スキャルピングの欠点

トレード雑記第34弾、

 

スキャルピングの欠点

先日「スキャルピングの利点」についてブログに書きましたが、

今回は欠点、デメリットについてまとめてみました。

 

1.コツコツ利確にならざるを得ない

一般にスキャルピングはエントリーからイグジットまでの建玉保有時間が、

最も短時間なトレードなので、利益幅が小さくなります。

 

たとえば、3000円の銘柄が3300円まで10%上昇した場合、

(新興銘柄でボラが大きいと1日で10%の変動は珍しくない)

300円幅でガッツリ利益を計上するトレードではなく、

30円幅(1%)などを複数回GETするスタイルになります。

 

大きな損失を回避することと等価交換の超短時間トレードの特質上、

大きな利益を計上するチャンスを制限しているトレードとも表現できます。

 

あとはこの「複数回」の回数とタイミングが、

トータルの収支を分けることになります。

 

2.上昇している銘柄で損失を計上してしまう

もちろんさきほどの3000円が3300円となる銘柄について、

この300円幅の値幅変動のなかでも細かい株価の上下動があるのが一般的です。

 

そのためスキャルピングでは、

成功すると300円幅以上(単純計算30円幅だと11回以上利確)の利益を得ることも可能ですが、

失敗すると上昇している銘柄なのに損失の方が大きくなることも珍しくありません。

(当日大きく上昇するストップ高銘柄で爆損した情けない経験は数えられないwww)

 

「最初に買った建玉をそのまま持っているだけで良かった」

というのは、スキャルパーならではの嘆きだったりします。

 

要するに、最も効率よく勝てる手法とは、

最も効率よく負ける手法と表裏一体であるということですね。

 

3.システムエラーに脆弱すぎる

記憶に新しいのが今週9月2日(木)の前場に発生したシステムエラーですが、

ああいった障害であっても、年単位での長期保有で株式投資をしている人には影響は軽微です。

 

トレードの時間軸が短ければ短いほど、

通信障害系のシステムエラーに脆弱な側面が浮き彫りになります。

 

建玉の状況がわからなかったり、反対売買(手仕舞い)ができなかったり、

一時的なところはありますがパニックによる相場の急落に無防備な状態となります。

 

ここ数年だけをみても、半年から1年に1回程度の頻度で発生しているように感じますので、

寺田寅彦(物理学者)の言葉「天災は忘れたころにやってくる」は、ホントそう!

 

現実的には、大雨・雷よりは頻度が低いけれど地震よりは高頻度で発生する、

くらいの感覚で、システムエラーが起こり得ると考えておいて損はないと思います。

 

4.取引集中によるパンク、サイバー攻撃への頑強さが不透明

あわせて、取引が集中した際の遅延、通信障害などネット回線のパンク、

さらには、いわゆるサイバー攻撃に対してどれだけ頑強な備えをしているか、

わたしは専門家ではないのでわからないですが、不安な部分もあります。

 

そしてこういう事象が発生するのは、

往々にして伝統的な対面取引を主体とする老舗の証券会社ではなく、

ネット取引を主体に新しい個人投資家を確保する新進気鋭のネット証券だったりします。

 

たとえば昨日(9/3)の菅義偉総理辞任の報道で先物が高騰しました。

当然、取引が集中するわけですが、そのタイミングで回線がパンクしたり、

サイバー攻撃が仕掛けられたら、短期的には相当エラいことになりかねないなぁと・・・。

(こちらも長期保有であれば、誤差の範囲で翌日か一週間後には戻りそうですが)

 

ちなみに前任の安倍晋三総理の辞任報道は、

発表タイミングが後場の途中であったことと任期途中であったことも重なり、

パニック売り(垂直落下に近い下落)からの激リバがみられました。

 

今回の菅総理辞任は、自民党総裁の任期満了に伴う辞任(再出馬しない)であり、

一部の報道などによる無責任や政権放棄といった類いのものではなさそうです。

 

後任候補がいずれも帯に・・・失礼、混沌としているので、

しばらくは相場が荒れそうですが、短期的に変動が大きいということは、

スキャルパーにとってはリスクであると同時にチャンスなのかもしれません。

 

