サッカー選手にケガ人が続出する理由
トレード雑記第352弾、
サッカー選手にケガ人が続出する理由
近年のサッカー選手のケガの多さには、驚きと悲しみと、
ときに怒りにも似た感情を引き起こすことがあります。
もちろん激しいコンタクトスポーツなので、
選手のケガ自体は昔からあったわけですが。
最も単純な理由は、
試合数の多さ
基本となる所属チームのリーグ戦に加えて、
各国リーグを横断するリーグ戦やカップ戦。
ビッグクラブだとオフシーズンに企画される遠征試合。
各チームの主力選手は各国代表の主力選手でもあるので、
代表での公式戦、親善試合、などなど。
この時期(秋~冬)だと、
欧州の主要チームに所属する選手はだいたい、
週に2回くらいのペースで試合をしていることになります。
そりゃあ・・・、ケガにも繋がるよ、と。
なぜ、試合数が多くなるのか。
その理由もものすごく単純で、
お金。
試合数が増えれば増えるほど、チームは潤う。
観戦チケット、放映権料、グッズ販売、など。
選手も、多額の報酬をゲットできる。
(トップ選手は年間数百億円を稼ぐレベル)
ファンにとっても、
試合数が多ければ観戦機会が増えるので嬉しい。
チームよし、選手よし、ファンよし、
「三方よし」を体現した流れが試合数の増加なわけです。
その結果、
いろいろな試合が企画されて、
それに比例して選手の報酬・市場価値は高騰する一方だけど、
同時に選手のケガによる離脱が常態化してしまった感じです。
あまりにも行き過ぎた流れだと思うけれど、
じゃあ「試合数を減らせ!」と訴えても「何を」「どの試合を」減らすのか、
これもまた調整が困難なことは想像に難くないわけ。
リーグ戦などの主催者、チーム、選手にとっても、
「入ってくるお金が減ることになってもいいのか?」という問いかけに、
「YES、収入が減ってでも試合を減らせ!」と回答する人はほとんど聞かれません。
実際、ケガの多さ、試合数の多さに疑問を投げかける人はいますが、
「現役の」選手やチーム関係者からは「報酬の低下を受け入れてまで」主張する人は少ないらしい。
現状では、ビッグクラブは「層の厚さ」で戦うしかなく、
2番手、3番手の選手をたくさん保有してローテーションをしているし、
中堅クラブは一部の「選手を酷使」することになると同時に、
ビッグクラブへの引き抜きから得る移籍金で次の選手を発掘するし、
という感じで対処するよりないといったところ。
そのため最適解を導き出すことは難しいのだけれど。
そういった状況ではあるけれど、
選手のケガを防止するための次善策としては、
次のようなものも考えられています。
①交代人数を増やす
②一時的な選手交代(≒短時間退場&再出場)を認める
③試合時間を改善する
①が現行のゲーム進行を維持しつつ、一番フィットしそうです。
日本代表の森保監督が効果的に活用しているのでそう思うだけかもしれませんが。
②は、積極的な戦略としての一時交代を認める案とともに、
一時的な退場(アイスホッケーなどであるやつ)のような制度も検討されています。
レッドカードによる出場人数の低下はゲーム性を壊すことに繋がるので、
イエローカードとレッドカードの中間くらいのペナルティを設定する感覚です。
この制度が導入されると、
1人少ない10人で戦う時間が増えることが想定されるため、
そこでの戦術にいち早く着手したチームが優位となりそうです。
③は、現行の45分ハーフから30分×3交代にするみたいな話もあるようですが、
どちらかというと、ここ数年のアディショナルタイムを「しっかり取る」ことへのアクション、
実質的なプレー時間が増えていることへの対処、という考え方が今のところは主流らしい。
どの次善策も、
これまでのサッカーの醍醐味を維持したり増やしたりする部分と、
どうしても減らしてしまう部分とがあると思うので一長一短です。
それでも、ケガ人が続出して、
いつも誰かが欠場している、みたいな試合が続くよりは、
よっぽど面白いかなぁ・・・、という気持ちがしています。
といったところで、本日のブログは手仕舞い。