若手女流プロに麻雀ファンはいない!?
トレード雑記第263弾、
若手女流プロに麻雀ファンはいない!?
ゴールデンウィークの箸休めに、毒舌強めのブログタイトルです。
先日もプログに書いたとおり、
注目していた麻雀最強戦の出場プロを、
「ファン投票」で決めようという企画のお話続編。
☆先日のブログはこちら(概要説明や第1回中間発表までの内容)。
「芸能人の人気はやっぱりすごい!!!」(2023年4月21日)
そこでは、あまりにも応募数が少ないのが気になるという感想を書いたんだけど。
そのことを逆手に取ったのか、
もともとそういった戦略を想定していたのか、
応募券のついた雑誌の発売に合わせて公開されたTwitterに注目が集まりました。
投稿者は大阪で活動する原えりかプロという若手の女流プロ。
今回のブログでは、
原えりかプロの投票戦略の秀逸さと、
プログタイトルにした「若手女流プロに麻雀ファンはいない!?」の2本立てです。
正確には、後者があってこその前者の戦略が光ったという感じ。
お時間ありますときにご一読ください。
原えりかプロの投票戦略の秀逸さ
放送対局常連とはほど遠く、無名に近いと思われる原えりかプロが、
172票で中間発表暫定1位を獲得した理由を表現したのが前述のTwitter。
見てのとおり、
バーカウンターに山積みされた未開封の雑誌の束と、後ろ向きに座る女性の写真。
手元には「はがきらしきもの」が写っています。
文章からは、
この雑誌を誰が購入(仕入れ?)したのか、
何冊あるのか(≒〇〇万円分なのか)、といった具体的な情報はわかりません。
また、後ろ姿の女性が原プロ本人だと思いますが、
それすらもアバウトなので、ミステリアスな状況を演出しています。
結論を書くと、
この女性を見てみたい!
どんな人なんだろうか!?
どんな麻雀を打つんだろう!?
という興味を惹くTwitterになっています。
もし、これが、
「〇〇万円投入した」とか、「買い占めてやったぜ」とかだと興ざめですし、
加工ばっちりの顔や、胸や足を強調した写真だと否定的意見も多かったはず。
また、いわゆる自撮り方式で、
顔のアップと、その後ろに雑誌の束がある構図だと、
どんな表情をしていても下品に写ってしまったはず。
「何も語らない雑誌の束」と「表情を見せない後ろ姿」が、
秀逸なプロモーションになっているといって差し支えありません。
しかも、このTwitterの前には、
投票についての呼びかけや投票者(≒ファン)へのお礼など一切していませんでした。
そういったこともあったので、
組織票があっただのタニマチがいるだの噂話を膨らませておいて、からのこの展開。
その後、原えりかプロが所属する団体の重鎮、
黒木真生プロが「種明かし」的なnoteを公開したことで、
より詳しい一定の真実が広まることになったわけです。
黒木プロのnoteは有料部分があるため、詳細は割愛しますが、
原プロ自身が一つひとつアピールするより何倍もの宣伝効果があったことは間違いないはず。
ものすごく単純化して「原えりかプロの投票戦略の秀逸さ」をまとめると次の3点。
1.名前を覚えてもらうための最速最短の戦略を採用した
2.最高の想定を絶対に逃さない準備と行動をしていた
3.広告宣伝としてプロモーションに活用した・できる
目立つためには「誌面に名前が載らないと意味がない」わけですから、
10票(10冊)では注目を集めないので100票くらいあれば目立つ、くらいの出発点だと思います。
第1回中間発表において、
さすがにそこまでは想定外だったと思いますが「暫定1位」を獲得したことで、
「2.」に迅速に移行できたわけです。
中間発表では、自身が172票、2位が108票、3位は30票・・・、ですから、
後半戦は前半戦の2~3倍の表を上乗せできれば1位の可能性が高まります。
(次年度進出大会出場権獲得のための2~9位入りはほぼ間違いなし)
そこで、さらなる大量購入へとアクセルを踏み込んだわけ。
もしこれが、数千票単位、数万票単位の投票総数であれば、
個人の財力では限界があるため、早々に諦めたと思います。
「この数字(投票総数)ならいける!」と判断して発注をかけたわけですから、
発売後にコンビニをはしごして数冊程度購入するのとは異なる準備となります。
その結果が、あのTwitter。
そもそも「麻雀は運ゲー」と言われているけれど、
配牌から、最高のツモを想定して、そのツモがきたときだけは逃さない手組みが大切。
たまに「この手が役満に仕上がるのか!?」といったことがありますが、
そこには幸運なツモだけではなく、その最高形を見据えた手組みを想定していないと成就しません。
(つい先日の鈴木優プロの四暗刻はまさにそんな感じでした)
原えりかプロにとって幸運だったのは、
中間発表時点での投票総数が少なかったこと。
暫定1位となってかなり目立ったわけで、第一目標は達成した感じ。
そのうえで、その状況に満足せずに、
つまり、この幸運をアガリにつなげるために、
二の矢を虎視眈々と狙っていた、という意識。
その準備と行動が、
例のTwitterに表現されている。
これぞ麻雀プロという「場況読み」。
配牌が良くなくても、最高の受け入れだけは意識しておいて、
ツモが効かなければ撤退、ツモが効けば全ツッパで踏み込む!
