『ちるらん 新撰組鎮魂歌』って知ってる!?
トレード雑記第192弾、
『ちるらん 新撰組鎮魂歌』って知ってる!?
漫画アプリなどで無料で読める(読めた)漫画紹介、
数えてみたら今回で第7弾です。
サブタイトルからわかるように新撰組を題材とした漫画。
歴史好きにとっては戦国時代と並ぶ人気を誇る幕末が舞台なので、
すでにたくさんの作品があるわけですが・・・。
本作品がもの凄く特徴的だと感じた点をご紹介。
あらためまして、
本日紹介する漫画はこちら。
『ちるらん 新撰組鎮魂歌』(原作:梅村真也、作画:橋本エイジ)
2012年から『月刊コミックゼノン』で連載中なので、
結末がどう描かれるのかについては、わかりません。
ストーリーのネタバレにならない内容のみ記述します。
本作品が特徴的だと感じたのは、次の2点。
①エキセントリックでファンキーな登場人物のキャラ設定
②主要人物の退場の際に展開される回想シーン
①の代表的人物は、岩倉具視。
上半身裸でムキムキの武闘派として、
それでいて頭も切れるトンデモキャラ設定です。
ほかにも、基本的には現代風ヤンキー漫画の登場人物のような髪型・服装・口調がみられます。
最初にこういうタイプのキャラをみると、ぶっ飛んでるなぁと感じますが、
読み進めるうちに作者の「岩倉具視愛」ではないですが、登場人物への愛情を感じることになります。
②については、
最近の漫画だと2016年から2020年にかけて連載された『鬼滅の刃』(吾峠呼世晴)が多用した手法。
いわゆる敵側のキャラにも回想シーンを多用することで、
不幸な生い立ちなど同情ややるせなさからの感情移入を促して、
単純な悪とは断言できない敵側キャラの内面に迫ってくる演出。
『ちるらん 新撰組鎮魂歌』は完全に架空の話ではなく、
幕末という比較的新しい歴史を語るストーリーですが、
関係者の子孫がたくさん生存していることもあるわけなので、
旧・徳川幕府側の新撰組にも、新・政府軍側の関係者にも配慮されている感じ。
①と②を総合すると、要するに、
どちらか一方の側に肩入れするでもなく、
“ノンフィクションをもとにしたフィクションです”
と、あくまでも漫画として楽しんでくださいというメッセージが伝わってきます。
ちなみに、新撰組が活躍した期間は、
結成1863年、解散1869年とわずか6年あまり、
この間の1868年に明治元年を迎えています。
ちなみにちなみに、
新撰組隊士の最後の生き残りといわれていた池田七三郎が亡くなったのが、
1938年(昭和13年)です。
こんな感じで、
『ちるらん 新撰組鎮魂歌』は、
幕末の歴史知識が少なくても漫画としての面白さがありますし、
幕末の歴史知識が豊富だと自負している人でも面白く読むことができると思います。
変な陰謀論や復讐活劇みたいな重苦しい空気ではなくて、
歴史上に実在した登場人物をモチーフとしつつも、
それぞれがそれぞれの正義のために信念を貫く
という清々しい感覚のアクション漫画です。
また、同作品の作者(原作&作画のペア)は、
「もし、あのとき坂本龍馬が生き延びていれば」
をモチーフにしたIFストーリーで描く漫画も描いていますので、
幕末そのものの人間模様が大好きなんだと思います。
そういった思いが詰まった作品として、
出つくされた感のある幕末に、新しい風を吹き込んでくれているのが、
今回紹介した『ちるらん 新撰組鎮魂歌』です。
といったところで、本日のブログは手仕舞い。