麻雀村の村おこし「この熱狂を外へ」の先にあるもの

トレード雑記第341弾、

 

麻雀村の村おこし「この熱狂を外へ」の先にあるもの

今年で6年目を迎えたMリーグ。

 

3年目のスローガンとして掲げられた「“もっと”この熱狂を外へ」は、

いまではMリーガーの共通認識として浸透している感じがします。

 

今回のブログでは、

少し比喩的な書き方ですが、

イメージしやすいように、麻雀界を「麻雀村」として、

現状と課題、そして、その先にあるものについて考えていきます。

 

1.麻雀村の住人たち

「麻雀村」とは、1970年代後半に誕生した競技麻雀のプロ団体をきっかけに、

競技麻雀のプロ雀士やその関係者、さらには麻雀ファンなどが暮らす村。

 

そこでは、

村長(競技麻雀団体の代表・会長など)、

村役場の職員(同所属の麻雀プロなど)、

村の施設で働く人たち(麻雀店、メディア関係、飲食店など)、

村の施設に通う人たち(麻雀ファンなど)、

などが主な住民となります。

 

さらに、比較的新しい住民として、

インターネット麻雀を楽しむ人たちや、

麻雀番組を観戦する人たち(=「観る雀」)が増えています。

 

こういった麻雀村の住民に共通しているのは、

「村の名産である麻雀が好き」

という気持ちを持っていることです。

 

2.村おこしとしての「Mリーグ」

麻雀村では麻雀という名産に誇りを持っており、

同時にたくさんの人に知ってもらいたいと考えています。

 

そのため、麻雀村ではこれまでも定期的に「村おこし」を実施していたのですが、

2018年に開幕したMリーグが、近年では一番の「大当たり企画」として盛り上がっています。

 

Mリーグは、

麻雀の「良い文化」を発信することで、

外の世界へ麻雀を広める役割を担っています。

 

そのことは同時に、

「外の世界から麻雀村に訪問する人たち」が増えることを意味します。

 

純粋に麻雀を好きになった新規ファンもいれば、

麻雀村で新しいビジネスを展開しようとする人もいます。

 

そういった人たちが麻雀村に定住することになれば、

麻雀村はこれまで以上にますます発展することになります。

 

まとめると、

麻雀村と外の世界を繋ぐ「村おこし」が、

Mリーグです。

 

3.村おこしが成功するために大切なこと

とはいえ、村おこしは一朝一夕では成し遂げられません。

 

今回のブログでは触れませんが、

麻雀村では、これまでも様々な村おこしを展開してきましたが、

一時的なヒットはあるものの継続した人気の定着・拡大にはつながりませんでした。

 

これまでの村おこしでは見られなかった反響がMリーグに起こったので、

麻雀村では、嬉しい悲鳴というか大きな混乱を迎えることになりました。

 

現在では、一時の混乱からはかなり落ち着いているように見えますが、

いくつかの課題(潜在的なものを含む)が浮かび上がってきたように映ります。

 

一般論として、

村おこしが成功するためには、

①村が一丸となって積極的・献身的に名産を販売・宣伝する

②村を訪れる人たちを暖かく迎え入れる

③村の文化と外の世界の文化の折り合いをつける

ことが大切となります。

 

麻雀村でも、このあたりの課題が浮き彫りになってきたように感じます。

 

4.麻雀村の課題①「Mリーグ」への感情は悲喜こもごも

成功する要件として、

①村が一丸となって積極的・献身的に名産を販売・宣伝する

を採り上げました。

 

このことは簡単なように思えて、もの凄く難しい要件でもあります。

 

ぶっちゃけた話をすると、

麻雀村には「Mリーグに否定的な人たち」が少なくありません。

 

Mリーガーではない麻雀プロが、

表立ってMリーグを批判をすることはありませんが、

羨望のまなざし、嫉妬の声などはそれなりに漏れています。

 

もっとわかりやすいのは、

麻雀村の古参住民である麻雀ファンの一部から、

「Mリーグはエンタメ」「最高峰じゃない」

「Mリーガーではない〇〇の方が強い」「Mリーガーの△△はビジュアルだけ」

みたいな声が聞こえてきます。

 

ここで「エンタメ」の定義や範囲は議論しませんが、

要するに「Mリーグは、麻雀村の一番の名産ではない」と言いたいのです。

 

一般的な村おこしでも、

「〇〇は本当の名産ではない」「もっと別の△△を売り出したい」

みたいな批判的な声、消極的な声は聞こえてきます。

 

そして、その住民にとって、

「居心地のいい」古き良き村の文化が侵食されることを恐れるあまり、

村おこしに反対(水面下での反対を含む)したり、足を引っ張ったりするわけです。

 

同じ麻雀村の住民だからこそ、

「村おこしの題材=Mリーグ」に対して、

悲喜こもごもの感情を持つことになります。

 