最善を尽くしたからこそ、
最高形を迎え入れることに成功した感じ。
最後に、「3.」だけど、
公開されたTwitterの内容とともに公開のタイミングも完璧。
必要最小限のアピールで、最大の効果を発揮している。
また、雑誌の購入費用について、確証はないけれど、
経営者の顔も持つ黒木プロにTwitterで質問をしたところ、
おそらく広告宣伝費として計上できる可能性が高い。
さらに雑誌そのものの活用方法として、
サインを入れてファンに配布することもできるし、
アイデア次第でほかにいくらでも活用できそう。
最終的に何票の投票になるのか、順位は何位になるのか、
そのあたりはわからないけれど、お金の話だけをすれば、
「ノーリスク・フルリターン」になると思う。
どこまで事前に想定されていたのかは定かではないけれど、
相当な策士だと思うし、全く想定せずにやっていたのなら、
麻雀プロ、さらにはビジネスパーソンとしての嗅覚が凄い!
当然、一部のクレーマーは湧くだろうけれど、
ビジネスのセンスと麻雀プロの狂気を兼ね備えた原えりかプロは、
今後ますます注目を集めることになるはず。
これで麻雀がめちゃくちゃ弱ければ、
それはそれで面白いけれど、今回の最強戦出場が無理でも、
すぐにどこかの放送対局に呼ばれそうな逸材だと思います。
ちなみにYouTubeで検索してもゴルフの原英莉花プロばかりだったけど、
サンマ(三人打ち麻雀)の映像をみつけたら、めちゃくちゃ面白かった。
原えりかプロを最強戦で見たいなぁ。
若手女流プロの人気がなさ過ぎる・・・
ちなみに、今回の原えりかプロの戦略が功を奏したとしても、
二番煎じは芸がないので、他のプロが真似をしてもまったく相手にされないはず。
また、今回のファン投票のシステムは今後変更or中止になりそう。
というのも、全国販売の雑誌で大々的にファン投票企画をやって、
中間発表とはいえ暫定1位が172票って、あまりにも少な過ぎます。
ぶっちゃけ、企画倒れと言ってもいい状況かもしれません。
しかも投票される側の女流プロたちにとって、残酷だけど、
人気がなかったという事実が白日の下にさらされたのです。
(個人ではなく全体としてそういう印象になってしまった)
YouTubeの登録者数やTwitterのフォロワー数がどれだけ多くても、
それが今回のファン投票には結びつかったという状況です。
結局のところ、
「若手女流プロの麻雀をお金を払ってでもみたい」
と考える「麻雀ファン」が少ないのだと思います。
もちろん、
ブログタイトルの「~いない!?」は言い過ぎですし、
比較対象はこの場合は実績のある中堅~ベテラン麻雀プロ(性別問わず)です。
今回の企画であらためてわかったことは、
雀荘で容姿や接客態度などに一定の人気があったとしても、
放送対局で麻雀ファンがみたいのは麻雀だという当たり前の事実。
若手の女流プロを「アイドルグループ」的な売り出しは過去にもありましたし、
「キャバクラ嬢」的な接客は今でも少なくない若手女流プロが実践しています。
その方向性も、知名度向上やファン獲得のきっかけにはなると思います。
とはいえ、
一般論としても、過剰なエ〇アピールは女性に受けが悪いですし、
未成年に対しては好ましくないアピール方法とも考えられます。
(男性からも敬遠される可能性が少なからずあったりします)
一定の価値はあると理解しつつ、
Twitterなどをみていても、麻雀についての言及はほぼなく、
顔写真やコスプレ衣装などの自撮りが中心だったりすると、
麻雀ファンのひとりとして、それならモデルやタレント、アイドルなど、
その活動が本職の人の方が・・・、と考えないわけではありません。
麻雀プロなら麻雀をアピールしてほしい。
麻雀をみせてくれる若手の麻雀プロがいないのか、
麻雀をみせる舞台がないからそうなっているのか、
卵が先かニワトリが先かみたいな感覚になるけど、
麻雀番組なら麻雀がみたいのが麻雀ファン。
なお、主語が若手女流プロなので、女性差別的な受け止められ方をされるかもしれませんが、
若手男性プロは「ファン投票企画自体が開催されない」ので、状況はより深刻だと感じます。
そんなことを考えていると、大変なことばかりだろうけれど、
一人でも多くの若手プロ(男女問わず)にスポットライトが当たればいいなぁ、
と心の底から思います。
といったところで、本日のブログは手仕舞い。
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