Mリーグ「楽屋配信」をあらためて考える【その2】岡田プロ発言の本質と対応策

トレード雑記第529弾、

 

Mリーグ「楽屋配信」をあらためて考える【その2】岡田プロ発言の本質と対応策

先日のブログの続きになります。

 

先日のブログでは、

KADOKAWAサクラナイツの岡田紗佳選手による楽屋配信での発言について、

経緯をふり返ってみました。

 

☆.岡田プロの発言について

Mリーグ「楽屋配信」をあらためて考える【その1】

 

そこでは問題提起として、

次の3点を提示しました。

 

「楽屋配信の目的は何か?」

「楽屋配信は必要なのか?」

「楽屋ってどういう位置づけ?」

 

 

今回のブログでは問題の本質に迫りますが、

わたしなりの回答を先に書くとこうなります。

 

今回の問題は、

「ヒューマンエラー」ではなく「システムエラー」によるところが大きい。

 

 

ここでの「ヒューマンエラー」とは、

属人的な部分に原因を求める考え方です。

 

これは擁護論でも批判論でも同じで、

①岡田プロの人間性、キャラ、成績、など

②インタビューアの伊藤友里さんの人間性、キャラ、インタビュー技術、など

③岡田プロと伊藤さんの関係性、など

などを対象とした議論をするイメージ。

 

SNSではそういった論調が少なくないですが、

ほぼすべての言説が「論外」といった低次元のもの。

 

誰それのキャラだからOK or NGとか、

「岡田&まつかよ」なら大丈夫だった、とか。

 

そういうことを言っているから、

いつまでたっても成熟しないんだよ、という典型。

 

さらに敷衍して書くと、

堀慎吾プロの声明文についても同じ。

 

読みやすくいい文章だったけど、

そこでも属人的な話が中心だったので、

今回の問題の本質からはズレた内容だと感じました。

 

それでは、

「システムエラー」とは何か。

 

それは、選手個々人の発言ではなく、

「楽屋配信」をすること自体が、

(ミス、トラブルなどを誘発する)エラーの源泉である、

という考え方になります。

 

ここで議論の対象とする「楽屋配信」とは、

サクラナイツで実施されているようなスタイルで、

「定点カメラ」などを設置して「部屋全体の映像」を、

「リアルタイム・生中継」で「オンライン」に「加工せず」流し続ける方式を言います。

 

そのため、渋谷ABEMASが実施しているような、

「撮影した映像を編集したうえ遅らせて流す(≒ディレイ映像)スタイル」は含まれません。

 

結論。

 

楽屋配信は、

百害あって一利くらいしかない。

 

一利の部分は、

①映像による露出があることで一定割合で新規ファンの獲得に繋がる

②「スパチャ」など一定の収入に繋がる

といったところでしょうか。

 

とはいえ、仮に楽屋配信がなかったとしても、

そのことが大きなマイナスになるとは感じられません。

 

一方の百害については、

パッと思いつくだけでも、

①常に監視されている状況で選手がリラックスできない(≒ストレスが大きい)

②戦略的・戦術的な会話ができない

③あらゆる不測の事態に対応できない

といったところでしょうか。

 

①はあらためて考えると当たり前だけど、

自分たちの発言や行動を常に誰かに見られている、という状況。

 

現代はスマホ社会で、

気軽に写真や動画を撮りあうことは普通になりつつありますが、

それでも「リアルタイム」で全世界に流されるとなると、緊張感が伴います。

 

楽屋配信は「≒仕事」ですから、

リラックスすることができません。

 

一方で、この緊張感を伴う感覚が麻痺すると、

先日の岡田プロのような発言が飛び出します。

 

それ以外でも不測の事態にまったく対応できません。

 

おそらく楽屋配信には、

対局の裏側、選手の素の表情を「のぞき見」できる、

選手と一緒になってチームを応援できる、といった意図があるのでしょうが、

黎明期で露出増の優先順位が高い時期には効果的であっても、

急成長して7年目を迎えているMリーグにおいては、

肝心の選手がストレスフルとなり、デメリットが大きいと感じます。

 

