこれから!?

トレード雑記第644弾、

 

スポットワーク(スキマバイト)のこれから!?

抜群の知名度を活かしてスポットワーク(スキマバイト)に参入した「メルカリ」が、

サービス開始後2年も持たず、約1年9か月で完全撤退を発表しました。

 

登録ワーカー数1,200万人超にもかかわらずの撤退に衝撃を持って報道されました。

 

この業界の最大手は「タイミー」。

 

ちなみに、スポットワーク協会に所属する会社は、

タイミー、メルカリを含めて9社しかいないなので、事実上の寡占市場です。

 

タイミーの設立当初のビジネスは、想像どおりですが、

「大学生の空き時間」と「アルバイト」とをマッチングさせるシステムでした。

 

あまりにもニッチな(≒規模が小さい)ビジネスモデルだったので、

大手の企業が次々と参入してくるようなことはなかったようです。

 

その後、コロナを前後としてビジネスの危機を、

従来の「大学生と飲食店など」のマッチングから、

「社会人と物流業」のマッチングにかじ取りをして、飛躍のきっかけとなりました。

 

というのも、物流業は繁忙期がはっきりしているので、

スポットワーク(スキマバイト)で人員確保を行う採用システムは願ったり叶ったり。

 

しかも物流業界は大手企業からの大量求人に繋がりやすいので、

タイミーの経営も安定していくことになったようです。

 

そして現在では、

タイミーの当初の利用者であった大学生など若者の割合は1割程度、

40代50代の利用者が中心を占めるようになっています。

 

その過程で、「スキマバイト」という表現から、

「スポットワーク」という表現に変遷してきています。

 

そういう状況ですから、当然のように新規参入する企業が出てくるわけで・・・。

 

わかりやすいのは業態が似ている人材派遣系の会社からの参入ですが、

他にもメルカリのような豊富な資本を武器に他業種からの参入が増えていた様子。

 

スポットワーク業界も百花繚乱となるのか、

と盛り上がっていたところ、メルカリ撤退。

 

様々な媒体で理由が解説されていますが、

単純化して書くと次の3点だと思われます。

 

1.求職利用者が複数登録しており、求人数が豊富なタイミーが選ばれやすい

さきほどメルカリの登録ワーカーは1,200万人超と書きましたが、

その多くはタイミーを含む複数の会社に登録しているのが実情で、

結局のところ最大手のタイミーが選ばれやすいという状況にあるようです。

 

2.求人企業への手数料を有料化したことで離脱と新規求人企業獲得が難しい

この手のビジネスは、求人企業、求職者ともに登録手数料を「無料」で集めておいて、

一定の規模となったところで求人企業側の手数料を有料化するというものが一般的です。

 

上記1.もそうですが、ここにきてタイミーの「先行者利益」が可視化された様子。

 

求人企業としても案件数が多いタイミーで事足りるのであれば、

わざわざメルカリに追加費用を支払う必要はまったくありません。

 

求人企業が増えなければ登録ワーカーも伸び悩むでしょうし、

マッチング件数がジリ貧となることは想像に難くありません。

 

結果的にメルカリは事業撤退を選択したわけですが、

なんなら極めて素早い決断と言ってもいいのかもしれません。

 

3.スポットワークにおけるブランド力がタイミーにはある

スポットワークという業界においてタイミーは最大手ですし、

そもそもの会社名からもイメージしやすく認知度は高いと思われます。

 

当初は大手企業が見向きもしなかったところから事業をスタート、

初期投資を回収するまでの時期を乗り切って、拡大からの安定経営となったことで、

スポットワークと言えばタイミーと言われるほどのブランド力が確立されるに至りました。

(今後どうなるかはわかりませんが、現状は同業他社の名前を知らないレベルの圧倒的認知度)

 

そのため、登録ワーカーはどんどん増えるし、求人企業もどんどん増えるという好循環。

 

また、マッチング成約時など、

求人企業がスポットワーク企業に支払う手数料は約30%程度と言われています。

 

新規参入企業ではタイミーよりも手数料が安いことをウリにすることもあるようですが、

それでもタイミーのブランド力にはかなわないという展開が往々にして見受けられるとか。

 

このように現状ではタイミーの一人勝ち状態が続いています。

 

スポットワークは、

今後も一定の需要と供給が見込めるため、

タイミーのさらなる成長も決して夢物語ではありません。

 

とはいえ、もちろん、いい話ばかりではなくて、

「闇バイト」の案件があったというトンデモ話に始まり、

契約内容と実態が異なるといったトラブルに繋がったり、

事故やケガなどの対応、複数掛け持ちによる労働時間管理や健康問題、

その他、グレーゾーンが少なくない働き方でもあるので、大きな火種を抱えているとも言えます。

 

現時点でも小さなトラブルは漏れ聞こえているわけすが、

今後、登録ワーカーの生命に関わるような問題が発生したときに、

求人企業側とタイミー(スポットワーク会社)で責任のなすりつけ合いが始まるかもしれません。

 

働く人にとって「すきま時間」に収入を得られる手軽さと、

急な人員不足を補填できる求人企業の双方にメリットがあるビジネスですが、

これからどのようになっていくのか、何かの出来事をきっかけに一気に廃れるのか、

あるいは令和の働き方の主流に躍り出るのか、その動向を注視していけたらと思います。

 

といったところで、本日のブログは手仕舞い。

 

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