『ブルーロック』って知ってる!?

トレード雑記第208弾、

 

『ブルーロック』って知ってる!?

気にはなっていたけれど、それだけで読んでいなかった漫画。

 

Twitterで、とある人気のトレーダーさんが、

ブルーロックで語られていることはデイトレのコツとまったく一緒だ!

みたいな感じのツイートをされていたので、読んでみたという状況。

 

今回のブログでは、

 

1.デイトレードとブルーロックの共通点

2.ブルーロックの面白さと奇抜さ

3.おまけ

 

の3点について書いていこうと思います。

 

『ブルーロック』の紹介の前に、デイトレとの共通点を書きますが、

まずは単純に「一風変わったサッカー漫画」くらいの情報量で書き進めます。

 

1.デイトレードとブルーロックの共通点

正確に書くと、デイトレードと「サッカー」の共通点です。

 

共通点は次のとおり。

 

①限定された時間で結果が求められる

サッカーは、前後半45分、途中15分の休憩(ハーフタイム)が設けられており、

その時間のなかで、得点(ゴール)という結果を追求するゲームです。

 

デイトレも、

日本市場だと限られた時間(前場・後場、昼休憩)のなかで、

結果が求められているという点が共通しています。

 

②攻守が目まぐるしく変わるなかで得点を積み上げる

たとえば野球などは攻撃側と守備側の交代制ですが、

サッカーはコートのなかでひとつのボールをめぐって攻守が入れ替わるゲームです。

 

そのなかで、少しでも有利な行動(ドリブル、パス、シュートなど)を積み上げて、

最終的に得点へと繋げることが求められます。

 

デイトレも、

株価の上昇、下降、ヨコヨコなど、

リアルタイムで目まぐるしく変化する状況が見て取れます。

 

そのなかで、少しでも有利な行動を積み重ねて・・・、

と同じ行動原理から結果を追求します。

 

③運勝ちではなくて成功(ゴール)の「再現性」「方程式」が求められる

サッカーは極めて得点シーンが少ないゲームですが、

だからこそ「運勝ち」「たまたま」「ラッキー」もあり得るわけですが、

よくよく観察すると運勝ちではなく成功(ゴール)の「再現性」が最も大切で、

その成功(ゴール)に繋がる「方程式」が確立しているかが重要となります。

 

たとえば、今回のワールドカップだと、

日本vsスペインでの堂安選手の2点目。

 

左足でトラップしてからの2回目のボールタッチは、

「ゴール右斜め45度から左足でシュートをする」ための再現性あるプレーです。

 

そしてその後のミドルシュートを含めて、

トラップ→自分にとって最高の場所にボールをコントロールする→シュート、

が「成功(ゴール)への方程式」と表現できます。

 

ですから、多くのサッカーファンは、

堂安選手のミドルシュートの強烈なインパクトとともに、

2回目のボールタッチの上手さを称賛しています。

 

この「成功(ゴール)の再現性」「成功(ゴール)の方程式」という表現は、

『ブルーロック』でキーワードとして出てくる表現です。

 

ブルーロックにおいては、

たまたま幸運が重なったかのような超人的なゴールを決めることよりも、

再現性のあるゴール(そのゴールに繋がるシュートやパス、戦略の必然性)を重要視しています。

 

ちなみに「vsドイツ」および「vsスペイン」の森保監督の戦術について、

いつまでたっても「運勝ち」と揶揄する人もいますが・・・、

「成功(この場合は勝利)の再現性」が発揮されたわけです。

 

森保監督の戦術(≒勝利の方程式)が、

わかりづらい、伝わりにくいものであったとしても、そこは変わりません。

 

ドイツ戦だけなら運勝ちと感じた人でも、

スペイン戦を観れば「何か秘密があるはず」と思考するのが普通の感覚です。

 

そして、ワールドカップが終了して全試合をふり返ってみると、

堅守速攻型の戦術で勝利した試合が「日本代表以外でも少なからず見られた」事実も相まって、

森保監督の采配は「ワールドカップ全体を通じて」称賛を集めているわけです。

 

デイトレにおいても、

成功の「再現性」は上手なトレーダーさんがよく指摘されているポイントだと思います。

 

ということは・・・、

森保監督の采配を「勝てば運勝ち」「負けたら采配ミス」などと、

まったく認めようとせず、文句ばっかり言っている人って・・・、

上手いトレーダーさんに「運勝ちだろ」「バーチャだろ」って噛みついているような、

馬鹿ちょっと変わった人と同じ匂いがします。

 

こんな感じで、①②はそもそもサッカーの特徴とデイトレードの共通点ですが、

③はサッカー漫画のなかでも『ブルーロック』が強調しているポイントですので、

その点が特に「デイトレとブルーロックの共通点」と考えることができます。

 

ちなみに、

旧来のサッカー漫画、たとえば『キャプテン翼』だと、

天才&努力型の主人公が、仲間と助け合い、ライバルと切磋琢磨しつつ、

成長していく過程で、登場人物の力量がインフレして「異次元超能力必殺技バトル」に進展します。

 

