かっこいい「予定調和」の崩し方
トレード雑記第271弾、
かっこいい「予定調和」の崩し方
先日、5月19日をもって、
「Mリーグ2022-23シーズン」が、
渋谷ABEMAS悲願の初優勝で幕を閉じました。
ちなみにシーズン開始前にわたしも優勝予想をしていましたので、
答え合わせは、ぜひそちらのブログをご確認ください。
(アイキャッチ画像は、Mリーグのホームページよりファイナル最終成績)
☆シーズン開始前に優勝予想をしたブログ
さて、
オフシーズンには、
初開催となる「Mトーナメント」(Mリーガーを中心とした個人トーナメント戦)、
昨年好評だった「神域リーグ」がコンセプトを変更して今年も開催されます。
とはいえ、Mリーグの熱狂は他の放送対局とは段違いなので、
すでに「Mリーグロス」になっているわたしがいたりします。
そんななかで、
最終日となった5月19日は、
通常の19時開始ではなく17時から最終2半荘がおこなわれ、
その熱狂をそのままに表彰式・閉会式をする流れとなっていました。
そこで、とてもかっこいい、
いい意味で予想を裏切るような、
出来事があったのでご紹介します。
ベタ降りすれば優勝なのに「最速最強」の戦い
優勝チームの最終局に登板した多井隆晴プロ(渋谷ABEMAS)。
Mリーグから多井プロの麻雀を見たファンにとって、
多井プロといえば・・・、
鉄壁の守備、配牌降り、鬼絞り、ビタ止め、・・・。
「多井なら止めてた」というネタ(?)にもなっている守備力です。
チームの得点状況を考えれば、
最終局の多井プロの戦略として、
全局配牌降り、ダマテン率100%でもいいわけです。
むしろ、その方が、
憎たらしいほど強い、腹が立つけどやっぱり上手い、
といった「多井らしさ」が強調されたかもしれません。
しかし、今回の最終局で多井プロが採用した戦略は、
自身のキャッチフレーズでもある「最速最強」。
え、こんなに攻めるの!???
といった感じで、守りに入らずに勝ちにいきました。
それでいてちゃんと勝ち切るところが多井プロの強さ。
そしてもうひとつ、
興味を惹いたのが打牌スピード。
多井プロは、対局中の変顔、ねちっこい盲牌と並んで、
打牌スピードが遅く長考が多いことで知られるMリーガーです。
麻雀の強さでケチがつけられないので、
アンチはだいたいそのあたりに噛みつきます。
が、最終局は、
打牌スピードがいつもの2倍くらいは速い・・・。
しかも止めるところは止めて、
踏み込むところは踏み込む。
懐かしさもあり、かっこよさもあり、
感嘆とする以外に何も言うことはありませんでした。
いい意味で多井プロの「らしさ」を裏切る麻雀を見せてもらいました。
ベタ降りしていても優勝間違いなしだったけど、
こういう攻める麻雀で最後を締めくくるのはさすがとしか言いようがないですね。
閉会式の予定調和を崩すエンターテイナー
そしておこなわれた表彰式、・閉会式ですが、
そこでも魅せ場がありました。
第3位となったTEAM雷電の挨拶。
会場への選手入場の順番は、
第8位のチームから順番に入場して、
壇上に登って、そこでチームの代表者が挨拶するわけですが・・・、
また、チーム毎での入場する順番は、
ドラフト4位指名の選手が先頭、2位指名、1位指名、3位指名が最後方の並び。
(選手の追加、入替などを踏まえたドラフト指名順)
先頭が「チームの顔」(≒ドラフト1位)ではなく4位指名の選手だったので、
なんでかなぁと考えていたら、壇上に登って立ち位置が左から順番だから(だと思う)。
たぶん、こういう順番で並んで入場してください、って指示があって、
別に拒否する理由もないので、なんとなくそのままになっていた感じ。
そしてチーム代表の挨拶は、「ドラフト1位」選手がするのが慣例。
やりたい・やりたくないに関わらず、
こちらも最初(なんなら5年前からかも)の指示がそのままになっている感じ。
そこで、第3位のTEAM雷電のところで異変が起きたわけ。
挨拶で名前を呼ばれたのが、
ドラフト指名順でいうと4位となる本田朋広選手。
驚きと歓喜、そして笑いが起きたスピーチとなったんだけど、
今シーズンの雷電を引っ張った立役者は間違いなく本田選手。
だったからこそ、そこに納得性があったわけ。
予定調和を少し崩して、
驚きと感動を提供するのがエンターテイメント
発案者はドラフト1位で例年挨拶を担当していた萩原聖人選手。
俳優であり、観客を喜ばせるプロであり、
一流のエンターテイナーのまさに証明といったところ。
こういうところが萩原プロのかっこよさ。
思い起こせば、
勝利者インタビューで「勝利ポーズ」を最初にやったのが萩原プロ。
(その後、各チームそれぞれの勝利ポーズがいまや定番に)
チームの集合写真で、
全チームが椅子(≒小道具として準備)に座って撮影するかたちを、
雷電だけが、地べたに座って撮影するスタイルなのも萩原プロの発案らしいし。
通算成績が芳しくないので、
毎年クビ候補として名前があがるし、
アンチの多い選手(≒ファンが多いのでアンチも多い)のひとりだけど、
華がある選手で真っ先に名前が出るのは、やっぱりハギーですね。
普通に視聴していたら、
つまらないそこまで面白みのない表彰式・閉会式ですが、
そこでドラマを展開できるんだから、本当にすごいの一言。
これまでも、このブログでは「Mリーグ」ネタをたくさん書いてきたように、
主張としては「5年がひとつの区切り」で、成功といえる拡がりをみせたけど、
二の矢、三の矢がなければ失速するかもしれない、という危惧もあったりします。
来シーズンから始まる「次の5年」をどう迎えるのか、
ひとりのMリーグファンとして楽しみに待ちたいと思います。
といったところで、本日のブログは手仕舞い。