さらに、より重要な点は、

②の会話に制限がされるということ。

 

たとえば、

サッカーでも野球でも「ロッカールーム」と「ベンチ」が分かれています。

 

ロッカールームは、一般的に非公開で、

対戦相手の分析など戦略的・戦術的な会話が繰り広げられます。

 

たとえば、

サッカーだと、

「〇〇(相手選手)の足が遅く、ボールロストが多いから、

〇〇のところを集中して攻撃しよう!」

みたいな発言。

 

チームスポーツでは相手の弱点を突くのは当然なので、

この程度の会話は何の問題もありません。

 

ですが、この発言、やりとりをカメラの前で公開したらどうなるでしょうか。

 

たとえば、日本代表の森保一監督が、

相手チームのディフェンダーの誰それが下手だとか鈍足だとか指摘するわけ。

 

間違いなく、その選手に対しても、

その選手を起用している相手監督、チームに対しても「リスペクトがない!」と批判されるはず。

 

最近はサッカー日本代表の裏側を密着映像として「Team cam」が配信されていますが、

当然のように、そのあたりの戦略的・戦術的な発言の部分は一切カットして編集されています。

 

ですから、森保監督の発言として公開されるのは、

「集中、集中、集中」「声出して行こう!」みたいな精神論がほとんど。

 

その映像だけを真に受けて・・・、

「高校のクラブ活動みたい」「森保は戦術がない」とか言いだす人ファンもどきが増殖していたり。

 

サッカーファンの愚痴みたいになったけれど、

要するに、カメラの有無で会話が変わる、という至極当然のことを再確認。

 

さて、Mリーグの楽屋配信の話に戻すと、

対局を観戦しながら「戦略的・戦術的な会話」ができません

 

各選手の打牌の特徴や、

対戦成績の相性の良し悪し、など、

極めて高度な打牌検討(打牌批判を含む)が飛び交う、なんてことは不可能。

 

そもそも、独自で収拾したデータや分析結果を公開するメリットがありません。

 

そういう意味では、Mリーグの楽屋は、

「ロッカールーム」、「控え室」というより、

「ベンチ」に近い空間なのかもしれません。

 

が、そうなると、

対局中にオーナーやスポンサーが訪問したりしている映像は違和感がでます。

 

これが控え室、ロッカールームに激励とか慰労ならわかるんですが、

ベンチに入ったらダメなんじゃない、となるわけ。

 

ということは、

楽屋はやっぱり控え室やロッカールーム的な位置づけなわけで、

それならクローズな空間として活用する方が有意義ではないか、と感じる次第。

 

わたし個人の結論は、

「楽屋配信を日常的にやる必要はない」(あくまでもリアルタイムでの垂れ流し映像のことです)

「現状のサクラナイツ方式の楽屋配信だとメリットよりデメリットが大きい」

というものです。

 

そして、

今回の問題提起の発端となった岡田プロの発言についても、

「楽屋配信を日常的にやっていた結果、緊張感が麻痺した岡田選手が失言した」

という解釈になります。

 

岡田選手個人が悪くないというつもりは一切ありませんが、

岡田選手個人の問題として捉えるのではなく楽屋配信のあり方の問題として、

あのような状況を作り出している楽屋配信を見直した方が問題解決に直結するという考え。

 

また、そうしないと、

今後も同じような騒動が発生してしまうことは避けられないと感じます。

 

かなり厳し目に書いてきたつもりですが、

まぁ、Mリーグも過渡期だよね、という感覚です。

 

追記.

その後、

伊藤さんがMリーグを体調不良を理由に欠席したことから、

様々な憶測が飛び交っているようです。

 

詳細がわからないですが、

今回の件の幕引きまでは今しばらく時間がかかりそうです。

 

といったところで、本日のブログは手仕舞い。

 

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