ルール“が”守るもの
トレード雑記第119弾、
ルール“が”守るもの
一般的には「ルール」と聞くと、守るべきものということで、
「ルール“を”守る」と表現するのが自然だと思います。
主語は、国民であったり、市民であったり、
社員であったり、生徒とか児童であったり。
ある意味では、
守らなければならない、ちょっと面倒くさいもの、
というニュアンスが強いかもしれません。
たとえば、交通法規。
代表的なところだと「信号無視」というやつ。
だ~れも歩いていない、車も走っていない、
みたいなところにある信号機・・・。
なんでこんな信号を守らなきゃならないんだろう、
って考えたことがある人は、それなりにいらっしゃるんじゃないでしょうか。
もちろん、交通法規はしっかり守りましょう!
このブログで、そのくらい別にいいじゃん、とか、
実は子供の頃に・・・、みたいな話題がしたいのではありません。
当たり前ですが、法律違反を容認したり推奨する意図もありません。
そうではなくて、
「信号“を”守る」ではなくて「信号“が”守る」ものは何か、
みたいなことを書きたいわけです。
ものすごく大雑把に書くと・・・、
信号が守っているのは、
われわれの生命です。
信号を守らなければならないと考えると、
ときどき面倒くさいと感じるかもしれませんが、
それによって、われわれは交通事故から守られているわけです。
もし信号がなくて、自動車も歩行者も自由に行き来できるのであれば、
一時的には「義務」がなくなって、自由に動ける「権利」を得たと感じても、
交通事故が多発するでしょうし、無用なトラブルも頻発するかもしれません。
結局のところ、ルールがないことから発生する不利益は、
事後的に社会全体に、つまりわれわれ一人ひとりにのしかかってくるわけです。
他にも、たとえば役所などで細かい形式要件を整えなければならない書類。
作成や提出の作業は、めちゃくちゃ面倒くさいことこの上なかったりしますが、
そこでもこの厳密な手続きを経ることによって偽装や詐欺、ミスやトラブルを、
未然に防ぐ効果が働いているわけです。
どうしても手間暇や負担などそちらの方が直接的に実感できてしまうため、
ルールに対しては守らなければならない義務感が発生しますが、
別の視点から考えてみると、実は、ルールがあることによって、
われわれはそのルールに守られているというのが、
法治国家の大きな特徴でありメカニズムだったりします。
あまり話を大きくすると眠たくなるので
最近興味を持っている麻雀「Mリーグ」について、
気になっていることを書きます。
従来の麻雀に漂う「怪しい」「怖い」「不健全な」イメージの払拭、
知的スポーツとしての麻雀の発展を目的にMリーグが発足されて4年。
プロ野球やサッカーのJリーグを模倣した感じで、
チーム戦、ユニフォームの導入とともに「審判」制度が導入されました。
ぶっちゃけ、審判については、麻雀では(たぶん)珍しい存在だと思います。
麻雀という競技の特性上、
審判はいてもいいけれど、いなくても進行にさほど影響がないので、
将棋やゴルフなどと同じような感じかもしれません。
もちろん、試合や大会とかで、主催者、責任者、大会実行委員長など、
運営の主体はあるでしょうが、逐一彼らの判断が必要な競技ではなく、
プレイヤーによる相互チェックが基本となります。
そういう意味では野球やサッカーなど、
基本的に審判がいないと成立しない競技とは、
「審判」の機能や役割に大きな違いがみられます。
前述したように、
審判制度の導入は「野球を模倣した」と思われるのですが、
ストライクorボール、アウトorセーフなど、
一つひとつのプレーごとに判定(裁定)が必要になる野球とは異なり、
ほとんど表舞台には出てこない麻雀の審判は、微妙な存在といえます。
Mリーグにおける審判の役割とは!?