おまけ-補償の対象範囲

先日のシステムエラーについて松井証券から公式発表がありましたので、

「天災は忘れたころにやってくる」を忘れないためにも掲載しておきます。

 

 

ツールや画面の「時価配信」と「約定通知」の遅延ということなので、

(板やチャートなど)画面がリアルタイムで動かない、

約定したのにその通知がリアルタイムでこない(わたしも10分以上遅れて通知がきた)、

といった症状だったようです。

 

そして発注自体には問題がなく、補償の対象(≒約定の精査対象)はないとの回答です。

 

おそらく他の証券会社でも同様の対応がなされているものと思われますが、

今後同様のことが起きた場合でも、対応は変わらないと思います。

 

つまり、ここから読み取れる補償の対象となり得るのは次のパターンのみです。

 

☆.注文が通っていない

たとえば3000円で買い注文を入れて、3000円に到達したにも関わらず購入できなかった場合。

(この場合、その後株価が上昇したか下落したかはあまり重要ではない)

 

なお、こちらは売り注文でも考え方は同じですし、

新規建玉の注文であっても、返済注文であっても考え方は同じ。

 

投資家が「注文」した事実があったにも関わらず、

証券会社が「発注」をしなかった(≒できていなかった)という事実があった場合に限り、

発注した(≒できていた)こととみなして補償するという対応です。

 

「板が動いていたら注文したのに(≒できたのに)」といった願望は、

まったく精査の対象にはならないようです。

 

昨年わたしも悔しい思いをしましたが、

法律上、また契約上、妥当な判断ではないかと思います。

 

こんな感じで、今回はスキャルピングの欠点についてまとめてみました。

 

先日のスキャルピングの利点と併せて、メリット・デメリットを比較検討することで、

自分なりの手法を確立できたらなぁと考えています。

 

わたし自身における現段階での目標・理想は、スキャルピング(的なトレード)もやりつつ、

もう少しゆったりとした時間軸でのトレードを増やしていきたいという気持ちです。

 

来週からも頑張っていきましょう!

 


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2件のコメント

  • すうさん、お疲れ様です。
    読み応えのある記事のUP
    ありがとうございます。

    自分は昨日の苦い経験から、
    色々と考えていたところに
    タイムリーな記事でした。

    考えていたことは
    「トレード環境の差がスキャルピングの結果を左右するかも」
    ということです。

    昼休み中に情報が出た場合は、場中と違い
    その後の対応は環境の格差はなく一律にできます。
    ところが場中にニュースなどが出た場合は
    「いかに情報を早く手に入れるか」が
    利益になるのか損失になるのかを
    分けるのかな…とぼんやりと考えていました。

    上級者は複数モニーターや複数のPCで
    twitterや海外指数など多くのリアルタイム情報を
    表示しながらトレードされているのを
    色々なブログで見かけます。

    自分は1枚モニター、1台PCという
    お粗末な環境でトレードしています。

    しかも、PCのスペックが低く、無線マウスを使うと
    寄り直後は瞬間ですがフリーズしますwww
    (スキャには致命的ですよね…)
    9月は利益が出たら、これらの環境を
    改善したいなぁと思いました。
    取らぬ狸のなんとやらですがw

    トレードは記事の内容を自分なりに反芻して
    (先物乱打戦で回収できたのも運に助けられただけなので)
    時間軸今より長めの戦略を考えてみます。

    (長文のコメントになってしまいすいません。)

    今週のご武運お祈りしております。

    • アラフィフさん、お疲れ様です。

      トレード環境の差、大きそうですよね。
      わたしもモニター1枚とノートパソコンとの変則2枚体制です。
      モニターがたくさん並んでいるトレーダールームに憧れますねw

      寄り直後のフリーズは、わたしもそこそこあるので、
      自分だけなのか、気になってTwitterやYouTubeを確認するようにしています。

      勝ってから揃えるのか、揃えたから勝てるようになるのか、
      環境改善は重要なテーマかもしれません。

      とはいえ最も大切なことは「コツコツでも継続して勝つこと」でしょうね。
      スマホトレードでも実現させている方もいるので。

      今月も頑張りましょう!

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