羽生善治会長誕生と「史上最強棋士」論争

トレード雑記第279弾、

 

羽生善治会長誕生と「史上最強棋士」論争

来年100周年を迎える日本将棋連盟において、

2023年6月9日の日本将棋連盟理事会が開催され、

羽生善治九段の会長就任が発表されました。

 

アイキャッチ画像は、

「日刊スポーツ」の記事より、

記者会見にのぞむ羽生善治新会長。

 

理事に立候補された段階で、

羽生新会長の誕生は大方の予想どおりだったとはいえ、

将棋ファンとしては「ひとつの時代が終わった」感が否めません。

 

無冠になったとはいえ、昨年タイトル挑戦もしましたし、

まだまだ第一線での活躍を期待していましたので・・・。

 

それでも、羽生新会長の手腕はもちろんのこと、

棋士としてタイトル通算100期、A級復帰を密かに期待しています。

 

羽生善治会長の誕生と時を同じくして、

史上最年少となる藤井聡太名人も誕生したことで、

将棋界はまた新たな一歩を踏み出したと思います。

 

すでにいくつかのメディアにおいて、

「史上最強棋士は誰か!?」

といったGOAT(Greatest of All Time)論争が巻き起こっています。

 

野球やサッカーなどでも定期的に議論される論争ですが、

「史上最強棋士」論争、せっかくですので、わたしも参戦します。

 

といっても、かなり当たり障りのない選出になりましたが・・・。

(野球やサッカーほど意見が割れることはなさそう)

 

史上最強棋士の要件

わたしの考える史上最強棋士の要件は次のとおり。

 

1.その時代において他者を圧倒する強さを示す

2.全盛期の強さが長期間にわたって維持される

3.将棋界への貢献・社会的なインパクトが大きい

 

1.は至極当然でしょうし、

現役寿命の長い将棋ですから、一発屋的強さではない2.の要件も重要。

 

あわせて、将棋界の内外における影響度の大きさも加味されるべき、という考え。

 

なお、名人が「家元制」(≒世襲制)であった時代は、

現在の実力制名人の制度とは大きく異なるため、今回のブログでは除外します。

 

今回ノミネートする「史上最強棋士」候補は次の4名。

 

 

エントリーNo1.

大山康晴十五世名人(1923-1992、69歳没)

 

タイトルが3つのときに3冠制覇、

4つに増えたら4冠制覇、5つに増えたら5冠制覇をするなど、

将棋界の第一人者として長らく棋界をけん引した大名人。

 

名人通算18期、連続13期はいずれも歴代1位の記録で、

名人と言えば大山康晴というオールドファンもいるくらい。

 

全盛期は「10年間すべてのタイトル戦に出場」していましたし、

将棋連盟会長の激務をこなしながら、60代でのタイトル挑戦。

 

そして69歳、現役A級のまま逝去。

 

間違いなく史上最強棋士のひとり。

 

 

エントリーNo2.

羽生善治九段(1970生まれ、52歳)

 

タイトルが7つの時代に7冠制覇した唯一の棋士で、

十九世名人有資格者にして永世七冠。

 

人気、実力、実績すべてを兼ね備えたオールラウンドプレーヤー。

 

タイトル通算獲得99期は、もちろん歴代1位。

 

2018年、国民栄誉賞が授与されるなど、

将棋界以外の一般社会においても羽生善治の名前は広く浸透。

 

ちなみに、後に奥様となる女優・畠田理恵さんが、

名前の読み方を知らずに対談で「はにゅう」さんと呼んだのは有名な話。

 

 

エントリーNo3.

藤井聡太竜王名人(2002年生まれ、20歳)

 

間違いなく現役最強棋士。

 

デビュー29連勝(歴代1位)に始まり、史上最年少名人(20歳)に。

 

いまだにタイトル戦では負け知らずの15回登場15回獲得。

 

タイトル通算獲得15期は、歴代7位の記録。

 

将棋界のさまざまな記録を塗り替えながら、

どこまでその記録を伸ばすのか、現在8つあるタイトル完全制覇はいつか、

などなど、将棋ファンの期待が膨らむばかりの大天才。

 

 

エントリーNo4.

木村義雄十四世名人(1905-1986、81歳没)

 

名人が家元制から実力制に変更となった初代名人、

実力制第一代名人にして、5連覇を含む8期獲得。

 

通算タイトル獲得8期は、歴代10位タイ。

 

最後の家元制名人である関根金次郎十三世名人の弟子であり、

将棋連盟の分裂騒動のさなかに開催された1937年の第1期名人戦で名人位を獲得。

 

当時を知る人はほとんどいないと思いますが、

こういった歴史があるからこその現在の将棋界。

 

そして、1952年の第11期名人戦にて、

当時20代の大山康晴に名人位を奪われ、

「良き後継者を得た」と語るとともに40代で現役引退。

 

もし、木村十四世名人が、1期で名人を失冠して、

その後、コロコロと名人が乱立して誕生するような事態になっていたら、

もしかすると名人の権威がないとされて家元制が復活したかもしれません。

 

まとめ

最初に書いたように、

大山康晴十五世名人、羽生善治九段、藤井聡太竜王名人、木村義雄十四世名人は、

正直なところ、かなり当たり障りのない当たり前の人選。

 

そのなかで、

現時点で史上最強棋士を選出するなら、

 

大山康晴十五世名人だと思う。

 

当時のタイトル5冠完全制覇を4年連続で達成するなど、

全盛期の大山十五世名人は他を寄せ付けない強さを遺憾なく発揮。

 

羽生善治七冠時代が、わずか半年で終了したこともあって、

圧倒的な強さを維持することの難しさがわかります。

 

それでも羽生九段が会長職をやりながら、

50代でタイトル挑戦・奪取、通算タイトル獲得100期、

さらには60代でA級復帰とかになると、話が変わってくるかもしれません。

 

また、木村十四世名人についての将棋界への功績は唯一無二のものですが、

あまりにも現代の将棋界の状況と時代が違うので単純比較はできません。

 

そのため、木村十四世名人の史上最強論争は「次点扱い」になりそうです。

 

さらに現役最強である藤井竜王名人が、

現在の勢いのまま10年、20年と強さを維持することになれば、

大山十五世名人や羽生九段のように50歳前後までタイトルを保持しているようであれば、

そのときは、藤井竜王名人が名実ともに史上最強棋士となっているでしょう。

 

そして、

藤井竜王名人から一回り若い現在8歳くらいの少年が、

次の史上最強棋士候補として台頭してくるかもしれません。

 

といったところで、本日のブログは手仕舞い。

 

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