さて、野球やサッカーと麻雀とでは審判の役割は異なる、
そもそも麻雀で審判って必要なのか、ということを書いてきましたが、
実際にMリーグにおける審判は何をやっているのでしょうか。
現在リーグで審判の役割は、
RULE(Mリーグの公式ルール)第1章「競技の基本」第8条「審判」に規定されています。
現在、Mリーグでは2名の審判が活躍されています。
いずれも麻雀プロの経験を持ち、現在は引退してプロモーターのような立場で麻雀界を支えている
張 敏賢(ちょう としまさ)さん、梶本 琢程(かじもと たくのり)さんです。
Mリーグの中継中に画面上に登場することはほとんどないので、
知らない方も多いかもしれませんが、
裏方として、競技の開始前から終了までの責任者ということになります。
Mリーグは、レギュラーシーズン、セミファイナルシーズン、ファイナルシーズンとシーズン制で、
シーズン中は「月、火、木、金」の平日4日、夜19時過ぎに試合開始、2試合実施して22時過ぎに試合終了、
というタイムテーブルで実施されます(競技の特性上、長時間に及び24時過ぎまで実施されることも)。
昭和の野球中継のようなものを考えていただければ、だいたい同じ。
これを、「たった2人で回すのって無理じゃね???」っていうのが率直な感想だったりします。
(病気やケガ、今のご時世だとコ〇ナ感染のリスクもあるので)
言い方を変えると、これで回る程度には審判の役割は少ない、とも言えます。
実際のところ、選手のミスやアクシデントに対応する感じなので、
画面上から伝わる審判の役割は、ほとんどないといってもよくて、
逆に審判が目立てば目立つほど、その日の試合は荒れている、という状況。
選手は一流のプロですし、生放送で手配や捨て牌、
点棒のやりとりなど一部始終が映されていますので、
イカサマ・不正行為はあり得ない状況です。
選手同士で言い争いになるような場面も見たことがありません。
結局のところ、ミス(人間なので、それをゼロにすることはできない)があったときに、
つまり、何かが起こってしまったときのトラブル・シューティングとして訂正・是正、
(番組の特性上)視聴者を意識した裁定の説明・アナウンス対応、となるわけです。
元プロ雀士のおふたりですから、ミスの訂正・是正についてはお手の物なのですが、
後者の部分、視聴者を意識した説明・アナウンスについては苦慮されているように映ります。
ミス等の状況説明に加え、
罰則(第7章罰則)の説明は定型文を用意するなど、
ある意味での「ルール整備」をすることで、
審判の実質的な負担、心理的な負担をグッと減らせるように思われます。
たとえば「第7章罰則第〇条▲▲により××と裁定します。」みたいな感じ。
そのあたりのアナウンス対応が曖昧なときが、ままあって、
実況や解説がフォローしたりもするのですが、視聴者側にモヤモヤが残ったりするんですよね。
現状では、どうしてもアクシデントが発生した際に、
審判はご自身の言葉で誠実にアナウンス対応されている状況だと思う(そう映る)のですが、
一部の(悪意のある)視聴者から「審判ちゃんとやれよ!」みたいな声が出てきます。
MリーグはABEMAで生放送されており、
現在では、1試合100万人超の視聴みたいなマニアックだけど人気のコンテンツで、
そこにのしかかる関係者のプレッシャーは相当なものだと想像できます。
審判だって人間ですから、全知全能の神様ではありませんので、
「審判を守る」という意味での、ルールの整備・蓄積が求められているように感じます。
そして、それは同時に「選手を守る」ことにもつながりますし、
Mリーグ全体の底上げにもつながるように思います。
さて、いよいよ明日18日から「ファイナルシリーズ」が始まります。
(今シーズンの優勝チームを決定する最後の戦いです)
これぞプロの麻雀だ、という麻雀をみたいものです。
☆参考記事☆
「CROSS TALK 視聴者に見やすく、選手にとってはパフォーマンス
を発揮しやすい環境を整える 張敏賢さん× 梶本琢程さん」
(https://www.asahi.com/ads/mleague/feature/special07/)
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