サッカーの進化-南米vs欧州を超えて

トレード雑記第199弾、

 

サッカーの進化-南米vs欧州を超えて

ワールドカップ開催に合わせて公開するブログの第3弾です。

 

☆第1弾、第2弾はこちら。

第1弾.「ワールドカップ」って知ってる!?

第2弾.『キャプテン翼』って知ってる!?

 

サッカーでは、長らく南米vs欧州の対立構図が展開されてきました。

 

開催国も南米と欧州が大半ですが、

近年ではアメリカやアジアでの開催など経済力のある国家での開催も増えています。

 

それでも優勝だけをみると、南米か欧州の代表チームが優勝を独占しています。

(ちなみに準優勝も南米or欧州のみだったりします)

 

そんななかで、

ここ4大会(2006年以降)はすべて欧州のチームが優勝するなど、

南米と欧州のあいだで微妙にパワーバランスが崩れてきているように感じます。

 

そのあたりを少し掘り下げて考えようというのが、

今回のブログの趣旨になります。

 

1.南米と欧州の特徴

思いっきりステレオタイプな分類ですが、両者の主な特徴は次のとおりです。

 

南米

小柄な体格でスピードとテクニックに秀でている

個人技を重視し、天才的な才能を持つスーパースターが誕生する

 

欧州

大柄な体格でパワーと高さに秀でている

チームプレーを重視し、組織的な攻撃・守備の美しさがある

 

必ずしもこの特徴に該当しない代表チームもありますし、

それぞれの地域のなかでも国ごとの差があるわけですが、

ざっくり書くとこんな感じでイメージしていいと思います。

 

2.サッカーが進化するとき

このような特徴を前提として、

サッカーが進化したと感じる瞬間は大きく3点あります。

 

①スーパースターが誕生したとき

最も知名度があってわかりやすいのがアルゼンチン代表の故・ディエゴ・マラドーナ。

 

数々の伝説を残していますが、

「戦術はマラドーナ」と言われたほど、すべてに秀でたスーパースターでした。

 

当時の表現で言い得て妙だったのが「マラドーナは10cm走に強い」。

 

10mの誤字ではありません、100mでもありません。

 

ほんのわずか、10cmだと足の半分以下の距離ですが、

常に相手より先にボールに触れることができてコントロールするところからきた表現。

 

ファーストタッチが完璧なので、次の10cmでも負けることはなく、

マラドーナにボールが渡ると対戦相手はファール以外に止める手段がないとすら言われました。

 

そしてマラドーナはドリブルもシュートも一流でしたが、

パスのセンスが想像を絶する次元だったので、ゲームを支配する存在としてピッチに君臨しました。

 

とまあ、こんな感じですが、

それに対して新しい進化が誕生します。

 

②スーパースターに対抗するとき

サッカーの進化と言う意味では、こちらの方がより大きいかもしれません。

 

マラドーナを止めることを目的として、

オランダやイタリアなど欧州の強豪国が「ゾーンプレス」という守備のかたちを確立させました。

(厳密にはそれ以前にも同様の守備はありましたが)

 

マラドーナの先にも後にも、スーパースターは存在していて、

そのスーパースターのプレースタイルが新しい戦術となったり、

そのスーパースターを止めるために別の新しい戦術が生まれたり、

といった繰り返しのなかでサッカーは現在でも進化し続けているのだと思います。

 

③道具・システム・ルールが進化を促進させる

これまでの①と②が選手、監督などプレーヤーの進化の代表例ですが、

それに加えて道具・システム・ルールがその進化を促進させることがよくあります。

 

ボールの進化によって、より速く遠くに飛ぶボールが開発されていますし、

シューズは足の感覚をより直接的に伝わるように靴紐に工夫がみられています。

 

一見するとわかりにくいですが、ユニフォームも日々進化しており、

軽くて丈夫、吸汗性に優れた素材を追求したりしていますし、

相手に掴まれないようにピタッと肌に張り付くタイプもあれば、

一方で「わざと破れやすい」素材にしてケガを防ぐとともに、

掴まれて破れたときに反則だと審判にアピールできるような工夫もありました。

 

そして、ビデオ判定の導入についても日々進化しており、

初期のボールのなかにチップを埋め込んでラインを割ったかどうか判断するみたいなところから、

今回のワールドカップだとVAR(Video Assistant Referee)が本格始動しています。

 

結果的に、ゲームの進行が遅れることもしばしばですし、

同時に、それらの止まっている時間を正確に計測することで、

ロスタイム(アディショナルタイム)が長くなっているようにも感じます。

 

また、審判としても「判定が保留」(≒後からビデオチェック)できるので、

一瞬一瞬の判断の重要性が低下しているように感じる散漫なレフェリーも・・・。

 

3.VAR導入が変えるサッカーの未来

そして、VAR導入の直接的な効果のひとつとして、

従来のサッカーでは美徳、あるいは必要悪と考えられていた上手さ、

いわゆる「マリーシア」を封じ込めるのに抜群の威力を発揮しているところです。

 

サッカー用語の「マリーシア」とは、

狡猾な行為、ずる賢い行為、ときに審判を欺く行為の総称です。

 

特に南米の選手が得意としていて、

こちらも一番有名なのは「マラドーナの神の手」。

 

近年ではブラジル代表のネイマールが得意(?)としていますが、

めちゃくちゃ痛がっている感じで転げまわっているところでVARなど映像を確認すると、

「ダイブ」(≒足を引っ掛けられたフリをして自ら倒れて反則をもらう技)が発覚することも。

 

わたし個人としては、

「マリーシア」が通用しにくくなったところが、

南米のチームが勝ち切れず、欧州のチームが勝つことが増えた要因のひとつだと感じています。

 

もちろん欧州の強豪国も、マリーシアという表現は置いておいて、

ずる賢くファールを誘うプレーは当然のようにやっていますし、

それを含めたサッカーの上手さ、強さだったりするわけですが、

「より正確な判定」「より正確な試合時間」を志向したVARの導入であり、

大きな流れとしてはサッカーのゲーム性に影響を与える変化になると感じます。

 

この変化に対応できるかどうかはチームの進化のカギとなるわけですが、

一般的に元々ずる賢いプレーがそれほど得意ではない日本代表にとっては、

戸惑いをみせている強豪国よりも、変化への対応力で優っているかもしれません。

 

またVARは、

審判にとっても大きな変化をもたらします。

 

先ほども書きましたが、ゴールやファールなど決定的な瞬間を見逃しても、

後からビデオ判定ができることで、判定の保留が可能となりました。

 

同時に、判定におかしな点があると繰り返し全世界に晒されることになります。

 

最も有名なのは、2002年の韓国代表。

 

審判の買収騒動にまで発展したワールドカップの黒歴史のひとつですし、

あの出来事以降、サッカーファンで韓国代表が好きな人は皆無に等しい状況です。

(あくまでもサッカー、ワールドカップの文脈においてです、念のため)

 

おそらく今後は南米vs欧州の枠を超えて、

アメリカ(1994年開催国、2026年開催予定)やアジア、アフリカなどでの開催も増えると思いますが、

経済力・商業主義にとどまらない、サッカーそのもので強豪国と渡り合う日本代表を見たいものです。

 

といったところで、本日のブログは手仕舞い。

 


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