W杯小話⑤.PK戦で勝利するコツ
トレード雑記第204弾、
W杯小話⑤.PK戦で勝利するコツ
PK戦のコツ、それはキッカーの育成も大切だけど、
それ以上にゴールキーパーの育成が大切だと思う。
一般的な認識、特にわたしのようなサッカーのオールドファンだと、
「PKは決めて当たり前」「失敗する方が稀」という常識があったりします。
しかし、実際には、思いのほか「失敗」します。
ワールドカップのように延長戦を含めて120分の死闘を演じた後のPK戦ですから、
疲労もピークなので「丁寧なコントロール」が上手くいかない場合も多々あります。
もちろん、決めて当たり前と思われているなかで蹴る選手たちは、
そのプレッシャーも相当なものとしてのしかかってきます。
しかも、どれだけ練習を積んでも、
実際に試合で(試合中であれPK戦であれ)PKを蹴る回数は多くはありません。
(極端な話、現役生活のなかで1本も蹴らない選手がいてもおかしくありません)
だからこそ、キッカーの育成が大切であることを理解しつつも、
実質的に「ノープレッシャー」(≒全部入れられても責任は問われない)である、
ゴールキーパーを育成する方が効率的ですし、効果的だったりします。
キッカーを「5名」、そもそも試合でPK戦になる確率が低いにも関わらず、
人選から実際の練習に練習を重ねて取り揃えるコストを考えると・・・、
もっと優先順位の高い練習内容がありそうです、少なくとも日本代表だと。
ゴールキーパーの場合は、
基本的には「1名」の練習で事足りますし、
練習内容によっては、試合中のファールによるPKにも対応可能です。
もちろん、いずれの準備も大切であることは言うまでもありませんが、
キッカー5名の「ゴール成功率」を向上させて失敗を減らす方向性よりも、
ゴールキーパーの「ゴール阻止率」を向上させてセーブ成功を増やす方向性の方が、
費用対効果が高いはず、という考え方。
特に日本代表では、
ベテラン勢の代表引退は不可避ということもありますし、
心機一転「新しい体制」「新しいシステム」「新しい戦略・戦術」を模索するなかで、
「新しいスターたち」による「新しい練習」を重ねて「新しいチーム」が活躍する、
そんな展開になればいいのではないでしょうか。
といったところで、本日のブログは手仕舞い。
おまけ-生産的な議論がのぞまれる
今回のブログは、日本代表がクロアチア戦で敗北した翌日、
スペイン代表もまたPKで敗北した後に書き上げました。
その後、日本に勝利したクロアチアはベスト8のブラジル戦で・・・、
またしてもPKとなり勝利してベスト4一番乗りという結果に。
その後に実施されたアルゼンチン-オランダもPK決着。
日本代表がPKで敗北した直後は、
いろいろと批判的なコメントが多かったけれど、
その後の展開をみると、それよりも・・・、
なぜ、クロアチア代表はPKに強いのか?
について議論した方が生産的だと感じた次第。
クロアチアの戦い方を観ていると、
前述したゴールキーパーの力量(育成やメンタルなど含む)はもちろん、
代表チームとして「延長戦込みの120分+PK」を熟知しているように感じる。
そのことを、
先日ブログにした日本代表の森保監督の采配と対比すると、
日本:1試合を90分ではなく、45分×2試合に分割して劇的なシステム変更で戦う
クロアチア:1試合を90分ではなく、延長戦込みの120分と想定して総合力で戦う
みたいな感じ。
いずれも従来からある「サッカーの常識」からは外れた采配だと思う。
従来の常識だと、90分で決着をつけることが基本だけれど、
決着がつかなかったら15分ハーフの延長戦に突入することになって、
それでも同点だったらPK戦で決着をつけるみたいな感じで、
延長戦以降については「+α」的な考え方が一般的だと思う。
こういう考え方の違いって、
采配(システムや戦略、選手の人選から起用方法など)に影響するし、
そのことを理解できない人にはまったく理解できないところ。
だから、一部の人にとって、
クロアチア代表を過小評価してしまう一因になっている。
(日本代表を過小評価してしまう一因も同じ理屈)
クロアチア代表の2大会連続でこの勝ち上がり方は、
単純に運だけでは説明できないので。
そして、一時期の日本代表の理想形が、
ボール支配率を高める「ポゼッションサッカー」だったけれど、
もしかするとクロアチア代表の戦い方は「日本代表の上位互換」としての方向性を、
示しているのかもしれない。
いずれにしても、
日本の弱さをあげつらって批判するよりは、
クロアチアの強さを分析する方が、より生産的な議論になる。
そこで最もネックとなっていそうなのが、
今回の日本代表の結果を評価する人に「にわかファン」と断定して、
やたら「この4年間の実績で評価しなければならない≒現体制批判」の人たち。
あれ、なんなん?
現状は最高成績タイだけど、上を目指すにはまだ課題がある、ならわかるけど。
ちなみにわたしは、
さらに上を目指すためには、
森保監督は続投せずに海外で監督業をしてほしいし、
代表引退を発表をする選手は早めに発表したらいいし、
新体制を早期に構築できる流れをつくっていけばいいと思う。
そのなかで、実質的な予選となるオリンピックとかアジア大会などで、
調整をしつつ4年後のワールドカップでベスト8以上を目指してほしい。
(オリンピックは予選というよりは、若手有望選手の見本市ですが)
ぶっちゃけオリンピックやアジア大会で無双しても、
本番のワールドカップで惨敗したら意味がないと思うし、
逆にワールドカップ以外で取りこぼしても、そこは丁寧に調整すればいい。
そんな感じ。
生産性のない称賛と批判は等しく価値を生まないので、
生産性のある議論がおこなわれることが大切だと思う。
といったところで、本日のブログは手仕舞い。