そういった漫画への「アンチテーゼ」(やんわりとした拒否、反論)が、

後述する『ブルーロック』の面白さと奇抜さとなって表現されています。

 

2.ブルーロックの面白さと奇抜さ

さて、あらためて紹介する漫画がこちら。

 

『ブルーロック』(原作:金城宗幸、作画:ノ村優介)

 

2018年から『週刊少年マガジン』で現在も連載中の漫画です。

 

ストーリーは、2018年のワールドカップを終えたところから始まり、

ベスト16で敗れた日本代表に欠けているのは「ストライカー(点取り屋)の存在」、

という単純明快なメッセージのもと、ストライカーを養成するためのプログラムが、

「ブルーロック(青い監獄)プロジェクト」です。

 

また、実在の人物(メッシやC.ロナウドなど)も作中で語られるなど、

そういう意味では現在の日本代表に通じる「パラレルワールド」として漫画が展開されています。

 

ブルーロックをひと言で表現すると・・・、

 

アンビバレント(ambivalent)

 

このひと言に尽きます。

 

アンビバレントとは、

相反する意見を持つさま。また、相反する感情が同時に存在するさま。

という意味(コトバンクより)。

 

サッカーにとても精通した人と、サッカーをまったく知らない人の合作、

サッカーが大好きで思い入れのある人と、サッカーが大嫌いな人の合作、

おそらく、それを「原作者の頭のなかで構築」しているぶっ飛んだ漫画。

 

ストーリーは、『カイジ』のような感じで、

ストライカー候補となる高校生(地方大会強豪~全国大会出場レベル)を、

300名招集し、そのなかで頂点に立つ1名となるべく競わせるというもの。

 

ストライカーはときに仲間を蹴落とすくらいのエゴイストでないと務まらない、

との信念のもと、招集者である「利根川」的な人の過激な発言が一番の読みどころ。

(強制的な合宿で帰宅不可、脱落者は今後日本代表に召集されないなど奇抜な条件設定)

 

みんなで楽しく仲良く最善を尽くせ、みたいな「積上げ式」のサッカー観ではなくて、

目的(限られた時間のなかで相手より多くのゴールを奪う)からの「逆算式」のサッカー観。

 

だからこそ、デイトレードや、他にも仕事や人生などにおいて、

「おっ、これは正鵠を射ている」って感じさせてくれるのが面白さであり魅力だと思います。

 

一方で、

「お前たちはエゴイストになれ!」

「はい、わかりました!」

みたいな展開で・・・、エゴイストが育つのか!?

 

というか、エゴイストって育てられるのか!?

 

作中に「ストライカーは育てられない」ってあるのに、

「ストライカーを養成するプロジェクト」って・・・。

 

みたいなところもアンビバレントだったりします。

 

同時に、「成功(ゴール)の方程式」や「再現性」を強調しているものの、

それを超越したスーパースターを求めているような感情もアンビバレント。

 

あくまでも「漫画」であること、

そしてサッカーを題材にしてはいるものの、

生き残りを賭けたデスゲーム系の漫画として、

そこに『LIAR GAME』的な化かし合いの要素が入った感じを、

前提として理解しながら読み進めることが大切だと思います。

 

また、主人公は誰だろうと考えたときに、

おそらく主人公は「ストライカー候補の高校生」ですが、

実質的な主人公は招集者(利根川みたいな人)だと思います。

 

つまり、監督、コーチの視点に加えて、

「SV」(スーパーバイザー)、「GM」(ゼネラルマネジャー)みたいな、

そういった視点からサッカーを俯瞰した漫画という感覚になります。

 

このあたりが、

旧来のサッカー漫画からは一線を画す感じで、

面白さと奇抜さを兼ね備えた新感覚の漫画と言えそうです。

 

ちなみにわたしは、

漫画アプリ『マガポケ』で1話から15話まで(無料分)、

あわせて最新の数話(こちらも無料分)を読んだだけですし、

アニメも1話から10話まで観たという程度の情報量でブログを書いていますので、

まったく解釈が間違っている可能性も多々ありますのであしからず。

 

おまけ①-ブルーロックが求める選手

わたし自身ほとんど未読の漫画ですし、

現時点で完結していない『ブルーロック』を大人買いする予定はありません。

 

そのため、もし、すでに作中に登場していたら、本当にごめんなさい。

 

勝手な想像でしかありませんが、

ブルーロックが求めているであろう選手像を想像して、

わたしなりに2名紹介します。

 

ゲルト・ミュラー

1945年生まれ、2021年に75歳で亡くなった西ドイツ(現ドイツ)のストライカー。

 

爆撃機との異名を持った「生粋の点取り屋」で、

西ドイツ代表での通算ゴール数は68得点でした。

 

これは62試合での記録であり、1試合平均1得点以上という異次元の数字。

 

現在のドイツ代表通算ゴール数の記録はクローゼの71得点ですが、

こちらは136試合での記録ですから、ミュラーの得点確率はとんでもない数字です。

 

当時の西ドイツでは、

得点を決めることを「ミュラーする」といった流行語も誕生したようです。

 