そもそも全村民が一致団結してMリーグを宣伝するというのは不可能な話ですが、

新旧の利権も絡んでいて、村の内部から空中分解する危険がないわけではありません。

 

5.麻雀村の課題②村を訪れるご新規さんに優しくない

村おこしが成功するふたつ目の要件は、

②村を訪れる人たちを暖かく迎え入れる

となります。

 

これもまた、文字にするより難易度が高いです。

 

前述したような麻雀村の内部のゴタゴタが顕在化することは、

新しく村を訪れる人たちにとって、決して気持ちがいいものではありません。

 

新しく麻雀村に訪問した人たちは、

「村おこし=Mリーグ」がきっかけで麻雀村に興味を持ったのに、

村ではMリーグやMリーガーへの誹謗中傷、嫉妬・妬み、嘲笑などを見聞きします。

 

さらには、新しくファンになった人たちを「ライト層」などと分類して、

(分類すること自体が問題ではないが)馬鹿にする古参住民が一部に存在します。

 

極めつけは、

「麻雀村の常識を知らないやつは来るな!」

みたいな空気を醸し出す感覚です。

 

このあたりも、

村おこしに成功したかに思われて観光地化したところなどで、

住民と観光客とのトラブルが後を絶たなかったりする状況と酷似しています。

 

どちらが正しいとか間違っているとかではなく、

こういう問題が発生して、目にする機会が増えることで、

その村の住民は外から来る人を拒絶するようになりますし、

その村を訪れる人は一気に減少してしまう結果になります。

 

一部の変な住民と変な訪問者は常に存在しますが、

結果としてまともな住民とまともな訪問者が割を食う流れです。

 

そして、その村での村おこしは成功しそうに思われた段階で、

残念ながら定着せずに結果的に失敗に終わる、という典型的な失敗例の仲間入りを果たします。

 

6.麻雀村の課題③変えるものと変えないものと

村おこしが成功するみっつ目の要件は、

③村の文化と外の世界の文化の折り合いをつける

となります。

 

一般論として、

村には村に独自の文化、常識、慣習などがあります。

 

こちらも一般論ですが、

外の世界の人から見れば、

その村の文化などの一部について理解しづらいものが含まれます。

 

両者の折り合いがつかなければ、

以降の親交が深まることはありません。

 

そういった観点から「村おこし」というのは、

村の名産を販売・宣伝するという「内部→外部」の一方通行ではない、

という視点が大切になります。

 

つまり、「内部→外部」に広がる過程で、

同時に「外部→内部」を意識した内部の変革が迫られるわけです。

 

変革と表現すると大袈裟ですが、

自分たちとは異なる価値観やものの考え方について、

どの程度受け入れるのか、という折り合いをつける必要があります。

 

麻雀村の住人たちが一枚岩ではないことは前述のとおりですが、

外の世界の文化を受け入れる心がまえがある人とない人がいます。

 

麻雀村として「変えてはいけない文化」はしっかり残す必要がありますが、

同時に「変えてもいい文化」には柔軟に対応した方が村の発展に繋がります。

 

一例ですが、たとえば将棋の世界では、

1980年代までは真剣師と呼ばれる「賭け将棋」で生計を立てる裏プロのような人が存在しました。

(NHK『ふたりっ子』の銀じいのモデルとなった故・大田学さんが「最後の真剣師」だと言われる)

 

日本将棋連盟でも昭和の時代は番外戦術が横行したりと、

ダーティーなイメージがなかったわけではありませんが、

谷川浩司十七世名人や羽生善治会長などの登場もあって、

将棋界のイメージは開かれた明るいものへと変わったように思います。

 

麻雀村もまた、以前からダーティーなイメージで語られがちですが、

そこからどのように脱却して、新しいイメージを醸成していくのか、

麻雀村の常識と外の世界の常識とを上手く折り合いをつける必要がありそうです。

 

「この熱狂を外へ」というスローガンのまさにその先には、

「外の世界の人たちを麻雀村に誘致する」段階がきます。

 

すでにその段階に入っていると思いますが、

村の常識を一方的に外の世界の人たちに押しつけるだけだと、

御多分に洩れづ「村おこし」は失敗の憂き目に合うでしょう。

 

 

さて、今回のブログでは、

比喩的に麻雀村の現状と課題について考えてきました。

 

麻雀村の村おこしであるMリーグは、

一見すると成功しているように見えますが、

このまましっかり定着するのか、それとも何かのきっかけで一気に崩れ去るのか、

そのあたりの「次の一手」がすごく重要な時期にさしかかっているように感じます。

 

次の一手を考えるにあたり、より具体的な課題として、

違和感に近い「ヒヤリ・ハット」の事例がいくつか見受けられますので、

次回以降はそういった詳細についても書いていこうと思います。

 

といったところで、本日のブログは手仕舞い。

 

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