『我間乱〜GAMARAN〜』って知ってる!?

トレード雑記第174弾、

 

『我間乱〜GAMARAN〜』って知ってる!?

前回、総論的なブログ「トレード視点で漫画を読む」を書いたので、

今回はまた各論に戻って、最近読んだ漫画をご紹介。

 

『我間乱〜GAMARAN〜』(中丸洋介)という漫画。

 

講談社『週刊少年マガジン』に2009年から2013年まで連載されていた漫画。

 

集英社『週刊少年ジャンプ』と双璧をなす一流の少年漫画雑誌での連載ですから、

たくさんのファンがいるでしょうし、世代の人はよく知っている漫画だと思います。

 

実のところ、わたしは、全然知らない作品でした。

 

今年に入ってから『マガジンポケット』(略称『マガポケ』)という、

講談社が運営する「漫画アプリ」で初めて目にして読んでみた感じです。

(わたしの場合は、最終話まで無料で読むことができました)

 

これまで紹介した「『〇〇』って知ってる!?」シリーズもそうですが、

基本的に無料で読むことができる(できた)漫画を紹介しています。

 

つまり、「無料だから読んでみよう」からスタートして、

数多くの途中で読むのを止めた漫画(最多は1話をパラッとみて終了)ではなくて、

それなりに読み続けることができた漫画をご紹介、という流れになります。

 

さて、あらためて『我間乱〜GAMARAN〜』。

 

前回のブログで紹介した「トレード視点」で考えると、

絵の魅力・・・このジャンルの王道をいく絵

キャラクターの魅力・・・主役、脇役、敵役、かませ犬など魅力たっぷり

ストーリーの魅力・・・ほぼゼロ(?)

といった感じ。

 

この作品は、キャラが一番の魅力で、

ストーリーはイマイチというのが率直な感想。

 

もちろん、詳しくは後述するけれど、ストーリーほぼゼロ(?)については、

マガジンで週刊連載をして全22巻の単行本が出版されている作品だからこそ書ける辛口コメントです。

(新人漫画家の初連載で数話で打ち切りになった、みたいな作品を批判しても仕方がないので)

 

なお、タイトル『我間乱〜GAMARAN〜』だけだと、

何の漫画かわからないと思います(わたしもそうでしたw)。

 

簡単に解説すると、

江戸時代中期のとある藩を舞台としたある剣術流派の剣士が主人公の、

チャンバラ・バトルアクション漫画です。

 

ちなみにタイトルは、主人公の名前からつけられています(と思う)。

 

まずは、絵の魅力だけど、

これはこのジャンルの王道のきれいさと迫力がある絵。

 

時代設定は異なるけれど、

『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』(和月伸宏)とか、

ああいう雰囲気を感じさせる繊細かつ大胆な絵です。

 

もちろん細かいところは異なるけれど、日本刀を駆使するバトルの描き方、

ちょっとしたお笑いシーンの絵の使い分け、技を繰り出すシーンの迫力など、

すごくかっこいいと思います。

 

続いてキャラクターの魅力ですが、

この作品の最大の魅力となっています。

 

なかでも「かませ犬」のキャラが最高に面白い。

 

いろんな剣術流派(刀以外でも槍とか薙刀とか斧とか)が出てくるけれど、

すごくかっこよく登場して、次のページで切られて終了・・・、みたいな。

 

この潔さとあっけなさ。

 

『北斗の拳』(原作:武論尊、作画:原哲夫)みたいな感じで、

モブキャラの「かませっぷり」にはお茶を吹き出しそうになります。

 

そこそこ主要な敵キャラだったはずなのに、あっさり退場しますから、

そのあたりの爽快感と無常観が「我間乱」の一番の魅力かもしれません。

 

ちなみに、キャラ設定や必殺技、ベタな展開なんかも、“The王道”なので、

安心して読むことができる反面、漫画アプリの読者コメント欄などをみても、

「〇〇(別の漫画)と似ている」というコメントもチラホラあるのはご愛敬。

 

そして、最後はストーリーについて。

 

おそらくこの作品の最大の残念ポイント。

(作者自身が述懐しているけど、苦手なんだと思う)

 

「我間乱」は、

いわゆる二部形式になるんだけど、

前半部分は、“The 兄弟喧嘩”。

 

とある藩の藩主が跡継ぎを息子から選ぶために、

息子たちがそれぞれお抱えの剣術流派を戦わせて、

最後に残った1人が自分の跡を継ぐ、みたいな感じ。

 

つまり盛大な兄弟喧嘩をけしかけられるわけだけど、

とある兄弟の1人の用心棒(≒剣術流派)として登場するのが、主人公。

 

だから正確には、用心棒同士が命のやり取りをするお話。

 

そして、そこにサブ設定が加わって、

自らの流派の最強を証明するためにお互いの流派が殺し合う、みたいな展開。

 

で、後半部分は、“The 親子喧嘩”。

 

跡継ぎ騒動の黒幕というか、

それに乗じて藩の乗っ取りをたくらむ一派が登場して、

主人公と主人公の父親との親子喧嘩が話の中心になって・・・。

 

みたいなストーリーです。

 

絵もきれい、キャラも立ってる、

日本刀を持って戦うシーンの迫力も十分、だけど・・・、

ストーリーや戦う目的がどうしても弱いよね、という感じ。

 

このあたりは作者自身が、

続編『我間乱 ―修羅―』(「マガポケ」にて連載中)の「あとがき」などで、

少し触れられているんだけれど。

 

連載中から、週間連載のプレッシャーとか体調不良とかもあって、

連載終了の相談をして約1年後に連載を終えることになった話のなかで、

連載時の読者アンケートが上々の評価なのに単行本の販売部数が伸び悩んで、

とか、すごくリアルな話として書かれている。

 

絵やキャラの魅力は週刊連載の時点で伝わる短期~中期の魅力だから、

読者アンケートの高評価を得ることに繋がっているけれど、

単行本としてまとまって読むことを想定した場合は、

ストーリーの魅力(≒長期の魅力)に左右される、そんな感じ。

 

さっき紹介した『北斗の拳』も、ぶっちゃけそうで、

ストーリーは「ないに等しい」(?)感じで、快楽〇人の連続。

 

そこは80年代の漫画の特徴かもしれないけれど、

ヒットした理由にはアニメの影響が大きいと思う。

 

アニメで人気を博して、インパクトのあるシーンとか印象に残ってて、

そういえば漫画は読んだことがなかったなぁというくらいの感覚で、

大人になって読んでみたら、意外と「あれ!?」ということが少なくない。

(ハート様なんて登場から退場まで原作だとたった2話なんだぜw)

 

我間乱も、もしアニメ化されたらバトルシーンとか相当「バエる」と思うんだけど、

最近のアニメの制作事情も厳しいだろうし、そこらへんの兼ね合いもあってか、

一流週刊雑誌の長期連載作品だけど、知名度はイマイチ(わたしが知らないだけかも)。

 

最近まで知らなかったわたしが言うのもなんですが、

もっと知られていていい作品だと思うんですけどね。

 

といったところで、本日のブログは手仕舞い。

 


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