あまりにも古すぎる選手(1974年W杯優勝など)なので、

漫画としては登場させづらい人物ですが、ストライカーを究めた伝説の選手です。

 

フランツ・ベッケンバウアー

1945年生まれ、現在77歳。ドイツの「皇帝」です。

 

選手としてはミュラーとともにW杯制覇、監督としても制覇(1990年)という人物。

 

ポジションはDF(ディフェンダー)ですが、

ドリブルはするし、シュートは打つし、ゴールも決めるエゴイストそのもの。

 

だから、ベッケンバウワーのポジションのことを、

「リベロ」(自由という意味)と表現したくらいの、まさに皇帝。

 

DFでバロンドールを2度受賞した唯一の選手でもある。

 

以前『キャプテン翼』の紹介ブログでシュナイダー君の名言として紹介した、

“強い者が勝つのではない、勝った者が強いのだ”の元ネタの発言者。

 

と、まぁ、こちらも古い選手ですが、

ブルーロックが求めるエゴイストを体現した超一流選手を思い浮かべると、

このあたりのレジェンドが出てきてもおかしくないと思ったりもします。

 

わたし自身も映像でしか観たことがないくらいの古い選手たちですが。

 

おまけ②-ブルーロックへのアンチテーゼ

『ブルーロック』自体が、

これまでのサッカー漫画の常識に対するアンチテーゼから誕生した漫画だと思います。

 

日本のサッカー界で常に言われ続けているストライカーの誕生のために、

どうすればいいのか、を作者なりに追求して漫画化した内容です。

 

高校生300名を半強制的に拘束して、

そこで1名になるまで競わせるという、

現実の倫理観的には100%アウトの展開。

 

そして、この非現実的ともいえる方向性が漫画として面白いわけ。

 

ところが、

かなり以前から、まったく別の方向性から、

日本代表の強化を訴え続けている人物がいます。

 

その人物こそ「セル爺」ことセルジオ越後さん。

 

若い人にとっては偉そうで変なおじいさんくらいの印象でしょうが、

17歳でブラジルの名門コリンチャンスでプロデビューしたもの凄い人物。

 

セルジオ越後が編み出したフェイント「エラシコ」は、チームメイトのリベリーノに伝承され、

現在では定番中の定番のフェイントとして世界中のサッカー選手が活用するフェイントです。

 

紹介する映像では、前半が「エラシコ」の誕生秘話、

後半(2:47~)が日本のサッカー界への提言ですが、

提言内容がもろ「ブルーロックへのアンチテーゼ」。

 

サッカーに詳しい人も、そうでない人も、

セル爺の提言には「ハッとさせられる」内容だと思います。

 

せっかくなので、その映像をどうぞ。

 

 

いかがでしたでしょうか。

 

そういえば、そういった光景を、

ここ20年くらいは目撃していないですよね。

 

学年の異なる人たちとサッカーや野球をやって、

どうしても上級生が勝つんだけれど、

下級生にとっては、そこをどう工夫して勝ちにいくか、

その過程で新しい技術が生まれるという考え方、

大人と子どもが同じボールを追いかけて遊びのなかで学ぶ環境の構築、

年齢別で区分される日本のサッカー、スポーツ界への提言ですね。

 

このようなセル爺の提言内容は、

「奇抜な展開」に思えたけれど、同世代の高校生300名を招集して、

徹底的な管理教育のもとエゴイストを育成できるものと捉えている、

『ブルーロック』への見事なアンチテーゼとなっていると思います。

 

なお、時系列的な話をすれば漫画『ブルーロック』よりも、

数十年前から提言し続けているセル爺の方が先になります。

 

ちなみにセル爺は、

子どもたちに「ファールの仕方を教える」とも明言しています。

 

Youtubeにも別の動画ですが、

セル爺の教え方を紹介している動画後半のインタビューで言われています。

 

ファールは絶対にダメで、正々堂々とサッカーをすることを当然視して、

その結果、相対的に大きな選手に正攻法でぶつかっていってケガをする、

みたいなプレーを嫌悪感を持って否定的に捉えています。

 

今回のワールドカップでも、

優勝したアルゼンチン代表はファールをすることが、

そしてマリーシア(≒ファールを誘う狡猾なプレー)がとても上手いチームです。

 

「敵を欺く卑怯なプレー」だと批判する人もたくさんいますし、

「審判を味方につける有効なプレー」だと称賛する人もいます。

 

このあたりは議論をしても並行線でしょうし、

「サッカー観の違い」かもしれません・・・。

 

そうは言っても、殴る、踏むなどの暴力行為には極めて厳しいけれど、

ユニフォームを引っ張る程度の行為は許容されているのが実情なので、

「ファールを上手くやれよ!」とはっきりと発言しているセル爺は、

そういった意味でも愛されているところなんだろうなぁと感じます。

 

最後にまとめると、

『ブルーロック』はわたしのなかでもアンビバレントな作品です。

 

面白いと思う部分もありますし、

つまらないと思う部分もあります。

 

サッカー漫画なのか、そうじゃないのか、

そのあたりも含めてアンビバレントという評価になりそうです。

 

といったところで、本日のブログは手仕舞い。

 


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